世界的にワクチン接種が進みつつありますが、引き続き、感染対策が行われています。外出自粛の推奨もされてはいますが、ここアメリカ・シカゴでは、歩行者天国が再開。そのとり組みの一部をご紹介したいと思います。
Contents 目次
コロナ自粛が続き、経済打撃を打破するためにシカゴの街が打ち出した案とは?
筆者が住むシカゴ郊外北西部にある街は、小規模ながらもおしゃれなレストランやバーなどの飲食店が建ち並んでいます。ランチやディナータイム、週末などには多くの人たちで賑わっています。
シカゴのダウンタウンまでのアクセスが便利な鉄道「METRA(メトラ)」の駅やスーパー、図書館など生活に便利なため、住みたい街としても人気があるほか、日系大型スーパーや日本食レストラン、日系の病院や美容院など近くにあり、日本人も多く住んでいます。あらゆるものが近場でそろうため、車が無くても困ることがありません。
コロナ禍では、他の地域と同じように、レストランなどの飲食店はもちろん、ブティック、リカーショップ、雑貨店などが休業し、街全体が閑散としていました。
しかし、昨年夏ごろからようやく自粛が緩和され、人数制限を設けての飲食が許可されるようになると、活気を早くとり戻すために、街がとある施策を打ち出しました。その施策とは「Outdoor dining zone(アウトドア・ダイニング・ゾーン)」と呼ばれるもので、メインロードを封鎖して歩行者天国にし、両脇には各レストランなどの飲食ができるようにテーブルセットを設置して、街の人々がより楽しく外食できるよう工夫したのです。
いろいろなアイディアで攻める
各レストランの前には、いくつものテーブルセットが設置されると、太陽の下で気持ちよく食事をする人たちが平日のランチから集まるようになり、週末ともなるとさらに賑わいが増すようになりました。
また、週末はライブを行うレストランもあり、窓をオープンにして道行く人たちに演奏を聴かせるような粋な計らいをするところも。
ほかにも、小さなテントでの劇場まで登場し、いろいろなショーを見ることも可能になりました。テントは密封にならないよう、換気用にテントの端をめくって空気の循環をよくしたり、チケット購入時には間隔を空けてグループごとに椅子が並び、ソーシャルディスタンスにも配慮しています。
去年からスタートしたこの企画、今年は3月から11月までを予定しているそうです。夜になると道路脇がライトアップされ、幻想的な空間の中で、飲食や散歩を楽しむことができます。
徐々に暑くなってきたシカゴは、もう間もなく夏。夜はより過ごしやすくなるので、昼夜ともに、ますます歩行者天国を楽しめるようになります。
まだまだ以前のような生活に戻るのは難しいかもしれませんが、このようなとり組みによって、再び街に活気が戻ってきつつあります。
文・写真/脇方真由美