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子どもの頭が良くなる生活習慣のポイントはこれ! 海外研究が注目する3つの要素とは?

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子ども

食事と運動は心身の健康の基本。大人はフィットネスやダイエット、健康のために食や運動の習慣に気を使いますが、これらは育ち盛りの子どもにこそ重要といっていいでしょう。しかも海外研究によると、食事と運動の工夫は子どもの頭をよくする効果もあると報告されました。成績を上げるためには、勉強するのも重要ですが、生活習慣にも目配りが欠かせないようです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

2年後の変化と関連性を比較

子どもの学力

過去の研究では、全体的に質のよい食事、魚、野菜や果物、食物繊維が豊富な穀類などの摂取、そして身体活動は子どもの認知能力や学業成績の向上に有効という結果が出ています。

一方で、現代の子どもはそのように理想的な生活習慣を送っているとも限りません。というのも、現代の子どもは一般的に飽和脂肪酸や砂糖の摂取量が多く、野菜の摂取量が少ない状況。また、身体活動が推奨レベルに達していないうえに、座りっぱなしの時間が長いという分析結果もあるのです。

そこで、今回、フィンランドをはじめとする国際研究グループは、食事の改善と運動を推奨するプログラムの効果を調べてみました。そのプログラムは、子どもと親が食事と運動に関する個別カウンセリングを2年の間に数回受けるほか、さまざまな運動や課外運動クラブなどに優先的に参加できるようにするというものです。

研究グループは、およそ500人の子ども(6〜9歳)を対象にプログラムを受けるグループと受けないグループに分け、研究開始時と2年後にアンケートや推論能力の検査を行って、食事や運動と認知能力の発達との関連性を比較しました。

データとしては、研究開始時と2年後に数日間、就寝時も含めて子どもに活動量計(アクティブトラッカー)をつけてもらい、軽度〜強度の身体活動量を記録。アンケートで身体活動、座位での行動の内容や時間を調べました。

活動の内容については、スポーツへの取り組み、余暇の身体活動、徒歩や自転車での通学、テレビやビデオを観る、ビデオゲームをする、音楽を聴く、絵を描くなど詳しく分けて調べています。食事も同様に数日間の記録から、食事の質を評価するツールを使ってスコアをつけ、食事の質と運動量の変化を見ました。

子どもの頭をよくするポイント

親子

こうして研究で確認されたのが、プログラムに参加したかしないかによらず、健康的な食事、読書、スポーツが子どもの認知能力を高めることです。

具体的に見ると、食事に関しては食事の質のスコアが高いことと低脂肪牛乳を多くとっていること、そして赤身肉とソーセージの摂取量が少ないことが、2年後の認知能力検査結果の向上に関連しました。

また身体活動に関しては、オーガナイズド・スポーツ(リーダーや監督がいてルールや競技があるスポーツ)への参加、読書、そして座位の時間が長いと認知能力の検査結果が高くなりました。座りっぱなしの生活はマイナスに見られる面もありますが、認知能力という点ではポジティブな影響があるようです。逆に、監督付きではない身体活動、コンピューターの使用、書くことの時間が長いと、検査結果が低い結果でした。ほかの行動(テレビやビデオの鑑賞、通学方法、休み時間の身体活動など)や身体活動の強度は、検査結果に影響しませんでした。

半数以上の子どもがプログラムに参加しましたが、プログラムは2年後の認知能力に何の影響も与えず、両グループとも認知能力の発達は同様でした。成長期の子どもの日常生活においては、さまざまな要素が認知能力の発達に関与し、今回のプログラムはそれらの影響を上回るほど強力なものではなかったと研究グループは考察しています。

こうした結果を受けて、健康的な食事と読書、オーガナイズド・スポーツの奨励は、子どもの認知能力の発達によい効果を与えると思われると研究グループは結論づけています。子どもの能力を引き上げようとするとき、このような生活習慣の工夫は参考になるかもしれません。

<参考文献>

A healthy diet, reading and doing sports promote reasoning skills in children
https://www.uef.fi/en/article/a-healthy-diet-reading-and-doing-sports-promote-reasoning-skills-in-children

Naveed S, Sallinen T, Eloranta AM, Skog H, Jalkanen H, Brage S, Ekelund U, Pentikäinen H, Savonen K, Lakka TA, Haapala EA. Effects of 2-year dietary and physical activity intervention on cognition in children-a nonrandomized controlled trial. Scand J Med Sci Sports. 2023 Aug 9. doi: 10.1111/sms.14464. Epub ahead of print. PMID: 37555467.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/sms.14464

学校と家庭で育む子どもの生活習慣
https://seikatsusyukan.hokenkai.or.jp/pamphlet_elementary.pdf

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