涼しい風が吹く日が増えてすっかり日も短くなり、秋の訪れを感じている人も多いと思います。「秋の夜長」という言葉があるように、日に日に過ごしやすい夜の時間が長くなっていくなかで、改めて見直したいのが時間の使い方。気をつけないと、「読書の秋」や「芸術の秋」はおろか、「スマホ一色の秋」になってしまうかもしれません。
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1日「4時間以上」が約3割! 驚くべきスマホ利用の実態
多くの人にとって、手離すことのできない存在であるスマホ。今や通信手段としての枠を越え、仕事やライフスタイルにも欠かせないものとなったスマホですが、私たちの生活を便利に豊かにしてくれている一方、貴重な時間の多くを無自覚に奪っているという一面もあるといえます。
その実態が明らかになったのは、花王が20〜50代のスマートフォン利用者800名を対象に実施した「スマートフォンの利用実態調査」。この調査結果から、1日あたりのスマートフォンの利用時間として、「2時間以上」と答えた人が66.7%、「4時間以上」と答えた人は、なんと全体の約3割(28.9%)も存在することがわかりました。
長時間利用者の7割が就寝前まで“ついついスマホ”
生活に欠かせないものではあるけれど、そんなに長い時間スマホを利用している実感はない、という人も多いと思います。そこで、スマホでどんなことをしているのか、その用途について質問をすると、1日「4時間以上」利用する人の回答では、「LINEなどのメッセージアプリ」(80.4%)、「SNS」(67.0%)、「動画視聴」(56.1%)、「ゲーム」(49.1%)などが、全体よりとくに高い数値を記録しました。
また、スマホを利用しすぎてしまったエピソードの自由回答では、
「寝る前に動画を見ていたら、そのまま眠れずに朝になってしまった」(群馬県 20 代女性)、「朝までゲームやマンガに夢中になっていた」(広島県 30 代女性)などがあり、就寝前に“ついつい”スマホを利用しすぎてしまう人が多いようです。スマホの長時間利用が“ついつい”や“なんとなく”によるものだったとしても、今回の調査対象者の約3割が該当した「4時間」があれば、どれだけ多くのことができるかを考えてみてください。いかに多くの時間をスマホ利用に費やしてしまっているのかを実感できるでしょう。
限りある時間を大切に! 見直したいスマホと時間の使い方
例えば、トレーニングや読書など、決まったことに毎日必ず2時間を割かなければならないとしたら、それはとても難しく感じられるのではないでしょうか。それは、私たちの時間が限りある貴重なものであるからこそ。スマートフォンは私たちの仕事やさまざまなタスクを効率化させ、人とのつながりの幅を広げ、多様な楽しみを与えてくれます。新たな可能性も秘めたすばらしいものだともいえます。でも、スマホ利用にあまりに長い時間を費やしてしまうことは、健康を害したり、大切なものを失ったりするリスクを上げることにもなりかねません。
便利なスマホだからこそ有益な使い方ができるように、まずは“ついついスマホ”の実態を把握し、意識的にスマホを利用しない時間を設けてみるなど、秋の夜長を前にスマホと時間の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。
文/野田美香