ただ貯金するだけではなく、お金を増やすためには投資をしなくちゃいけない…。それはわかっていても投資のことって学ぶ機会があまりないし、始めるタイミングも難しくて、なかなか始められていないという人も多いのではないでしょうか。今回はそんな初めての投資にぴったりな「つみたてNISA」について、ファイナンシャルプランナーの横川楓先生にお話を伺いました。
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「つみたてNISA」ってどんな制度? メリットは?
「つみたてNISA」は国が作った投資の制度で、いろいろな会社の株や投資商品を詰め合わせた投資の詰め合わせセットである「投資信託」を年間40万円までなら毎月積み立てていけるというもの。どの投資を詰め合わせるのか、その詰め合わせをどういう状態で保つ(運用していく)のかはプロにお任せできるラクちんな仕組みです。投資というとつねに売ったり買ったりタイミングをみていなければならない印象がありますが、つみたてNISAは長期でコツコツが基本なので、基本的には頻繁に手をつけたり気にすることもありません。
何よりメリットは、普通の投資であれば運用して増えた利益に対してかかる税金が20年間かからないというところ。利益がまるまる手に入るんです。
また、たくさんある投資の商品の中から、どれを選べばいいかわからなくなってしまうなんてこともよくあることなのですが、つみたてNISAは金融庁の基準を満たしている商品に限られているので、膨大な数から選ぶということもありません。
「つみたてNISA」はどんな人が始めるべき?
何よりおすすめなのが、投資をするのが初めての人。証券口座によっては、毎月100円から、積み立てを始めることができます。貯金や毎月の収入に不安があったとしても、月にたったの100円何かをガマンするだけで、投資を始められるのです。最初の1歩を始めなければ、いつまでもお金を増やすことができないまま。はじめは少額で、お金の余裕がでたら毎月の積立額を増やしていけばOK。
一方で、すでに定期預金など毎月の貯金をしっかりしているという人も、そのいくらかをつみたてNISAに回すことでお金を増やしていくことができます。
月々のつみたてはいくらくらいが妥当?
つみたてNISAはいつでも引き出せる定期預金のようなものですが、あくまで投資は余剰資金でやるもの。メリットはあるけれど、投資なので、日々増えることもあれば、もちろん減ることだってあります。自分のムリのない範囲の金額から始めるのがいちばんです。
しかし、あまりに積立額が少額だと、増える金額も少しずつになってしまいます。銀行の定期預金でもよくて金利0.05%~0.1%、普通預金なら金利は0.001%と、ただ銀行に預けているだけでは、100万円預けていても1年で10円から100円程度にしか増えません。そんなただ預けているだけではお金が増えない時代に、少しでもお金を増やしていくためにも、できれば毎月1万円以上の万単位で積み立てていけるといいですね。
最近だと新型コロナウイルスの影響で株が暴落したなんてことがありましたが、つみたてNISAのような長期投資は、どうしても利益がマイナスになっているときでも持ち続けないといけない場面があります。しかし、そこで手放してしまうのではなく、また値段が上がるまで淡々と積み立てを続けることで利益がでる可能性が高くなるのが長期投資です。
つみたてNISAは、あまり投資にお金をかけられないし、投資は怖い…という人にも、とてもやさしい制度。とはいえ、投資を始めるには、証券口座がなければ始めることができません。まずは証券口座のホームページで、ぜひ証券口座を開設することからスタートしてみましょう。
イラスト/うつみ ちはる