足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足裏研究家の鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断を実録レポートします。今回のモニターさんのお悩みは、健康に気をつけているのになかなか解消しない「便秘」です。長引く不調を足相がどのように解決してくれるのか、お読みください。
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ひとめみて元気な足裏!なのに便秘に悩む日々
今回きよみ先生のサロンを訪れたMさんは、教育関係のお仕事をされている52歳。3年前に乳がんを患ったことをきっかけに生活習慣を見直し、健康のためにさまざまな努力をされているそうです。
きよみ先生:「イキイキとして元気な足裏です。かなり健康に気を使っていますね」
Mさん:「病気に効き目があるという温泉に通ったり、冷え性対策のために5本指ソックスを重ねばきしたり、自分なりに情報を集めて実践しています」
きよみ先生:「再発防止のためには体に脂肪をつけすぎないことと、体温を上げることはとても大切ですね。足の色をみると、Mさんが体をしっかりと温めていることがわかりますよ」
足裏は健康そのもののMさんですが、なかなか解消しない体調のお悩みがあるそうです。
Mさん:「ふだんから朝にお通じがないのが悩みです。週末にまとめて出る、といったこともあり、いつもお腹にたまっているようで不快感があります」
きよみ先生:「毎日排便がなくても、ある程度ペースがつかめるようであれば便秘とはいえず問題ないのですが、5日間も便通がないのは少し長いですね。3日に1回くらいが目安となります」
それではさっそく足裏をチェックしていきましょう!
足相からわかった便秘の原因とは
きよみ先生:「じつはMさんの消化器の反射区の部分には、便秘を示す足相は出ていないんです。便がつまって便秘を起こしているのではないようですよ」
便秘を実感しているのに、足相には出ていないというのは不思議ですね!
きよみ先生:「いつも朝ごはんをあまり食べていないのでは?と思いますが、いかがですか」
Mさん:「はい、朝はプチ断食をしていて、酵素ドリンクのみです。お昼はしっかり食べていますが、夜は控えめにしています」
きよみ先生:「お仕事の都合上、朝の出勤が早く食事もあまりとっていないので、便通のリズムがつきづらくなっていますね。また、野菜中心の食事をされているようですが、水分を飲む量が足りていないようです。それが便が出にくくなっている原因です」
Mさん:「たしかに!野菜はたくさん食べていますが、自分でも水分は足りてないように感じていました」
きよみ先生:「野菜をたっぷり食べる場合は、それに見合ったたっぷりの水分もとらないと、便を押し出すことができません。ミネラルウォーターやお茶を飲む量を増やすことを心がけてみてください。自然と便通のリズムがついてくると思います」
便秘を気にして野菜を多く食べる工夫をしている人は多いと思いますが、水分不足が便通の悪さを引き起こすこともあるのですね!体調や食生活が当てはまる人は、いつもより水分を多くとってみてはいかがでしょうか。
消化器の働きを整える足刺激テクニック
お腹が張っているな、と感じたら足裏の中央部分にある消化器の反射区を刺激しましょう。
【消化器の反射区を刺激する】
(1)右足裏の中央を逆L字型に刺激する
右の足裏には上行結腸から横行結腸へとつながる逆L字型の反射区があります。上行結腸の下からスタートし、横行結腸ヘと流していきましょう。指の第二関節の角を立てて、しごくようにして刺激します。
(2)左足裏の中央をコの字型に刺激する
左の足裏には、横行結腸・下行結腸・直腸とつながっているコの字型の反射区があります。右足同様、ここも矢印の方向にしっかりと流していきます。
ゴリゴリとした固まりがあるようなら、腸の中に便がつまっている状態です。指角やツボ押し棒の先などを使って、ピンポイントで刺激しましょう。ゴリゴリをつぶしながら押し流すと、腸のつまりが解消し便意が感じられるようになるそうです。
仕事のストレスを感じやすい人のための足刺激テクニック
Mさん:「朝早くから出勤で夜も帰りが遅いので、常に寝不足状態なのもストレスを感じます」
きよみ先生:「そうですね。寝不足は週末にたっぷり眠ることで解消してみては? 睡眠やカロリー、栄養素の摂取量などは、1日単位で考えると十分とるのは難しいので、1週間で足りているかどうかを考えてみましょう」
それよりもきよみ先生が気になったのは「足の指」なのだそうです。
きよみ先生:「足の指の向きが左右でバラバラなのが気になりますね。仕事の環境が気ぜわしく、気持ちがあちこちに向いてそぞろになりやすいようです。がんの再発防止のためにも、仕事のストレスはしっかりとケアしておきたいですね」
足の指の向きや指と指のすき間の開き方がバラバラになっている人は、ストレスを受けやすい環境でキャパオーバーになっているかもしれません。これからご紹介する足刺激をしっかりと行ってみてくださいね!
【腎臓・輸尿管・膀胱の反射区を刺激する】
この反射区への刺激は、全身を温める効果がある基本テクニックです。手の指角でしっかりとプッシュします。
(1)腎臓の反射区への刺激は、指角やツボ押し棒の先でプッシュします。
(2)腎臓から輸尿管の反射区は、膀胱に向かって流すように指角やツボ押し棒を動かします。ゴリゴリとした手応えを感じたら、それをつぶすようなイメージで流していきましょう。
(3)膀胱の反射区への刺激は、指角やツボ押し棒の先でプッシュします。
この基本のテクニックは、毎日続けることで体調を整えることにつながります。
【親指をしっかりもむ】
脳と対応した反射区が集まっている親指を刺激することで、ストレスによって乱れがちな自律神経のバランスを整えることができます。指角を使うだけでなく、ツボ押し棒の先でゴシゴシとこするのでもOKです。
仕上げに上半身のリンパを流して終了
乳がん経験のあるMさんには、上半身のリンパの流れを促すために胸部リンパの反射区への刺激もおすすめです。今、花粉症で辛い人にもぴったりのテクニックです。
【胸部リンパの反射区を刺激する】
足の甲の親指と人さし指の間、人さし指と中指の間、中指と薬指の間の溝を流すように刺激します。ここを押すとたまった水が流れ、むくみが解消されます。
指の間の溝に、手の親指の指腹やツボ押し棒の頭の部分を沿わせて、足首に向かって流すようにします。
最初の足裏に比べ、血色がさらによくなったMさん。はじめての反射区への刺激はいかがでしたか?
Mさん:「足裏が温かくなり、指先の緊張がゆるんだ感じがします」
きよみ先生:「今健康な人もこれから先もっと元気になることをめざして、足刺激を習慣にしてくださいね」
足刺激テクニックはもちろん、生活のアドバイスもたっぷり受けたMさん。また次回、体調の変化をお伝えします!
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子