2023年がスタートし、何かを始めるにはよいチャンス。このタイミングで、地震や水害など、いざというときの備えを点検してみませんか? 今回は【Fan!Fun!FYTTE】のオンラインクラスで開催した「初心者向け防災対策クラス」の内容から、日常生活の中で、ムリせず、楽しく、すぐできる、備えの基礎知識とポイントを2回にわけてお伝えします!「防災とボランティア週間」(1月15日~21日)を前に、自宅の備えをチェックしてみましょう。
Contents 目次
生命にかかわる3つの備蓄
今回、講師を務めたのは、整理収納サービス「つづく暮らし」を主宰する防災共育管理士®1級講師のtaka先生。3人のお子さんがいる5人家族で、ご自身の防災対策の例などを交えながら、備蓄の基本やアイデアを解説してくださいました。
「災害の備えにはソフト面(情報・訓練などでの対策)とハード面(防波堤など物理的な災害対策)の両面からの対策が基本です。そしてこれらに加えて、家庭で取り組む備蓄も大切です。災害発生後、3日間は人命救助が最優先されるため、食糧や生活物資の配給はおおよそ3日後からとされています。そのため最低3日分、できれば1週間分の備蓄があると安心です」とtaka先生。
必要な備えは、地域の環境や家族構成によって変わりますが、まずマストなのが生命にかかわる水・食料・簡易トイレの3つ。最低3日分、できれば1週間分を目安に備えて置くのがオススメです。
では、さっそく備えのポイントを見ていきましょう!
【水】目安は大人で1日3L! 野菜・果汁ジュースを含めてOK
(※飲む・料理で3L。洗面・生活用水は別に必要)
・3日分の場合 :1人あたり3L×3日=9L
・1週間分の場合: 1人あたり3L×7日=21L
(例)taka先生の家の場合 (5人家族) 目安は1週間分で21L×5人=105L
「わが家の水の備蓄の内訳は、長期保存水(12L×4本+2L×6本+480ml×30本=74.4L)、ペットボトルの水(500ml ×80本=40L)、野菜・果汁ジュース全部で17L、合計131.4Lとなっています。水の備蓄にはお茶類や野菜・果汁ジュースを含めてOK。緑茶のカテキンには口の中の細菌を防ぐ効果があるといわれていますし、野菜・果汁ジュースは災害時に不足しがちなビタミンなどの栄養を補給できます。ちなみに、わが家の場合、お茶はパウダータイプを備えています。水が飲みにくいというときにパウダーでお茶を作って飲むためです。また消費期限が切れた水はそのまま生活用水として保管しておくとムダになりません」
【食糧】目安は1週間分!食べ慣れた食品もそろえよう!
(1)すぐ食べられるもの
パン、バランス栄養食品、プロテインバー、ゼリー、缶詰など
(2)簡単に作れるもの
ポリ袋調理やお湯を加えて簡単にできる炊飯・麺類、スープ類、おかずなど
(3)あると安心できるもの
ふだん食べ慣れたものや好きな物 (例) 子どもが好きなお菓子や毎日飲む紅茶、コーヒーなど ※アレルギーや疾患のある人は食べられるものを用意しましょう。
「食料は最低3日分必要といわれていますが、今後予想される首都直下型地震や南海トラフ地震などでは、今までの地震の比にならないくらい食料が足りなくなるといわれているので1週間分を目標に備えるとよいと思います。災害直後は心理的な状況や負担を考えて、調理しなくてもいいものを用意しておくとよいでしょう。また災害時はイレギュラーな状況なので、食べ慣れないもの、おいしくないものを食べるのは苦痛です。少しでも食べるのが楽しくなるよう食べ慣れたもの、ほっとできるようなものを選んでください。たんぱく質や鉄分など栄養面を意識して事前に試食しておくと安心ですね。調理や食事のときに必要なガスコンロ、ガスボンベ、使い捨ての皿やコップ、カトラリーも用意しておきましょう」
【簡易トイレ】1日に行く回数×家族分×7日分を準備!
「避難所で仮設トイレが設置されるのは3日〜1か月以上経ってからという過去の事例があります。トイレに行けないことから、水分摂取を控えたり、トイレを我慢したりすることで、体調を崩す原因にもなりかねません。精神的な不安から頻尿になる人もいるので、1日のトイレ回数をおよそ5~6回として家族分と考えた場合、それよりも少し多めに準備しておくと安心です」
簡易トイレには消臭効果が高いものやコンパクトに備蓄できるもの、男性専用のものなど、さまざまなタイプがあります。家族構成や人数に合わせて、いくつかのタイプを併用するのがオススメ。乳幼児や高齢者、ペットがいる場合は紙おむつやペット用トイレも忘れず準備しましょう。
次回は防災リュックの作り方や備えておきたい防災アイテムについてご紹介していきます!
【監修】
taka
ものを整理収納するだけでなく、無理なく続けられる片付け方法や家族が片付けしやすい環境づくりを提案。整理収納サービス「つづく暮らし」を主宰し、片付けサポートやオンライン相談などを定期的に開催している。防災に関する知識も豊富で、暮らしの中で備えるコツに定評あり。HP https://www.tsudukukurashi-taka.com
文/庄司真紀