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人生の目標を持っておくことが健康に直結する!

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日の出に向かって目標を宣言する女性

何か高い目標を持つと、モチベーションが高まって、ふだんの生活にハリが生まれると感じる人は多いはず。実際に、米国の研究の結果からも、人生で目的意識を持つことは、心と体の両面での健康と生活全体のクオリティーを上げてくれることが示されました。人生に目標がある人は、全般的に死亡率が低くなり、目的意識が低い人は高い人に比べて、死亡率が2倍以上になることがわかったのです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

7000人の4年間の死亡率を調査

頂上を目指す登山者

もっと仕事をうまくやりたい、趣味を充実させたい、ボランティアに力を尽くしたいなど、目指したい目標を持てると、ふだんの生活にハリが出てくるもの。逆に、目的意識がなくだらだらと過ごしてしまうと、文字通り堕落した生活になりがちかもしれません。

今回、米国ミシガン大学の研究グループが、目的意識と死亡率との関連性を調べました。
利用したデータは、米国で行われている追跡調査HRSに登録された2万人分のものです。HRSでは健康ばかりではなく、家庭や経済的な問題も含めて2年ごとにインタビューを行って調べる念入りな調査となっています。

研究グループは、この研究のデータから、2006年に人生の目標についての質問に答えている7000人近くを抽出して、2010年までの死亡率を分析しました。
人生での目的意識に関する質問は7項目あって、それぞれに6点満点で目標意識の高さを点数化しており、合計点から目的意識の強さを調べました。

目的意識がないと心臓関連の病気で亡くなることが増える

手を取って励ましあい、人生の目標を共有する家族

対象となった7000人近くのうちおよそ6割が女性です。平均年齢は68.6歳で、2006〜2010年に776人が亡くなりました。心血管疾患、がん、呼吸器系疾患、消化器系疾患など死因ごとの死亡率についても計算しています。

分析の結果、人生で目的意識の低い人は、目的意識の高い人に比べて、2倍以上死亡率が高くなることがわかりました。死因別では、心血管系の原因による死亡が関係しているという結果です。
研究グループはこうした結果を受けて、人生における目的意識を高める方法として、ボランティア活動、セラピー、瞑想といった方法がよいのではと推定。どんなことをすると、目的意識を高められるかがテーマになりそうだと見ています。

生活の張り合いにつながるような目標を持っておくことは大切だといってよさそうです。

<参考文献>
JAMA Netw Open. 2019 May 3;2(5):e194270. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2019.4270.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31125099

文/星良孝

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