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SNSとどうつき合えばいい? 「書き込み」によるストレスの泥沼にハマってしまうメカニズムとは…
ソーシャルメディアを使うことでストレスが募り、精神的な負担になるケースが問題になっています。“炎上”と呼ばれるような事例、誹謗中傷、嘘の情報など、ソーシャルメディアとのつき合い方は課題も多いことも。海外の研究によると、SNSの活用で感じるストレスが引き金になり、かえってSNSに没頭してしまう負のスパイラルが存在するようです。利用の仕方を考えるうえで参考にするとよいかもしれません。
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SNSの問題はどこに?
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)には、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムなどがあり、何らかの形でいずれかのサービスを使っている人も多いでしょう。サービスの利用では書き込みを読むことなどによって受ける心身の負担感も指摘されており、誹謗中傷や炎上では実生活に支障を来たし、自殺に至るようなケースも問題になっています。
英国ランカスター大学などの研究グループは、SNSの利用でストレスを感じた人が、その後にストレスを解消するときにSNSのなか、あるいはSNS以外で対処するのか、その選択肢について分析。SNSのストレスが利用者にどのように影響するかを調べました。
なお、研究グループはSNSのストレスについて、自分の時間が侵害されているなどの「侵害」によるもの、アプリケーションの変化がわからないなどの「不明」によるもの、使い方がうまく理解できないなど「複雑さ」によるもの、友人に合わせることに負担を感じる「形骸化」、自分の情報を書き込みしすぎているなど「公開」によるもの、利用しすぎていると感じるなど「過負荷」によるものを想定しています。
ストレスを感じると逆にハマる
このように分析して判明したのは、SNSでストレスを感じると、直感と反するようですが、SNSの同じサービスを使い続けるようになり、かえってSNSにハマり込んでしまう悪循環があるということです。SNSは幅広い情報を提供しているので、ストレスにつながる情報がある一方で、ストレスを軽減してくれる情報も紛れています。そのためにSNSにかえって没入してしまうというのです。
SNSの問題によりさらにSNS依存に向かうことになり、そうするとストレスの原因に触れる頻度も増えてきます。それがさらにSNSへの利用へと促すのです。SNSには、友人とのコミュニケーションのほか、写真を投稿したり、チャットをしたり、ゲームをしたりと複数の機能があり、ストレスの逃げ道になっています。
こうしたSNSの悪循環を脱するには、SNSからいったん離れて、家族や友人などと会話するなど、SNS外部でのストレス解消が効果的であると考えられます。SNSに入り込みすぎているとしたら、まったく違う活動に目を向けるとよいかもしれません。
<参考文献>
Social media stress can lead to social media addiction
https://www.lancaster.ac.uk/news/social-media-stress-can-lead-to-social-media-addiction
Tarafdar, M, Maier, C, Laumer, S, Weitzel, T. Explaining the link between technostress and technology addiction for social networking sites: A study of distraction as a coping behavior. Info Systems J. 2020; 30: 96– 124. https://doi.org/10.1111/isj.12253
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/isj.12253