ハワイ島の淡海から汲み上げた海水とモロカイ島の塩田から生まれたナチュラル・ソルト。6年前に塩の魅力に惹かれて、その商品を作り上げたオーナーのサンドラ・ギブソンさんに話を聞きました。
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■塩との関係について
そもそもオーストリア生まれのサンドラさんは、ご主人と一緒にカウアイ島に移ってきました。そのカウアイ島で、“塩”の文化に長い歴史があることを知ったのです。塩は食べものを保存するために、彼女の故郷オーストリアでも使われていたが、ここハワイでは塩は、浄化や癒しの儀式などでも使われていたことを知ったのです。
“ブレッシング”とは場所を清めること。もともとハワイ語でPa a Kaiという言葉があり、関係をよくしたい、絆を強くしたいという意味ですが、それに塩を使っていて、そのために海水で塩を作っています。カウアイ島の南の“ハナペペ”という場所は塩田を作りやすい土壌になっていて、そこでできる塩を使ってブレッシングに使っていたのです。そんなカウアイ島での生活の中で、ハワイアンの人が塩を使うということはある種、特別な意味があるのだ、ということをサンドラさんは知ったのです。そんな特別な思いのある塩を使って商品を作りたいと考えたのが、このシーソルトオブハワイができるきっかけになった、と話します。現在ハワイでは、 このシーソルトオブハワイが、結婚式の引き出物のひとつとして使われるほどに人気です。
■シーソルトオブハワイができるまで
シーソルトオブハワイの塩は、ハワイ島の深海から組み上げた海水とモロカイ島の塩田から生まれたナチュラル・ソルト。水深2200フィート(約670メートル)の深海から組み上げた海水は、5ミクロンのインライン・フィルターでろ過して池に放出し、ハワイの太陽熱で3週間かけて自然蒸発させ、採取している。「現代の環境汚染に影響を受けていない深海の海水から作った塩は、通常の塩よりナトリウムが33%低いだけでなく、豊富なミネラルが含まれている。それらは、マグネシウム、カリウムを多く含んでもいます」と、サンドラさん。また合成着色料、保存料を一切使用せず、ハワイにある自然のものと調合して、塩だけでなく、他に11種類のコレクションを作りました。
例えば、「Uahi (ウアヒ)シーサルト」。これはココナッツの殻をスモークして、炭にしたものを塩とブレンドしたもの。炭は、デトックス、洗浄によいだけでなく、見た目にも美しいので、ハワイのシェフが、料理の最後のアクセントとしてもよく使います。「アラエアシーサルト」は、ハワイの赤土と調合。魚をよく食べるハワイアンの人たちには鉄分が不足しがちだったこともあり、ハワイの赤土は鉄分を補う役目もあったようです。
また「ナロファームス・フレッシュハーブ」は、オアフ島のナロファーム内で、無農薬で作られたセージ、ローズマリー、イタリアンパセリなどのハーブとの調合。ピザやパスタに使うのによいといいます。「ホットハワイアンチリペッパー」は、ハワイの唐辛子と調合、少々辛みがきくシーソルトです。
シーソルトオブハワイでは、世界最大級の海洋保護区の1つであるアメリカのハワイ州の世界遺産であるパパハナウモクアケアに売り上げの1%を寄付するなど、海を守る活動にも参加しています。ハワイではホールフーズマーケット、アイランドヴィンテージコーヒー、KCCファーマーズマーケットなどで購入ができるので、ハワイを訪れた際にはぜひチェックを。https://www.seasaltsofhawaii.com/
写真・文/堀内章子