新型コロナウイルスの感染拡大にともない、昨年4月に一時閉鎖に追い込まれた、ここハワイのヒルトンホテル。約8か月間の休館を経て、12月に営業を再開しました。
いまだに観光需要が戻らない中、ヒルトンホテルはSDGsにも力を入れて取り組んでいます。その取り組みの一部をご紹介したいと思います。
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ヒルトンホテルは、SDGsを切り口に2030年までに社会的影響、環境への影響など具体的な戦略目標を作り、日々取り組んでいます。
特に、「環境」と「社会」に重きをおき、いろいろな施策を行なっています。
例えば、環境への取り組みでは、水消費量と廃棄物を50%削減することを目指しています。そのために、水を節約するべく、ハウスキーピングは基本的に4日1回に。その間に必要なタオルなどはリクエストがあったものは対応しています。ほかにも、キッチンやハウスキーピング部門では、省エネ機材を採用し、調理や洗濯などを行っています。
また、2018年より直営レストランおよびバーで提供されていたプラスチック製のストローを廃止。現在は、植物繊維または紙から作られているストローを使用しています。ほかにも、プラスチックカップの代わりに、漂白されていない植物繊維で作られるワールドセントリックカップ(たい肥化できて使い捨てが可能なカップ)も導入。ほかにも、地元の農家や漁師、酪農家などから取り寄せた地元の食材を積極的に採用しています。
さらに、ハワイ島のヒルトン・ワイコロア・ビレッジでは敷地内にウォーターステーションを設置し、宿泊者に折り畳めるエコウォーターボトルをアメニティとして提供したり、ホテル内の移動手段として使用されるキャナルボートをディーゼル駆動から電動駆動に切り替えて1艘(そう)あたりのガソリンを1日約45リットル削減したりしています。とくに、このガソリン消費量の減少は、年間で1艘につき約1万6000リットルにもなるのだそう! 資源のムダ使い、二酸化炭素の削減にも貢献しています。
また、客室内の固形の石鹸を宿泊客が使ったのち、廃棄せずに、アフリカやアジアの国々を含めて127か国に寄附するといった活動も行っています。
「社会」的な影響としては、従業員たちが、ハワイの古来植物を植える活動をするNPOにボランティアとして参加したり、アメリカの感謝祭などでディナーをサービスする活動などにも参加したりしています。会社としては、地元の中小企業や人種的なマイノリティー経営のサプライヤーからの調達を増やすようにしています。
現在、ヒルトンホテルは、ワイキキに5つあるすべてのタワーが再オープンとなり、賑やかさを取り戻しつつあります。1日でも早く日本人観光客が戻ってくることを期待しています。
写真・文/堀内章子