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アメリカが誇る86歳のカルチャーアイコン「RBG」を知っていますか?

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ルース・ベイダー・ギンズバーグ

86歳にして今も現役のアメリカ最高裁判事であるルース・ベイダー・ギンズバーグ。名前の頭文字から「RBG」というカルチャーアイコンになり、「アメリカ人が尊敬する女性ランキング」では必ず上位に名前が挙がる、ティーンエイジャーをも熱狂させる女性ですが、日本ではほとんどなじみがない人物かもしれません。

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アメリカで“スーパーウーマン”と呼ばれるカルチャーアイコン

RBGの正装姿
©The Collection of the Supreme Court/MCT/Getty Images, FILE

今年、このカルチャーアイコン「RBG」のことを詳しく紹介した映画が2作、日本でも公開されました。1作は『ビリーブ 未来への大逆転』(原題:「On the Basis of Sex」)で、もう一つはドキュメンタリー作品の『RBG最強の85才』(原題:「RBG」)。 小柄で華奢でちょっとお洒落なおばあちゃん…という見た目の彼女が、なぜ「スーパーウーマン」と呼ばれ、若い世代をインスパイアし続け、映画の題材になるほど話題になったのでしょうか?
ルース・ベイダー・ギンズバーグは25年以上もの長い間、アメリカの最高裁で判事を務めています。アメリカでの歴代二人目の女性判事であり、しかも現在最高齢判事でもあります。
ルースは1933年、ニューヨークのブルックリンでとても豊かとは言えないユダヤの家系に生まれました。厳しくも愛情深く育てられ、女性が学ぶことがとても難しかった時代に名門コーネル大学に入学し、そこで夫となるマーティン・D・ギンズバーグに出会い結婚します。そこからハーバード大学のロースクールに転籍し、さらにコロンビア大学のロースクールに転籍、そして首席で卒業したのです。とんでもない秀才だったわけです。
ルースは高校卒業式前日に母親をがんで失っています。この母は彼女の人生に大きな影響を与えています。貧しかったために勉学の機会を得られなかった母は、娘をことあるごとに図書館に連れて行き、「すべてに疑問を持ちなさい」と説いて育てたそう。

レディであることと自立することは矛盾しない

ドキュメンタリー映画の中でルースはこう回想します。「My mother told me two things constantly. One was to be a lady, and the other was to be independent. (母は私に常にふたつのことを言っていました。ひとつ目は、レディでありなさいということ。もうひとつは、自立した人になりなさいということ)」 ルースの母は『レディであることと、誰にも頼らずに生きていける強い女性になることは矛盾しないのだ』とルースに教えたのです。

コロンビア大学のロースクールを首席で卒業した秀才のルースでも、1950年代後半のアメリカでは法律事務所に就職できませんでした。その理由は「女性だから」。
あらゆる法律事務所に就職を断られたルースは1963年に30才の若さでラトガーズ大学の教授となり、性差別の裁判に関わり「女性の権利プロジェクト」の立ち上げに尽力します。性差別や女性軽視が平然と行われていた社会で、ルースはていねいな方法で少しずつ、でも確実に、変革を仕掛けていったのです。 着実に功績を残したルースの評価は高まって、1980年にD・C・巡回区控訴裁判所の裁判官に任命され、1993年にはクリントン大統領から最高裁判事に任命されます。 60才を過ぎていたルースでしたが、法の下での男女平等の実現に向け、同僚の男性判事たちを巻き込みつつ男子大学の女性排除、男女の賃金差別や投票法の撤廃などの問題に果敢に切り込んでゆきました。

娘とRGBの写真
娘との写真 © Academy of Achievement.

ルースが86才最高裁判事の最高齢になった今、ロックスター並みにアイコンになっているのは、並外れた秀才さで弱き者を助けるという硬派の姿勢を貫く一方で、女性らしいかわいらしさ、チャーミングさを常に持ち合わせて、その姿がこの上もなく人々を魅了するからなのです。

ワークアウト中のRBC
©Mognolia Pictures via AP

『RBG 最強の85才』の映画ではルースの足跡と功績、そして彼女の家族との絆がどれほどルースを奮い立たせてくれたかが描かれています。 『レディであることと、誰にも頼らずに生きていける強い女性になることは矛盾しないのだ』とルースに教えた亡き母の教えが、ルースという最強の女性を生んだことも。

トップ写真クレジット: ©Dough Mills/The New York Times via Redux, FILE

文/田中史子 ホリ・コミュニケーション

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