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5つのナチュラル洗剤活用例
【重曹】キッチンの油汚れは重曹パックが効果的!
重曹が洗剤として使えることは浸透していますが、重曹の汚れ落ち効果を最大限生かすためにおさえておくべきポイントはどのようなことでしょうか?
「重曹は水に溶かしてはじめてアルカリ性の洗剤になるので、粉末のままでは酸性の汚れを浮かす効果は期待できません。ただし、粉末のままシンクに振りかければ研磨剤になるので、シンクに振りかけて全体を磨き、その後に温かい湯で流すことで、油汚れを効果的に落とすことができます。重曹をアルカリ性洗剤として使うには、40℃くらいのぬるま湯に、濃度1%(水200mlに対し、重曹小さじ1/2)になる重曹を溶かして『重曹水』にするのがオススメです。重曹の濃度を守れば、拭き掃除後に白浮きすることはないので、二度拭きの必要がありません。コンロの焦げ付きや換気扇のしつこい油汚れには、重曹水をしめらせたキッチンペーパーで重曹パックをしましょう。10分ほど放置すれば、汚れが浮き上がります。重曹水は保存が効かないので、一度の掃除で使い切れる量を用意するようにしてください」
【重曹掃除メモ】
・粉末のままならクレンザー効果あり。ただし、アルカリ性洗剤としての効果はなし。
・40℃のぬるま湯に1%濃度の重曹を溶かした重曹水は、アルカリ性洗剤になる。コンロ周辺やキッチンの床などの油汚れ落としに効果的。濃度を守れば、二度拭きが不要。
・重曹水を鍋に入れて加熱すると、発泡することで鍋の焦げ付きを浮かすことができる。
【過炭酸ナトリウム】排水口のヌルヌルや黒ずみには過炭酸ナトリウムでシュワシュワ除菌を
弱アルカリ性洗剤の過炭酸ナトリウムは、カビを落とし、漂白や除菌をする働きがあります。
「60℃の湯2Lあたりに大さじ1の過炭酸ナトリウムを溶かせば、漂白剤としての働きが期待できます。コンロの五徳や水筒・ティーポットなどの茶しぶ落とし、ふきんの漂白などに加え、排水口のヌメリや黒ずみ除去にも効果的。排水口は週に1回ほどのペースで、シンクの排水口をふさいで湯をため、過炭酸ナトリウムによる除菌と漂白を行えば、ヌメリや黒ずみをキレイに除去できます」
【過炭酸ナトリウム掃除メモ】
・60℃のお湯に過炭酸ナトリウムを溶かすことで発泡して汚れを浮かすことができる。ギトギトの油汚れやカビ、黒ずみがあるときにつけ置きすることで、洗浄と除菌、漂白ができる。
・食器やふきんの漂白、排水口の掃除、換気扇や五徳などのギトギトな油汚れ落としに効果的。アルカリ度が高いので、すすぎは丁寧に行うように。
・変色の可能性があるため、アルミ製品や畳には使用できない。
【石けん】手洗いと食器洗いは石けんで。スポンジを使わずお皿汚れが除去できる!
石けんを泡立て、メッシュクロスで食器を洗えばスポンジは必要ありません。
「食べた後の汚れが残る食器は、乾いたペーパーで汚れを拭き取ってから、石けんを泡立ててメッシュクロスで洗っています。石けんは泡をしっかりとすすぐ必要があるので、水が流せない場所には使わないほうがいいでしょう。石けんの洗浄力は合成洗剤と同じくらいありますが、酸性の汚れと合わさると中和されて洗浄成分が失われやすいので、酸の強いレモンやドレッシング、油汚れなどは、あらかじめペーパーで拭き取っておくようにしましょう」
【石けん掃除メモ】
・水をふくませたメッシュクロスで石けんをよく泡立てて食器を洗う。酸の強いレモンやドレッシング、油汚れなどは最初に拭き取っておくことが大切。
・粉末石けんを、ボトル型のふりかけやはちみつの容器のような形状のものに入れて、ふりかけるように使うのが、コスパがよくて便利。
【クエン酸】水アカや石けんカス、魚などの臭い除去はクエン酸におまかせ
水アカや石けんカス、焼き魚臭などのアルカリ性の汚れに効果的なクエン酸は、重曹水と同様に、1%濃度のクエン酸水を使います。
「クエン酸水は重曹水よりも使用場所が限られますが、必要なときにシュッシュと吹きかけて使うことで、水アカや石けんカスのしつこい汚れの蓄積を防げるので、ぜひ手に取りやすい場所に置いておきましょう。蛇口はキッチン作業を終えた最後にクエン酸水スプレーを吹きかけて乾いたマイクロファイバークロスで乾拭きすればピカピカになります。キッチンではありませんが、浴室のガラスについた水アカ除去やトイレのアンモニア臭に吹きかけるのも効果的です。食洗機を使用している場合は、クエン酸を大さじ1加えて、食器を入れずに運転をすることで水アカ除去ができます」
【クエン酸掃除メモ】
・濃度1%のクエン酸水をスプレーに作っておき、蛇口や鏡などの水アカに吹き付けてマイクロファイバークロスで拭き取る。トイレや浴室でもこまめに使いたい。
・クエン酸水は2週間くらいで使い切る。
・食洗機にクエン酸大さじ1を入れて、食器を入れずに運転すれば、庫内の水アカ除去ができる。
【アルコール】キッチンやダイニングテーブルの除菌にはアルコールスプレーが大活躍!
今は、どの家庭でもストックが欠かせないアルコール(消毒用エタノール)はキッチン掃除にも欠かせないアイテムだとか。
「35%濃度のアルコール水(水110mlに対し、アルコール 90ml)は3か月ほど保存できるので、必ず作ってキッチンに置いています。除菌や油汚れ除去に効果があり、二度拭きの必要がありません。そのため、電子レンジを使用した後に庫内に吹きかけてからふきんで調味汚れを拭き取ったり、冷蔵庫の表面や中の除菌、調理台の油汚れ除去やテーブルの除菌などに使ったりと、毎日、さまざまなシーンで重宝します。揮発性が高いので、畳や押入れなどにも使えます。35%よりも濃度が低いと効果がなく、濃度が高いと家具や電化製品を痛めてしまう可能性もあるので、アルコール水の濃度は守るようにしてください」
【アルコール掃除メモ】
・濃度35%のアルコール水をスプレーに作っておき、キッチンをやダイニングテーブルを使用した後に吹きかけて乾拭きすることで除菌をする。
・引火性があるので、コンロ周りで使用するときは注意をすること。
使い終わった掃除道具は吊り下げて保管する
使い終わった調理や掃除道具は吊るしておくことで、湿気がこもらないようにすることも、掃除の手間を省く大きなポイントに。
「スポンジや厚手のぞうきんなど、乾きづらいものは使わず、薄手のメッシュクロスを使い、使用後は洗濯するか、よくすすいでキッチンに吊るしておきます。こうすることで、素早く乾き、余計な水分をため込まずに済みます。油や調味料汚れも見つけたらサッとペーパーで拭き取る、アルコール水で除菌することを心がければ、キッチン汚れはずいぶんと減りますよ」
ナチュラル洗剤は環境に優しいけれど、洗浄力が弱いイメージがあるかもしれません。しかし、汚れにあった性質のものを使い、化学反応効果を生かせば、専用洗剤と変わらない洗浄力が出せる上にすすぎの負担が減らせることがわかりました。キッチン掃除に革命を起こすナチュラルクリーニング術を新生活に取り入れてはいかがでしょうか?
Profile
ナチュラルクリーニング講師 / 本橋ひろえ
北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業。化学系の企業に就職し、化学事業部で水処理、化学薬品、合成洗剤などの業務を担当。結婚退職後、専業主婦として家事を経験し、子どもがアトピー体質であったこともあり、ナチュラル洗剤を活用するように。その後、ナチュラルクリーニング講師としての活動を始動。全国各地での講座開催や、著書などで、ナチュラルクリーニングの方法を広める活動に力を注いでいる。
Blog=https://ameblo.jp/naturalcleaning/
『ナチュラルおそうじ大全』(主婦の友社)
http://shufunotomo.hondana.jp/book/b456688.html
手が荒れず、ゴシゴシ洗い不要、少ない洗剤で家中をキレイにできるナチュラル洗剤活用術のノウハウがギュッと集約された1冊。5種の洗剤を使いこなす教科書として手元に置いておくのがオススメです。
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