「ステイホーム」を合い言葉に、在宅でのテレワークが日本でも広く行われるようになりました。インターネットを使った会議も活発。もっとも直接顔を合わせないだけに、サボっていないか監視の目が厳しくなっているという指摘もあります。でも、必ずしも連絡ができているから仕事がうまくいくというわけでもありません。米国の研究グループによると、メールのやりとりにも、うまくいっているチームならではの特徴があるようです。
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仕事がうまくいくチームとは?
在宅で仕事をしていると、いわゆる報告、連絡、相談なども密に行う必要があるといわれることもあるでしょう。とはいえ、そうしたコミュニケーション自体が負担になって、仕事の成果につながらないなら本末転倒。上司の立場にある人にとっても、部下の立場にある人にとっても、どうすれば、仕事がうまくいくのかは、こんな状況だからこそ悩みの種であるはず。通勤の負担が軽くなっているともいわれますが、新しい課題もあるわけです。同じ仕事をするのでも、きっと成果につながる仕事のやり方はあるはず。
自粛ムードのなか、きちんと成果を出せるチームの特徴とはどういったものなのでしょう。米国カーネギーメロン大学の研究グループは、同じ従業員数や技術力などの条件が同じ場合に、うまく仕事の成果を上げているチームの特徴について分析しています。そこで見えてきた違いは、メールのやりとりにあったようです。
「常にメール」がよいわけではない
判明したのは、仕事の成果が出ているチームは、メールがあるときはどっと交わされ、またあるときはぱったりとやむという大きな変動があるということです。そして注目すべきなのは、メールが常にあるペースで平均的に交わされるわけではないという点。コミュニケーションを考えると、密に定期的にメッセージが交わされるとよいようにも見えますが、いざ仕事の成果を考えるとそうではなかったのです。
今回、研究グループは銀行のチームを対象にして、売上やサービスの成果と、働き方の各種の指標との関係を分析した結果として、このようなメールのやりとりとの関係を見つけ出しました。研究グループは、メールのやりとりを分析すれば、最も仕事の成果を出せるコミュニケーションをするチームを見極めることが可能と推定しています。
今、会社の仕事で定期的な進捗の報告を求められたりして、面倒だったり、負担だったりする場合、もしかするとそれは成果の上がる仕事のやり方ではないのかも。コミュニケーションが難しい今だからこそ、よりよい情報のやりとりの仕方を考えるのが大切なのかもしれません。
<参考文献>
“Bursty” Email Communication Helps Groups Convert Resources Into Results
https://www.cmu.edu/tepper/news/stories/2020/april/bursty-email-research-anita-woolley.html
Variance in Group Ability to Transform Resources into Performance, and the Role of Coordinated Attention
https://journals.aom.org/doi/10.5465/amd.2019.0231