9月は防災月間です。防災を意識した飲食料品のストックと言えば、かつては「非常事態に備える食品」として、賞味期限が一般のものよりも長い商品などに注目が集まりがちでした。けれども現在は、日常的に食べているものを少し多めに買っておき、食べては買い足す「ローリングストック」という考え方がかなり広まっているのではないでしょうか。今回は、「イオントップバリュ 防災&環境配慮などに関する新商品発表会」から新商品を中心に、手軽にできるローリングストック食品情報をご紹介します!
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台風の前にはスーパーで乾麺やお米、お水などが品薄になるという経験をしたことがある人は多いのではないかと思います。
「通常、ローリングストック用の商品は春頃から販売数が増えますが、今年は8月8日の日向灘地震、翌日の南海トラフ地震臨時情報の影響で天然水の需要が前週の4倍になりました。会社としても常に在庫を確保していますが、各家庭でのストックも大切です」そう話すのは、イオントップバリュ代表取締役社長の土谷美津子さんです。
ローリングストックとは、「備える」「食べる」「買い足す」のサイクルで行う家庭備蓄のこと。「家庭にある食品をチェック→栄養バランスを考え、家族に応じた備蓄内容・量を決定→足りないものを買い足す→賞味期限が切れる前に消費し、消費したものは買い足す」という手順で行い、最低3日~1週間分×人数分の食品を備蓄するのが望ましいとされています。
「例えば、災害に際して水やカップ麺はあるとしても、重要なのはそのあとです。2日目、3日目以降、野菜がない、繊維質が足りない、豆腐がほしいという要望が出てきます。また、アレルギー対応食の『トップバリュ やさしごはん』シリーズは東日本大震災のときに、“避難所でアレルギーにより配られた食事を食べられない子がたくさんいる。なんとか食べられるものを運んでほしい”という声を聞いたことから生まれました」(土谷さん)
「何か起こったときもふだんのものが食べられる環境を作りましょう、というのがローリングストックの考え方です。昔は非常時に備えて賞味期限が特別長いものをストックしておくという風潮がありましたが、メーカーの技術向上によって、結果的に商品の賞味期限は全体的に伸びていますし、とりたてて『防災食』を打ち出さなくても、じつは身近に防災食として役立つ食品はたくさんあります。たとえば、冷凍食品もローリングストックとして役立てることができます。
災害が頻発している現代は、いつ何が起こるかわからないと感じている人が増えています。災害の体験者が増え、気候変動が当たり前のことだと捉えられ始めているとも言えます。その分、防災を前提に使える商品の需要が増えていますので、会社としては、ローリングストックにも役立つふだん使いの商品と、今回ご紹介した豆腐のような常温での保存が可能な商品や長期保存が可能な商品の両方を作っていきたいと思っています」(土谷さん)
次に、具体的な防災対応商品について取締役 商品開発本部長の髙橋幹夫さんより教えていただきました。
非常時もふだん食べ慣れているおいしさを
「ローリングストックというと、非常時に備えて何か特別なことをしなくてはというイメージもあるかもしれませんが、じつは日頃食べている食材の中に、ローリングストックできるものが多くあります。
とくにこの秋は『人と地球とハーモニー』というブランドビジョンのもと、防災にも活用できるサステナブルな新商品が並びました。今まで処分されていた魚の中骨を使った『中骨缶』2品目や、廃棄されてしまう国産野菜を乾燥させた『国産素材の乾燥野菜』『オーガニック カラフルな野菜シート』シリーズなどです(いずれも10/1発売予定)。
乾燥野菜の賞味期限は8か月、野菜シートの賞味期限は24か月と、長期保存が可能なため非常食としても最適ですが、じつはこれらのシリーズは、防災を目当てに作ったわけではなく、結果的に防災に役立つ商品になったという経緯があります。日常使いをしながら、もしものときも、ぜひ役立ててほしいと思います」(髙橋さん)
いかがでしたか。たしかに、冷凍食品や缶詰、乾物類、レトルト食品やお菓子、シリアルの類、調味料など、ふだん食べていて、かつ賞味期限が比較的長い商品は身の回りにたくさんあります。お店で新商品を見かけたときに「これは自分にとってローリングストックの対象になるかもしれない」という視点から購入を検討するのも、新鮮で楽しそうです。いずれにしても、「いつも食べているもの」を多めに備えることで、非常時にふだんの食生活が再現できるとなれば、大きな安心感が得られますよね。今回の情報をヒントに、自分にとって最適な「ローリングストック」食材をそろえていくのはいかがでしょうか。