夫やカレシと話をしていると、「なんて察しが悪いんだろう」「すぐ人をバカにするんだから」……と、腹立たしくなってくることって、ありますよね。それが度重なるうちに、もう何を言ってもムダ、大事なことは話したくない……と思ってしまったり。でも、本来、パートナーとはお互いに一番の理解者でいたいはず。『一瞬でいい関係を築くコミュニケーション百科』(かんき出版)等の著書がある研修講師、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実さんに、パートナーと良好な関係を保つためのコミュニケーション術について伺いました。
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なぜ夫(カレシ)と話をしていると、腹が立つのか
ただ話を聞いてほしかっただけなのに、夫やカレシから見当違いなアドバイスをされて、とても腹が立ったという経験はありませんか? それもそのはず、「会話に、女性は共感を求めるけれど、男性は解決や結論を求めるものだからです」と戸田さんは話します。
「女性は感情を大切に考え、共感しながら話を聞いてもらいたいと思います。困ったことがあれば、自分がどれだけ困ったかを聞いてほしい。一方、男性は会話にも結論を求めます。話を聞いて、解決策を探り、『君はこうすればよかった』とアドバイスしようとします。しかし、女性はアドバイスを求めているわけではないので、改善点を示す男性に対して『どうして? 私が悪かったっていうの?』と、腹立たしさを感じたりするのです。
さらに、男性は女性のような共感力にも乏しいため、言葉に出して言われないことは、察することが苦手です。たとえば、夫婦間で、妻の『今日は疲れた』という言葉には、『洗い物を代わって』という気持ちが込められていたとしても、夫はそれを察することができません。そんな夫に対して、妻は『私の気持ちを理解してくれない』と不満を感じることも多いようです。
つまり、男性と女性は、わかりあえないことを前提にコミュニケーションをとったほうがいいのです」(戸田さん)
わかりあえないから、譲り合うことが大事
わかりあえない男と女。でも、大切なパートナーとは、いいコミュニケーションをとりたいですよね。
そこで、大切なのは、「譲り合う気持ち」です。
「身近な存在ほど、言わなくてもわかってほしい、という期待が大きくなりますが、女性はなるべく気持ちを言葉にする、男性はだまって女性の話を聞いてあげるなど、譲り合うことが大切です」(戸田さん)
■女性が、男性に話を聞いてもらいたいときのコツ
・「ちょっと聞いてほしいことがあるの。聞いてくれるだけでいいから」とアドバイスは求めていないことを前置きしてから、話し始める
「察してもらうことは望めないと、割り切ることも大切です。パートナーに、してほしいことがあれば、言葉にするように心がけます」(戸田さん)
・「××してみようと思うの」と結論から話す
「ダラダラと結論のない話を嫌がる傾向もあるため、相談事をするときは、まず結論から話しようにします。男性の相談ごとに対しては、「どうしたいと思っているの?」「過去にこんな例があったよ」など、解決の糸口になるような言葉をかけると喜ばれます」(戸田さん)
■男性が、女性の話を聞くときのコツ
・「へえ、そうなんだ」とあいづちを打ったり、「大変だったね」という共感の言葉をかける。
「『じゃあ、こうすれば?』『つまり、××なんだね』といったアドバイスや結論よりも、話を聞いてくれているという安心感があればOKです」(戸田さん)
なるほど! と思った人も多いのでは? 男女の違いを理解することが、相手を理解することにつながるのかもしれませんね。
取材・文/海老根祐子