花粉症は、春先のスギやヒノキがきっかけという方が多かったですが、最近はさまざまな種類の花粉に反応する方が増えてきたため、通年の心配事になってきました。
そこで今回は花粉症の対策におすすめの食事のとり方についてご紹介します。
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【花粉症が起こるメカニズム】
人間の体には、内部に侵入しようとするウィルスなどの異物を排除し体を守ろうとする働き(免疫機能)が備わっています。またその物質を「IgE抗体」と呼びます。
抗体ができた後、再び花粉が体内に入ると、鼻や目の粘膜にある肥満細胞の表面にある抗体と結合します。その結果、肥満細胞から化学物質「ヒスタミン」が分泌され、花粉をできる限り体外に放り出そうとし、くしゃみで吹き飛ばす・鼻水や涙で洗い流す・鼻づまりで中に入れないよう防御するなどの症状が出てくるのです。
【花粉症対策に効果的とされる食事・食べ物】
花粉症に負けない体をつくるためには、さまざまな栄養素を摂取できるようにバランスのよい食事を心がけましょう。栄養の偏った食生活を送っていると、自律神経が乱れて免疫機能が正常に働かなくなり、花粉症の悪化につながります。
栄養バランスがとれた食事をするうえで、次に挙げる栄養素と食材を意識をして摂取すると花粉症対策の効果が期待できます。
1 発酵食品
味噌や納豆、ヨーグルト、麹、酢、醤油、キムチなどの発酵食品は、腸内環境を整える作用があります。腸にある多くの免疫力を正常に保ち、アレルギー症状を緩和できると考えられています。
(おすすめの献立)朝食には納豆と味噌汁などの和食メニュー
2 青魚(EPA・DHA)
サバやイワシ、アジなどの青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸はアレルギー症状を抑える働きがあると言われています。
(おすすめの献立)定番のイワシの梅煮やサバの味噌煮など
3 緑黄色野菜・果物
体内で活性化酸素が増えると花や目の粘膜が炎症しやすくなり、かゆみも強くなります。にんじんやほうれん草などの緑黄色野菜には、粘膜を強くする働きのあるビタミンAが含まれています。また野菜や果物には腸内環境を整える作用のある食物繊維や抗ストレスホルモンの材料となるビタミンCが含まれています。
(おすすめの献立)ビタミンAは油と一緒にとることで吸収率がアップしますので、野菜炒めはおすすめです。また、毎朝果物をとる習慣をつけるのもよいでしょう。
4 エゴマ油、アマニ油
エゴマ油やアマニ油に含まれるα―リノレン酸は、体内でEPAやDHAに変換されます。酸化しやすいので加熱せずサラダなどに利用するとよいでしょう。
(おすすめの献立)サラダの手づくりドレッシングとして使うのがおすすめ
【花粉症の時に控えたい食事・食べもの】
花粉症患者が増加傾向にある原因のひとつとして、食生活の欧米化による高カロリー・高タンパク質な食事が関係しています。タンパク質は免疫機能向上に欠かせない栄養素ですが、過剰に摂取すると免疫機能が度を超えて働いてしまうため、花粉症の症状が悪化してしまうことがあります。
花粉症の症状を抑えるには高カロリー・高タンパク質な食事は控えましょう。菓子類などの甘い食べ物の食べ過ぎも注意が必要です。血行が悪くなり、免疫力が低下するため花粉症の症状がひどくなる可能性があります。刺激の強い香辛料やアルコール、コーヒーも鼻の粘膜を刺激するので、花粉症のときは控えましょう。
食事対策は、腸内環境を整える発酵食品を取り入れるため、1日1回味噌汁を飲む、ビタミンや食物繊維をとるために緑黄色野菜を食べる、エゴマ油・アマニ油など質の良い油を野菜にかけて生でいただく。簡単なことから毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
外食時にはカラフルな緑黄色野菜がとれるサラダをはじめにいただく、脂肪分の多い肉ではなく刺身をオーダーし、魚に含まれるEPAやDHAなどの良質な油をとるなど工夫してみましょう。