片づけを始めたのはいいけれど、途中でザセツしてしまった経験がある人も多いはず。片づけは狭いところ、思い入れの少ないところから始めるのが成功の秘訣です。生き方スタイリストで整理収納アドバイザーの吉川永里子さんの片づけ術は「ぜんぶ出し」と「保留ボックス」。捨てるものをテンポよく判断していきましょう。吉川さんの著書『なかなか捨てられない人のための 鬼速片づけ』(アスコム)からご紹介していきます。
Contents 目次
手始めは洗面所から
吉川さんの片づけメソッドは誰もができるシンプルさ。「ぜんぶ出し」と「保留ボックス」です。捨てるものを瞬時に判断するので、“鬼速”で片づけられるのです。
それでは、どこから片づけを始めますか?
片づけに失敗してしまうのは、まだ慣れていない段階で、広い場所やジャッジするモノが多い場所から始めてしまうから。
「手始めはなるべく狭くて“思い入れのない場所”がオススメです。洗面所やよく使う引き出し、棚一段とか、それくらいから始めましょう」と吉川さん。
最初は洗面所やキッチン、くつ箱などから始めてみましょう。
狭いところでも、「ぜんぶ出し」をすると意外なほどモノが詰まっていることに気づかされます。
捨てどき 鬼速ジャッジ!
即座に捨てるとは思わないものの、捨てるかどうか迷う場合は、「保留ボックス」へ。「どうしようかな」とふんぎりがつかないときは、一般的なモノの寿命の目安を参考にしてみましょう。
【クローゼット、くつ箱】
カジュアルな服…3年たったら使用期限がきたこととします。
ブラジャー…約1年。伸びたり縮んだりしてサイズが合わないと体型に影響します。
ショーツ…ゴムが伸びたり、レースがほつれたりしたら。見えなくてもみすぼらしい。
靴…かかとのすり減り、つま先の色はげは意外に見られています。処分か修理を。
【洗面所】
タオル…ゴワつきが気になったら。肌トラブルの原因になりかねません。
コスメ…1シーズン。開封した瞬間から劣化が始まります。
コスメの試供品…1か月以内に次の旅行の予定がなければ、いますぐ使って。
【キッチン】
食器 …欠けたり、色素沈着したら。もらいものは1年以上使っていなければ処分。
密閉容器…ふたがきっちり閉まらなくなったら密閉できません。
菜箸…先がこげたら。
まな板…色素沈着したら。衛生的にも不安です。
フッ素樹脂加工のフライパン…フッ素樹脂の部分がはげたら。効果は失われています。
食材…賞味期限が切れたら。その前に「食材処分デー」を設けて食べましょう。
【その他】
実用書、雑誌…1か月半〜半年。そのころには、もっと新しい情報が出ています。
紙袋…大中小それぞれ2〜3枚あれば十分。それ以上の数になったら処分を。
傘…家族の人数+予備2本。それ以上増えたら困っている人に差し上げましょう。
最後の難関はリビング
比較的、片づけが簡単な場所が終わったら、最後の難関へ。最後に片づけたいのはリビングです。
思い出の品やお土産、共有物がいっぱいあるからです。
そして最大の敵が紙ものです。
「リビングは最後。ほかの場所を鬼速で片づけて晴れ晴れした気持ちと快適な暮らしを体感し、揺るぎないモチベーションがかたまってから、とりかかることを強くオススメします。紙ものは時間が経っても何も解決しないばかりか、どんどんたまる一方です。だったら封を開けた瞬間に、要るか要らないかを鬼速で判断してしまいましょう」
紙ものの分別は以下の通りです。
・DM類はゴミ。
・支払い、処理しなければいけないものはバッグに入れて、外出のついでに処理しましょう。
・重要書類はクリアファイルに入れて必要最小限だけを保管します。
「迷ったものはほとんど捨てて大丈夫。近ごろはたいていインターネットでも確認できます。紙でないと困るものはほとんどありません」
片づけはミニマムな暮らしにするわけではなく、オシャレが好きな人は服を、ティーカップをコレクションしている人はティーカップをたくさん持っていていいのです。
モノを選びながら、自分が何を好きで何を大切にしたいか、どう生きていくかの選択をくり返して行うなかで、自分を知り、自分の軸ができ上がっていきます。
文/庄司真紀
参考書籍
吉川永里子著『なかなか捨てられない人のための 鬼速片づけ』(アスコム)