先日、世間を騒がせた年金2000万円問題をはじめ実感できない景気上昇や不安をあおる貧困ニュースなど、いくら貯めてもお金の不安はつきませんよね。人生100年と言われている時代に、たとえば、アラサーの私たちが50歳になったとき、いくら貯金があれば幸せに暮らせるのでしょうか? 今回は、貯蓄目標額の立て方など将来を見据えたお金計画について話をお聞きします。
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自分が望む将来で目標設定をする
結婚、出産、育児など、ミレニアル世代が50歳になるまでにはさまざまなライフイベントが待ち受けています。自分にはどのくらい貯金が必要なのか考えるときに、まず一番大事なのが自分のライフスタイルを考えることです。どんな結婚式を挙げて、どこに住み、どんなふうに子どもを育てていくのかによってもかかる金額は大幅に変わっていきますし、今は一昔前のように女性は家庭に入るのが当たり前ではなく好きな仕事を好きなだけ続けたり、結婚をするにしても夫婦の形がさまざまであったり、いろいろな生き方の選択肢がある時代です。
まずは、「いくらあれば安心なのか」ではなく、自分自身のイメージする将来のライフスタイルに「いくら必要なのか」という考え方にシフトしましょう。
今の収入から予想してみよう
収入が上がることもあるかもしれませんが、とりあえず今の手取り×50歳までの年数を計算してみましょう。それが50歳までに純粋に入ってくる金額とすると一安心!と思いきや、それがすべて貯金できる金額ではないですよね。毎月手取りからさらに家賃やそのほかの生活費を引いて、今毎月手もとに残っているお金を50年分で計算すると、ひやっとする人も多いのではないでしょうか。
もちろんお金があるに越したことはないという人がほとんどだとは思いますが、50歳までとは言わず将来に必要な金額を考えるにあたっては、そういった今の現実を踏まえて、自分がイメージする将来とのギャップを埋めていく作業が必要です。
また、結婚をするとその分家賃など生活費の負担も夫婦2人で担うものになるので、結婚をしたら「夫婦の収入」として考えていくこともできます。
これまでの人生にいくらかかった?
ライフイベントにかかるお金について、なんとなくは考えるものの、具体的な金額はなかなか直面するまでは知る機会がありませんよね。たとえば結婚式の費用は、場所や招待人数などにもよりますが挙式と披露宴、二次会といった従来の結婚式を挙げるなら数百万円はかかります。
出産、育児については、わが子をどのように育てたいかにもよります。もし、子育てプランが想像できないなら、自分がかけてもらった金額をモデルにするのはいかがですか。学費や習いごと、お小遣い、プレゼント代などを両親に聞いてみてください。自分が受けてきた教育と生活レベルを維持するためにはいくら必要なのかイメージしやすくなるはずです。
リアルな金額を足していくと、結婚や子育てはとてもお金がかかる、と思うかもしれません。しかし、独身の場合、働けなくなったときに旦那さんや子どもの収入に頼ることはできません。家族がいる人以上にお金(貯金)が命綱になっていくということを覚えておいてくださいね。
いろいろな選択肢の中で心も豊かになれるように
今は人生100年の時代。50歳でも折り返し地点です。やりたいことを好きなだけかなえたいとなると、お金はいくらあっても足りないかもしれません。
ですが、今そしてこれからはもっと、以前のように決められたレールや価値観に縛られることなく、女性がいろいろな選択肢を選ぶことのできる時代になっていき、幸せな暮らし方というのもすごく多様なものになっていくはずです。世にあふれているいくら必要だと説かれているものが自分に当てはまるというかというと、もらっているお給料の金額も、共働きかどうかも、今自分自身が貯められる貯金額も違って、同じではないということがほとんどです。ただ書かれている情報を鵜呑みにし、やみくもに「貯金しなくちゃ」、「節約しなくちゃ」と思いつめて苦しい思いをするのではなく、自分の今の現実と向き合い、思い描く将来のライフスタイルを考えたうえで、自分に必要な金額をしっかりと計算することが大切です。
イラスト/うつみ ちはる 取材・文/浜田 彩