ふとしたきっかけでわが家にやってきたキーボードで30年ぶりにレッスンを開始。あまりに忘れていることが多くてショックも受けましたが、音が出て、曲を奏でるとやっぱり楽しい…! もっと弾けるようになりたい! そんな気持ちで、私の24時間に新たな時間の使い方が加わりました。
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何か新しいことを始めたい、この先の人生に、自分自身に刺激を与えるために挑戦してみたい……。
人生の折り返しを迎えるにあたり、常にそんな想いに駆られていました。できなかったことができるようになるための学び、続ける努力、少しでもできたときの喜び、そういったものを感じて心身ともにもっと成長したい、そんな感覚です。もちろん、毎週のピラティスや英会話をもっと頑張ることでも得られる感情ではあるのですが、ちょっと違うジャンルのこともやってみたいな、と。そんなときに、わが家にやってきたのがキーボードです。
今年の初め、義父が突然亡くなり、その父がやろうと思って購入していたのがこのキーボード。ようはシニア向けの、脳活性なども目的としたもので、まったくの初心者でも弾きやすいように、光でナビゲーションしてくれるのです。父はとても真面目で、やると決めたらコツコツと続けられるタイプでした。数年前に病気を患い、それに伴ってすっかり足腰が弱くなってしまい、歩行が遅くなり、さらには外出するのも難しい状態に。しかし、体調がよくなってからは、毎日ステッパーを2時間、外に3000歩のウォーキングに出かけるのを日課にし、まったくサボることなく継続。通っていたデイサービスのトレーナーさんにも褒められるほど、筋力がアップし、歩行も力強くなり、外出もできるようになったのです。私は80歳を超えても、しっかりトレーニングすれば筋肉がつくことを父から学び、まさに”筋肉は裏切らない”を実感しました。
そんな父が元気になったらやりたかったのがこのキーボード。それまでの人生でピアノやその他の楽器などとは一切縁のなかった父ですが、脳トレというワードに惹かれ、これまでまったくやったことのないことに挑戦しようと、このキーボードを購入。残念ながら、こちらを始める前に他界してしまいましたが、母は興味がないとのことだったので、「それなら私が、久しぶりに弾いてみたい」といただいた、というわけです。
私自身小学生から高校受験の前まで叔母にピアノを教えてもらっていました。しかし当時は練習もサボりがちで、レッスンの日にぶっつけ本番で弾くことも多く、とても良い生徒とは言えない状態でした。ピアノを弾くのはとても楽しいけれど、コツコツ練習することができない…あぁ、今振り返れば、性格ってまったく変わらないのだと自分に嫌気がさします。でも「弾ければ楽しい、弾いてみたい」という想いはずっとあって、「いつかは大人の習い事」としてやってみたいな、と思っていたので、今回はとてもいい機会だと思って、キーボードで30年ぶりに練習を再開してみようと思い至りました。
楽譜もなしに弾けるのは、「猫ふんじゃった」ぐらいなので、それを弾いてみたところ、思いのほか楽しくて、一気に3回もくり返してしまったほどでした。「わ、やっぱりピアノ(キーボードですが)って楽しい♪」という気持ちが沸き起こってきました。これはちょっと真面目にやってみるのもいいな、と。しかし、このキーボードにセットで付いている楽譜を開いてみたところ、楽譜の読み方がすっかりわからなくなっていて、どれもかなり難しそうにうつりました。そのため、楽譜をもとに弾くのは一度断念し、このキーボード本来の光ナビゲーションを活用。曲に合わせて鍵盤が光り、そこを押していくだけでその曲が弾けるシステムです。右手だけ、左手だけ、両手で、と手のパーツごとに練習もできますし、テンポも自分のやりやすいように合わせることができます。見本を聞いて、その後光にあわせて押して音を出して、つかんでいく…そのくり返しがやっぱり楽しくて気づけばあっという間に1時間ほどが経過。スマホやテレビをだらっと見ている時間がキーボードに向かう時間になるのも、時間的に得した気持ちになりました。
このキーボードには、エリーゼのために、のようなTHEピアノの曲から、小犬のワルツやカノンのようなクラシック、さくらさくらや赤とんぼのような日本の名曲、ほたるの光や大きな古時計のような世界の名曲、千の風になってや世界に一つだけの花のような日本のポップスまで多種多様なジャンルの曲が全部で200曲近く内蔵されています。どの曲も光に合わせていけば、右手だけならすぐに弾けるようにはなるので、“弾けたつもり”になりたければその方法でランダムに曲を選んで楽しみ、あとは両手でしっかり弾けるように、ある程度曲を厳選して練習に励むという2パターンの楽しみ方でやってみることにしました。まずは昔、ピアノの発表会で演奏した「人形の夢と目覚め」を練習中です。
そんなわけで、ひょんなことから家にやってきたキーボードですが、30年以上もたつと、本当にほとんど何もできなくなっている自分に気がつき、ちょっとショックでもありましたが、また今、一からスタートするつもりで、父のようにコツコツと継続していってみたいと思っています。一旦の目標は、せっかく譲り受けたので、父の一周忌には何かしらの曲を母たちに披露できればと考えています。さて、五十の手習い、どうなることやら…!(編集長ホボ)
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