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ちょっとした動きが気持ちを変える! 専門家が伝授する、3つの“やる気&元気スイッチ”

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やる気

経済の低迷で“元気がない日本人”が増えたといわれています。以前に比べていつも疲れている気がする、ストレスを感じやすく、もし“元気のスイッチ”があるのなら押したいなという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、明治大学教授の堀田秀吾先生の『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』から、毎日の習慣にしたい科学的に証明された“元気のスイッチ”を3つご紹介していこうと思います。

Contents 目次

ストレスを減らし、積極性もアップ

ストレスとやる気

海外でアジア人を明確に「日本人」と区別するポイントは何だと思いますか?

「海外では中国人や韓国人ではなく、日本人旅行者がひったくりや強盗といった犯罪のターゲットになりやすいといわれます。欧米人が見た目だけで私たちのことを日本人だと区別するのは簡単ではないはずですが、アメリカで読んだ雑誌の記事には答えが書いてありました。そこには、“日本人はうしろから見てもすぐわかる”と。その理由は、『日本人はいつも下を向いて歩いているから』だそうです」(堀田先生)

日本人はうつむきがちで、電車に乗っても、歩いていても、待ち合わせ中もスマホいじり。どこか自信がないように見えてしまいます。

「事実、姿勢に関する研究はさまざまあり、次のような驚くべき実験結果もあります。コロンビア大学のカーニーらの研究チームが、堂々とした姿勢をとらせた被験者と縮こまった姿勢をとらせた被験者という2つのグループにそれぞれギャンブルをしてもらいました。すると、前者のグループのほうがよりリスクの高い賭けに好んで挑む結果が出たそうです。さらに被験者の唾液を調べたところ、堂々とした姿勢―つまり背すじを伸ばした姿勢の被験者には、『テストステロン』という決断力・積極性・攻撃性・負けず嫌いなどに関係するホルモンの増加が見られました」

姿勢と自信

姿勢をシャンとするだけで、自信が出てチャレンジ精神が湧いてくるということ。そして、堂々とした姿勢のグループの人は「コルチゾール」というストレスホルモンも低下していました。

このように背すじを伸ばすことは、物理的に脳や身体に大きな影響を与えています。堂々しているだけで、気分もよくなり、海外に行った際は犯罪に合う確率も減るかもしれません。

一流の人が実践している“やる気スイッチ”

やる気

仕事や家事、勉強など、やらないといけないことがあっても、なかなか手がつけられないということ、よくありますよね。

「科学的に証明されている、“やる気スイッチ”を入れるベストな方法は、『とにかくやり始める』こと。脳と身体の関係を見てみると、人間は『やり始めれば集中する』ようになっている、というより、やり始めなければ、集中ができないようになっているのです」

つまり、資料づくりをしなければいけないなら、資料作成のアプリやファイルを開き、打ち込み始める。このように、「やり出す」ことで、だんだんとノッてくるのです。まず「頭で考えてから行動」ではなく、人は「行動してから考える」のです。

やる気スイッチ

「さらに、もうひとつ。脳には、一度その行動を始めると、のめり込んでしまうという性質があります。脳にある淡蒼球(たんそうきゅう)という部分がやる気の“スイッチ”なのですが、一度作業をやり始めると、この“やる気スイッチ”が入り、やめられなくなってしまいます。テスト勉強中に始めた掃除がモリモリ進んでしまうのは、そのせいなのです」

沈んだ気分を一気に上げる方法

喜んで走る女性

「『身体のなかでも、より主導権が強いのが頭部より下。自分の意志で動かしやすい手足になる』という考えは、心理学のなかでも有力になりつつある説です」

サンフランシスコ州立大学のペパーとリンによる研究では、被験者たちに両手を大きく上げてスキップなどの楽しい動きや、うつむいて歩くなどのしょんぼりした動きをしてもらい、自分で感じる元気エネルギーがどのように変化するかを見ました。

「結果、楽しい動きをした人たちは元気度がアップし、一方うつむいて歩いた人は、実験前に元気だった人たちまでも元気度が大幅に下がってしまいました。つまり身体の動きが心に与える影響は非常に強いということです。ナーバスになる場面やちょっとへこむことがあったときは、ガッツポーズやテンション高めに飛び跳ねてみたりすると、表情も気持ちも自然とよいものになっていきます」

嫌なことがあったというわけでもないのに、なんとなく気分が上がらないというときは誰にでもありますが、そういうときは、こうしたちょっとした習慣がプラスのループを生んでくれそうです。ぜひとり入れてみてくださいね。

参考書籍/

『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』(アスコム)

『誰でもできるのにほとんどの人がやっていない 科学の力で元気になる38のコツ』(アスコム)

堀田秀吾

堀田秀吾
ほった・しゅうご 明治大学法学部教授。言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな学問分野を融合した研究を展開。専門は司法におけるコミュニケーション分析。研究者でありながら、学びとエンターテイメントの融合をライフワークにしており、「明治一受けたい授業」にも選出される。『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』 (サンクチュアリ出版)、『図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SBクリエイティブ)など著書多数。

文/庄司真紀

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