自己肯定感とは“ありのままの自分を認めること”。しかしその自己肯定感を阻むのが幼少期の体験から生じる心のクセ=メンタルノイズです。心理カウンセラー・山根洋士さんのメンタルノイズメソッドでは、無意識下の思考のクセを知り、なぜかうまくいかない原因をひも解いていきます。前回メンタルノイズを5つご紹介しましたが、今回はそのノイズをキャンセルする方法についてです。著書『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)からお届けします。
前回の話はこちら!
Contents 目次
メンタルノイズの影響を受けやすい人
自分にはどのようなメンタルノイズがあるのか知ることで、その影響を受けないように少しずつ体質改善していくことができます。
山根さんによると、そもそもメンタルノイズに影響されやすい人の特徴は次の3つがあるそうです。
1.受け身になりやすい素直な人
2.ものものごとを深く考える内向的な人
3.切り替えが苦手な生真面目な人
意識的に受け身のクセをなくす、できるだけ自分を客観視する、思考の切り替えが苦手だとわかり、切り替えするようにすると決めるだけでも自分を変えるエクササイズになりそうです。
ノイキャンエクササイズ① 【ぺこぱ風セルフツッコミ】
自分を卑下するような言葉が出てきてしまうとき、オススメは自分への全肯定ツッコミ。
「お笑い好きの人なら、芸人のぺこぱさんの漫才をイメージしてください。人と比べて『私ってダメだなあ』と口にしてしまったとき、即座に『とも言い切れない!』とツッコミを入れてみましょう」(山根さん)
たとえば、思考停止ノイズが邪魔して、ほしかった靴を買えなくてため息が出てしまったときには「買えなくて残念…。でもお金を節約できてよかった!」
他人が楽しそうに遊んでいるSNSのリア充投稿を見てへこんだら「ひとりでゆっくりしたい人もいる!」
「とにかく、ノイズが邪魔したときは、肯定ツッコミを入れるんです。そうすることで、ノイズによってネガティブになった気持ちを和らげることできます。ポイントは相手も自分も否定しないこと。『とも言い切れない!』は、深く考えなくても一瞬で心を落ち着かせることができるマジカルワードです」
ノイキャンエクササイズ② 【オセロ式メンタル反転法】
心のノイズはいきなりサクッと消すのはなかなか困難。少しずつ小さくしていけばいいのです。
「何か変えようとしたときに、すべて変わらないと変わったと思えない。少しくらい変わっただけでは、変わった気がしない。 この感覚が、そもそもの間違い。だから、全部変わらないと『変えられなかった』 となり、やっぱり私にはできないんだとなってしまうんです」
そういう思考になったら、イメージするといいのはオセロ。
「オセロは一手で黒をすべて白にすることなんてできませんよね。ときには1個、ときには3個と、できる範囲で少しずつ黒から白に変えていく。ノイキャン体質をつくるのも、これと同じです。人とつい比べてへこんでしまう人なら、1日に1回でも比べることをやめられたら、それだけで進歩。黒を1個、白にしたようなものです。変わったことを少しだけでも自覚できれば、その一歩が次の一歩につながります」
すでに自分の一部になっているノイズは、よくも悪くも自分らしさともいえるもの。受け入れるのか、それとも現実を変えるために手放すのか、それはあなたしだいです。
このようなエクササイズをしてもときどきノイズが出てくることもありますが、それも客観視できるだけ、もう以前の自分ではないこと。ノイズを自覚して、思考を変えていくことで新しい自分に出会えるかもしれません。
文/庄司真紀
参考書籍
『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)