SDGsに積極的に取り組み続けているハワイ。経済の中心であるオアフ島の中でも、特にカイルアは進んでいます。
以前、「SDGsへの意識が高い、自然豊かなハワイ。日本人観光客にも人気のホテルの取り組みをご紹介!」の記事でもハワイのSDGsへの意識の高さを紹介しましたが、今回は“ゴミをゼロにする”ということを目標に掲げて、さまざまな取り組みを行なう、新規オープンの素敵なお店を紹介します!
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オアフ島の街・カイルアは、ワイキキから車で30~40分くらいの場所にあり、カイルアビーチやラニカイビーチなど人気のビーチも点在しています。
カイルア周辺は、オアフ島の中でも特に環境問題への意識が高い人が多いと言われ、新しくゴミを出さないことをポリシーとしたショップ「Protea(プロテア)」が2020年6月にオープンしました。
オーナーを務めるのは、米・テキサス州生まれのロリさん。現在の“持続可能な開発目標(SDGs)のままではまだまだ足りず、環境破壊を引き起こしかねないことに危機感を覚えたことから開店に踏みきったそうです。
実際に、オアフのビーチに行くと、多くのプラスチック製のゴミが流れ着いているのをよく目にするというロリさん。
2018年に、先にオンラインショップを立ち上げ、プラスチックを無くすべく、オーガニックや自然由来の素材を使った商品を販売。そして、新型コロナウイルスによるロックダウン禍の2020年6月に、満を持してお店をオープンさせました。
「初めはホノルルに出店しようと考えていましたが、このカイルアでオープンさせたのは正解でした。ここ、カイルアの人たちは、みなさん環境問題への意識がとても高く、幸い、当店が洗剤やシャンプーなどの生活必需品を扱っていたので、コロナ禍もお店を維持することができました」(ロリさん)
店内には、「Zero Waste(ゼロ・ウェイスト/ゴミを無くすこと)」を意識したアイテムが多数並んでいます。例えば、ソープディッシュは牛乳パックを再利用したものや、フェイス用の何度も使えるオーガニックコットン、材料に竹を用いた歯ブラシやフォーク、ナイフ、コーヒーカップなど。オーガニックコットンは、2年程度使い続けることができるというから驚き!
ほかにも、オーガニック系のヘアシャンプーやヘアコンディショナー、洗濯用洗剤、食器用洗剤などについては、好みの香りのものを必要な量だけ自由に選んで買うことができます。
また、マイボトルを持参してもOKで、ない場合は店頭でボトルを購入することができ、ゴミを出さなくてすみます。店頭で購入したボトルは何度も使えるのが◎。
「最終目標は、ゴミをゼロにすること。たとえ完全にゼロにすることはムリだとしても、できる限りそこに近づけるよう、再利用できるものは積極的に活用していきたい」とロリさん。
現在、とり扱っているアイテムのうち、6割程度はオアフを含めたハワイ諸島、それ以外はアメリカ本土の中小会社のもので、毎月新しい商品を見つけては積極的に仕入れています。
また、不要になった服を店舗に持参すると、店内にある服と交換できるという「スワップシステム」も導入するサービスも行っています。
「以前に比べて、ゴミを出さないような生活を心がけていている人が増えてきているように感じます。とはいえ、徹底的にやらなければいけないということはなく、自分ができる範囲でムリなく行えばいいのではないかと思います」(ロリさん)。
コロナ禍でおうち時間が多くなり、それに伴い、マスクやプラスチック製品などのゴミの排出量が増えたことから、できるだけゴミを出さないためにはどうしたらいいかを考えるようになった人たちがお店に来るようになったのだとか。
「今後もいろいろな方法で、ゴミを出さないような生活をサポートする店作りをしていきたいと思います」と、ロリさん。
ハワイにおけるSDGsの取り組みは、今後ますます加速していきそうです。ご興味ある方は、ときどきチェックしてみてくださいね!
●Protea(プロテア)
https://proteazerowaste.com
写真・文/堀内章子