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お金や結婚は幸福度には関係しない? 幸せの研究から導き出された「幸せの3大因子」とは

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幸福度を考える女性

「体型が変わったら」「資産が増えたら」「結婚できたら」、今よりもっと幸せになれるはず…と、つい思ってしまうことはありませんか。しかしこのどれも人を幸せにしない可能性があります。幸福を見当違いな方法で探しても決して幸せにはなれないということが科学的に証明されているからです。今回は、ソニア・リュボミアスキー博士の『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』から、お伝えしていきます。

Contents 目次

何が私たちを幸せにするのか?

幸福度

精神的に健康であるとしても、100%幸せといえない人が増えた現代。多くの人は幸せの追い方を間違っているのかもしれません。

持続的な幸せについての研究者で第一人者であるリュボミアスキー博士によると、幸せを決める3つの因子は、さまざまな研究から「遺伝による設定値が50%、環境が10%、意図的な行動が40%」と導き出されています。

幸福を決定するもの

「これは知性やコレステロールにおける遺伝子と同じように、人が生まれつきもっている設定値の大きさが、人生を通じてどれくらい幸せなのかを決定するということです。そしてもっとも意外に思われるであろう結論も示しています。“裕福か、貧乏か”“健康か、病気がちか”“器量がいいか、人並みか”“既婚者か、離婚経験者か”などの生活環境や状況による違いは、幸福度のわずか10%程度しか占めない、ということなのです」(ソニア・リュボミアスキー博士)

もともとの設定値を変えることはできませんが、富や結婚、よい同僚など、私たちが幸せの因子だと考える事柄はわずか10%で、変えてもあまり差がないともいえます。幸せを大きくコントロールするのはもっと別の要素だったのです。

「快楽順応」という強烈な力

幸福度

なぜこうした環境はそれほど幸福度に影響しないのでしょうか。それは「快楽順応」という、とても強烈な力が存在しているからです。

「人間は知覚の変化や生理学的な変化に、驚くほど素早く慣れてしまいます。転勤や結婚、転職なども幸せに対する効果はごく短い間だけ。結婚している人は独身者よりもはるかに幸福だという調査結果も出ていますし、私の例も含めて結婚前よりもいまのほうが幸せだと確信していますが、心理学の研究によると、こうした例が必ずしも正しくないことを示す証拠があるのです」

「結婚と幸福」というテーマで、西ドイツと東ドイツに住む2万5000人の国民や移民、外国人もの人々を15年にわたって継続的に調べてきた研究では、結婚後、夫婦が前よりも幸福に感じる期間は約2年で、そのあとは通常の幸福度、つまり彼らの設定値へ戻っていくことがわかりました。

幸せを維持する意図的な行動

笑顔の女性

さらにドイツの調査からは「平均すると、幸福度は結婚する前よりも結婚後のほうが低い」ということも明らかとなっています。

マーカスとローランドという2人の対照的な男性のケースを見ていきましょう。

結婚したときマーカスの幸福度は平均値以上になり、8年後のいまも独身時代よりも幸せな結婚生活を送っています。一方、ローランドは結婚して最初の2年間のうちに前ほど幸せではなくなり、それから5年経ってさらに幸福度が減少していました。

この2人の男性がほかと違う点はどんなところでしょうか?

「マーカスは結婚の恩恵に慣れて、それがふつうだと思うようにはなりたくなかったので、自分たちの関係を『当然のものと思うまい』と心に決めました。マーカスは、たえず妻に『愛しているよ』と伝え、折に触れて花を買って帰りました。一緒に旅行にも出かけ、共通の趣味をもち、妻が挑戦するものや、うまくいったものに関心を示すことも忘れませんでした。それとは対照的に、ローランドは結婚生活が自分の理想通りでなかったことにまず失望しました。その後は、妻との関係がゆっくりと、でも着実に悪化していくことに気づきませんでした」

このマーカスとローランドの例からも、人生におけるポジティブな変化に人が慣れやすいのは事実ですが、努力しだいでは慣れていくプロセスに抵抗し、遅らせることができることがわかります。

「マーカスは自分と妻の互いへの愛情を育むために、積極的で創造的な行動をとることによって、結婚生活がマンネリにならないように努めました。この例から、“意識的に設定した『目標』への行動が幸せを維持する”というメッセージが得られるでしょう」

人生の折々で環境因子による試練に直面したとき、それらがうまく行かず徒労感を覚えるとき、幸せを決める3つの因子を示す円グラフの40%を思い出してみましょう。ずっと続く本当の幸せは手の届くところにあるのです。

文/庄司真紀

参考書籍/
『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』(日本実業出版社)

『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』(日本実業出版社)

著者/ソニア・リュボミアスキー
著者米国カリフォルニア大学リバーサイド校の心理学教授。社会心理学とポジティブ心理学のコースで教鞭をとっている。ロシア生まれ、アメリカ育ち。ハーバード大学を最優等位で卒業し、スタンフォード大学で社会心理学の博士号を取得。米国国立精神衛生研究所から数年にわたって助成金を受けて、感謝・やさしさ・つながりの介入プログラムを通じて持続的に幸福感を高める可能性に関する研究を進め、多くの研究奨励賞や表彰を受ける。その主なものに、バーゼル大学名誉博士号、ディーナー賞、クリストファー・J・ピーターソン金賞、テンプルトン・ポジティブ心理学賞がある。

訳/金井真弓
かない・まゆみ 翻訳家。『わたしの体に呪いをかけるな』(双葉社)、『欲望の錬金術』(東洋経済新報社)、『#MeToo時代の新しい働き方 女性がオフィスで輝くための12カ条』(文藝春秋)、『人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法』(日本実業出版社)など訳書多数。

 

 

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