消臭や殺菌の効果もあるという紅茶。「その効果を使って、茶殻を掃除や消臭などにも活用できるんですよ。それに、家屋の建材から出るホルムアルデヒドを吸着する力もあるんです」と日本紅茶協会認定ティーインストラクターの森田麗子さん。そこで、掃除や消臭への活用の仕方を詳しく教えてもらいました。
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キッチンで魚や生ごみのにおい消しに!
紅茶の茶殻は、魚を料理した包丁やガスコンロのグリルなどのにおい消しに威力を発揮。紅茶に含まれるポリフェノールの一種であるフラボノイドの成分に、消臭と抗菌の作用があるからです。さらに紅茶はアルカリ性のため、酸性の油汚れに強いという特徴もあるといいます。
「例えば、魚を焼いたあとのグリルの油を洗い流したあと、紅茶の茶殻を広げてざっと流すだけで生臭さが消えます。シンクに置いた三角コーナーなども、茶殻で洗い流すとにおいを流すことができます」(森田さん)
生魚などを料理したあとや生ごみを片づけたあとなど、ちょっとにおいが気になる手を洗うのにも有効なのだとか。
「手ににおいが残ることもあると思うのですが、茶殻を手でもんで洗い流すと、においが消えます。お茶にはうるおい成分もあるので、茶葉をもむことで手がきれいになるという効果も期待できます。
私は製茶(お茶づくり/製造・加工すること)をしたことがあるのですが、お茶をもんでいるうちに手がすごくつるつるになったんです。手もみで製茶をしている人は、手がきれいだと思います。茶葉にはビタミンCも多少含まれているので、その効果もあるのかもしれませんね」(森田さん)
消臭効果も大。ホルムアルデヒドまで吸着!
「紅茶にはホルムアルデヒドを吸着する力もあるんです」と聞いてびっくり。部屋に茶殻を置いておけば、ホルムアルデヒドを吸着して、さらに消臭もできるという一石二鳥の効果が!
「有害なホルムアルデヒドを吸って、消臭もできるのでおすすめです。部屋で使うなら、乾燥させた茶殻を置いておくだけでも効果が期待できます」(森田さん)
もっと積極的に香りも楽しむ方法も。
「キャンドルで温めて使うアロマポットがあれば、天面の皿に、アロマオイルの代りに乾燥させた茶殻を入れるのもいいですね。アールグレイのようにもともと香りがついているものでもいいですし、普通の茶葉でも十分です。ずっと焙じているような状態になるので、ほうじ茶のような香ばしい香りも楽しめますよ」(森田さん)
キッチンでのにおい消しも、部屋での消臭も、使う茶葉は飲み終わった茶殻で十分だけれど、使うときには注意してほしい点があるそう。
「茶殻に水分があると、触れたところに紅茶の色がついてしまうことがあるので気をつけてください。とくに調理器具など白いものに使うときは、しっかり洗い流すようにするといいですね。シンクの周りの流し台なども、傷がついているところに色が入ってしまうことがあるので注意が必要です」(森田さん)
土に加えれば肥料に。虫よけ効果もあり!
「家に観葉植物や家庭菜園がある人は、茶殻を肥料に使うのもおすすめです」と森田さん。
土に茶葉を混ぜると腐葉土のようになり、肥料として使えるのだとか!
「家庭菜園の土に混ぜ込んであげれば、ほどよい肥料になると思います。少し茶葉の香りがあるので、虫よけにも多少効果があるといわれているんですよ。そういう効果を活かして、部屋に置いている観葉植物の虫が気になるといったときに使ってみるのもいいですね。茶殻を土に混ぜ込むのが大変だったら、土の上に茶殻を置くような感じでもOKです。蚊の出るシーズンだけ、部屋にある植物の鉢に乾燥させた茶殻を入れて、虫よけとして窓際などに置いておくといった使い方もいいんじゃないかなと思います」(森田さん)
飲み終わったあとの茶殻でいいので手軽にできるのが魅力。さらに、茶殻は土に返るのでとても自然なのもいいところ。ただし、土に使うときも、紅茶の色が周りにつかないように注意! 白いプランターや白っぽい鉢などに使うときは触れないようにするか、天日で干して乾燥させて使うのがポイントです。
文/小高希久恵