みなさんはふだん、どんなふうに貯金をしていますか? 貯金箱でコツコツ貯金をする人、銀行に振り込む人、いろいろな方法がありますよね。ですが中には、「貯金をしたいけれど思うように貯まらない…」という人もいるはず。そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの山口京子先生に「賢くお金を貯めるコツ」を教えてもらいました!
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退職金制度が廃止に!? 今すぐ対策を!
最近、将来世代の給付水準維持のため、財務省が年金支給開始年齢の引き上げを議論しているという報道を目にした人も多いと思います。まだ検討段階ですが、少子化高齢化が進む日本では、遠くない将来、本格的に検討されると考えられています。
さらに、長期にわたって経済停滞を招いた一因である終身雇用、年功序列といった日本的雇用の習慣について見なおす動きがあります。また、会社規模に関わらず退職金は減少傾向に。さらには退職金自体を廃止する企業も増えています。
正社員なら老後まで安心という、これまでのあたりまえが通用しなくなる日が近づいていることを忘れてはなりません。直近に目を移せば10月に消費増税も控えますし、お金をとりまく環境は目まぐるしく変化しています。まだ先の話と先延ばしすることなく、今すぐにでも対策を打って、将来の家計危機に備える必要があります。
では、「備える」とは具体的にどんな方法をとればいいのでしょう?
お金を使う期間に合わせて“貯め方“を変える!?
ファイナンシャルプランナーの山口先生によれば、年金開始年齢引き上げを消費増税などに備えて、お金を使う期間に合わせた賢い“貯め方“があるとのこと。
さっそくその方法についてみていきましょう!
1.タンス貯金
日本の総額は数兆円との説も。こっそり使うお金として、手元に置いておくのが◎。
24時間、365日引き出し無料ですし、増える楽しみが手にとってわかります。また、金融機関の破掟や機能障害が起きても被害を受けることはありません。
【ここに注意!】
災害、盗難、紛失のリスクや、インフレになると目減りしてしまいます。利息がつかないため、お金は増えないといった難点も。
2.銀行貯金
5年以内に使うお金なら、銀行預金がおすすめです。使う目的があるお金は元本保証が◎!低金利とはいえ、預け入れの利息を受けとれます。さらに、銀行に預けるので、盗難リスクの心配がありません。
【ここに注意!】
時間外の引き出しには、比較的高額な手数料がかかってしまいます。また、超低金利時代のため、お金は増えていきません。
3.お金を育てる運用
5年以上あとに使うお金や、すぐに使わないお金は、長期投資でお金を育てるのがおすすめ! お金に働いてもらうことができる点。さらに、日本だけでなく、世界経済の成長と同じようにお金を増やせる可能性も。また、インフレに備えることもできます。
【ここに注意!】
中長期投資はリスクが低いですが、使いたいときに値下がりしている可能性もあります。
投資は決して恐れるものではない
「多くの人はいまだに投資へ博打のイメージを持っていたり、値動きや下落に恐怖を覚えるといった認識が根強くあります」と山口先生。
先生の言うとおり、「投資=危ない」というイメージを持っている人はとても多いのではないでしょうか。
「投資についてしっかりと理解や知識を深めれば、それはあやまった幻覚だと気づくと思います。GPIF※がとりまとめたデータによると、短期(1年間)の投資で元本を割った回数は48回中、14回あったことが分かっています。一方で、長期(10年間)の投資では、なんと39回でいちども元割れがなかったという結果になりました。
投資先をしっかりと分散し、長期的な視点で運用すれば、投資は決して恐れるものではない、ということがわかりますね」(山口先生)
何に投資するかわからない人は、簡単な質問に答えるだけであとはAIにおまかせできる「ロボアドバイザー」がおすすめ! 10秒程度の質問で、最適なプランを提案、使いやすい画面も人気のFOLIOの「おまかせ投資」。従来の資産運用をすべて自動化した人気のサービス「Wealth Navi」などがあります。
また、5000~10000円から投資デビューができる「iDeCo」。長期節税効果もあり、投資対象は金融庁が厳選するので選びやすい「つみたてNISA」なども、中長期運用におすすめです。
お金の貯め方や投資方法、それぞれの特性を理解するとともに、そのメリットを活かして、賢くお金を育てていきましょう!
※GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人):日本において厚生年金と国民年金の積年金積立金を管理・運用する、厚生労働省所管の機関。運用資産額は150兆円を超え、同様の業務を行うノルウェー政府年金基金(約6千億ドル)の2倍以上、世界最大の投資ファンドと呼ばれるアブダビ投資庁(約9千億ドル)をもはるかに上回る規模
文/FYTTE編集部