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緑あふれる空間で癒されながら、世界のアートで想像力をかきたてられる! シカゴのInternational Sculpture Park
シカゴ郊外北西部にあるInternational Sculpture Parkは、豊かな自然と現代アートが融合し、地元の人から遠方のアートファンまで多くの人々を魅了する公園です。この公園は、SDGsで挙げられた17の項目のひとつ「Life on Land 陸の豊かさを守る」を実現した施設としても注目されています。そんなInternational Sculpture Parkをご紹介します。
Contents 目次
2015年9月国連総会で発足されたSDGs(Sustainable Development Goals)は、持続可能な開発目標と言うことで、17項目にわたる目標を筆頭に169の達成基準、232の指標などが決定し、世界をあげての動きとして2030年までに達成することになっています。その17 項目のひとつ、15番目の「Life on Land 陸の豊かさを守る」ことを、一風変わった形で実現している公園があります。それが、豊かな自然の中で世界の一流アートを見てさわって遊んでと自由に感じることができる、シカゴのInternational Sculpture Parkです。
陸の豊かさとアートを融合させた癒しの空間
シカゴ郊外北西部に位置する日本人が多く住む町のひとつ、SchaumbergにあるAl Larson Prairie Center for the Artの隣に、緑豊かで自然あふれる公園International Sculpture Parkがあります。公園の小道の両わきには、国内外から集まった数々の彫刻アートがニュートラルに溶け込んでいます。アート作品は、公園を使用する人々の暮らしや自然の景色、天候や光の加減といったさまざまな要素を加味した上で展示されており、朝から日が沈む頃まで、地もとの人達や、遠くからその噂を聞きつけたアートファンの人々でにぎわう公園となっています。
子ども達と歩きながら数々の作品を見る、犬の散歩を兼ねて新鮮な空気をタップリ吸いつつ作品を味わう、日頃とはちょっと雰囲気を変え、アートを見ながら友だちとのおしゃべりを楽しむなど、日常生活の中で喧騒やストレスから解き放たれ、しかも日頃味わうことのできないようなアートを満喫することもできるというのは、なかなか心憎い演出です。
世界各国から想像をかき立てられる彫刻が集結
見てさわって遊んでと自由に芸術を感じることができるように、工夫を凝らして展示された数々のアート。作者は、アメリカはもとより、ドイツ、スイス、アイスランド、イスラエル、インド、日本などまさにインターナショナルです。
作品にはあえて説明書きがなく、感想は見た人の自由な感性に任されています。見るたびに異なる発想が得られるため、毎日訪れる人もいるとか。24時間いつでも好きなときに作品を見ることができ、朝昼晩と時間を変えたり、晴れ、曇り、雨と異なる天気の日に訪れたり、また季節によっても、同じ作品の違った魅力を見つけて楽しむことができます。
地元の人々に安らぎとゆとりを演出する公園
20エーカーの公園には、15以上の彫刻作品以外に、ベンチやピクニックテーブルが設置されているので、いつでも休憩や食事などに利用することができます。自転車で公園や小道を走り抜けたり、犬を同伴して戯れたりする人も多く、陸のありがたみを感じつつ、見上げた青い空はどこまでも広がりその広大さを味わう醍醐味などがあります。
大きな池には中心に噴水が豪快なしぶきを上げ、池の表面の揺らぎやきらめきを眺めるだけでものんびりとした時間が過ごせます。その池の一角に、いつの頃からか住みついている白鳥の夫婦がいます。毎年春頃に卵を産み、かわいらしいひながかえり、そのひなたちにエサの食べ方や泳ぎ方など、生きるすべを夫婦で教える白鳥ファミリーも人気です。
彫刻を見ながらの散歩や、池のほとりで水や白鳥を眺めて過ごすのんびりした優雅な時間。International Sculpture Parkは体の内側からアートを感じるための時間と空間が用意された、本当の意味でのアートな公園です。
International Sculpture Park
101 Schaumburg Ct., Schaumburg, IL 60193
847-895-3600
取材・文・写真/脇方真由美