海外のさまざまな地域の最新情報を現地在住ライターがレポートする本コーナー。今回は冬場限定のおいしいイベント「氷の家で楽しむチーズフォンデュ」です。本場スイスでの楽しみ方を体験してきましたので、レポートしたいと思います。現在、なかなか海外渡航も難しい時期かもしれませんが、ぜひ来年以降の旅の計画に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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「イグルー」の中で食べるチーズフォンデュ
冬の寒い時期になると、スイスではチーズフォンデュやラクレットなど、体の内側から温まるような料理がよく食べられます。自宅やレストランでも気軽に楽しめる料理ですが、スイスの山岳部などでは、『イグルー』風レストランでも、チーズフォンデュが食べられるのです。『イグルー』とは、カナダやアメリカの北極圏近くに住むイヌイットの人たちが、冬の期間に住む家のこと。
冬本番の12月から翌年3月頃までの間、こうしたイグルーたちが作られ、スイス各地に期間限定のイグルー村がオープンします。ダボスやツェルマット、エンゲルベルク、グシュタードといった、主にスイスのスキーリゾート地にあるのですが、今回はベルン州シュトックホルンでのイグルー&チーズフォンデュ体験についてご紹介します。
まずシュトックホルン山ふもとにある窓口でチケットを受け取り、イグルー村がある中間駅クリンディ駅までロープウェーで登っていきます。駅到着後に外へ出てみれば、辺りは一面深い雪に覆われ、冷凍室にいるような寒さ! 中間駅地点とはいえ、標高は1642mあるそう。そこで待っていた案内人と一緒に、夕闇の雪上を歩いていくと、やがて遠くにイグルーが見えてきました。
中に入ってすぐ、入り口近くにバーカウンターがあり、そこでスパイス入りのホットワインが振る舞われました。さっそく内部をじっくり観察してみれば、壁の部分に彫刻がほどこしてあったり、ふかふかの毛皮の椅子が置かれたテーブルが並んでいたり……となかなか本格的。
さて、いよいよチーズフォンデュの時間! チーズフォンデュは「食べ放題」だったのですが、スイスのチーズはお腹にずっしりと来るので、すぐお腹いっぱいになってしまいます。ほかのテーブルでは、おかわりをしている人たちがかなりいるよう。恐るべしスイス人! その後デザートにブラウニーまで出てきました。
食事の後はカロリーを消費すべく、満天の星が降り注ぐ夜空を見上げながら、イグルー周辺をぶらぶら散策すると、新鮮な山の空気も吸えたからか、心がしゃきっとしました。
ほかにも、深い雪の中を専用の歩行具をつけて歩くスノーシューや、イグルー作り体験などさまざまなアクティビティもできるようなので、スポーツ好きな方、体を動かしたい方にはぜひおススメです。来年の冬の旅の計画にいかがですか?
◆イグルー村(Iglu-Dorf)◆
スイス: ダボス(Davos)、グシュタード(Gstaad)、ツェルマット(Zermatt)、シュトックホルン(Stockhorn)
オーストリア: キュータイ(Kühtai)
ドイツ: ツークシュピッツェ(Zugspitze)
ホームページ/ https://www.iglu-dorf.com/en/standorte/uebersicht
料金&日時/場所やアクティビティにより異なりますので、ホームページを参照ください
取材・文/小島瑞生