ついに全国的に緊急事態宣言が解除されました。これから行きたい場所がたくさんあるという人も多いことでしょう。しかし、外出自粛が緩和されても、引き続き徹底したウイルス対策がマスト! 同時に、これからの季節は紫外線対策にも気が抜けません。そこで今回は、今すぐ実践したい紫外線対策とそのケアについて、体の内側と外側からのアプローチ法をホリスティック薬剤師の佐々木貴美さんにうかがいました。
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肌は「加齢」ではなく「光」で老化する!
いつまでも若々しい肌を保つために、無視できないのが「光老化」。じつは肌の老化の原因は、紫外線が80%を占めるともいわれています。
私たちのもとへ降り注ぐ紫外線には、「UVA=紫外線A波」と「UVB=紫外線B波」があり、雲やガラスなどを通過して真皮まで届くUVAは、たるみやしわの原因となり、表皮に強く作用するUVBは、メラニンを増加させ日焼けによるシミ・ソバカスの原因となります。
紫外線の影響がどのように肌に現れるかは個人差が大きいものですが、紫外線を浴び続けること、紫外線を浴びたままにしておくことが肌に悪影響を及ぼすのは、誰にとっても共通の事実。では、紫外線による光老化を防ぐためには、どのような対策・ケアが有効なのでしょうか。
紫外線対策として有効なインナーケアのポイント
紫外線に有効なインナーケアについて佐々木さんに尋ねたところ、そのひとつとして挙げられたのが、ビタミンACEを含む食材をとること。
「紫外線を浴びると活性酸素が発生して、肌の細胞を傷つけたり壊したりする原因となります。そのため、活性酸素のはたらきを抑える抗酸化作用のある食品をとることは、体の内側からできる対策のひとつといえるでしょう」
具体的にどんな効果が期待できるビタミンが、どの食材に含まれているのでしょう。
「まず、ビタミンAには皮膚や粘膜を強くするはたらきがあり、ニンジン、モロヘイヤ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれています。
ビタミンCは、レモンなどの柑橘類よりも意外にブロッコリーやカリフラワーに多く含まれていて、皮膚を丈夫に保つコラーゲンの生成に欠かせないもの。そしてビタミンEには強力な抗酸化作用があり、アボカドやくるみ、アーモンドなどのナッツ類、オリーブオイルなどに豊富に含まれています」
食品以外では、抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含むルイボスティーや、“ビタミンCの爆弾”ともいわれるローズヒップティーがおすすめ、と佐々木さん。そのほか漢方も紫外線のインナーケアのひとつとして有効だと言います。
「色素沈着を防ぐには血流を促す漢方、シミ予防には血流を改善する漢方が適していて、トウキや桂皮(シナモン)などがおすすめです。そのほか、漢方素材であるクコの実は、スーパーフードのコジベリーとしても知られていますが、日焼けや色素沈着を抑え、また色素沈着の回復を早める効果もあるといわれています。これらのなかから自分に合ったものをじょうずにとり入れていけるといいですね」
紫外線対策として有効なアウターケアのポイント
紫外線のアウターケアといえば、日傘や帽子、UVカット機能のある衣類などで紫外線から肌を守ること、日焼け止めを使用することが主な方法ですが、佐々木さんによると日焼け止めの選び方にもポイントがあるそう。
「紫外線を吸収するタイプよりも、散乱するタイプの方が肌への負担が軽くておすすめです。また、日焼け止めが肌に残ると毛穴詰まりなどの原因になるので、石けんでオフできるものや、香料や着色料フリーのものを選べるといいですね」
佐々木さんのおすすめアイテムの中には、スマホやパソコンから発せられるブルーライトに効果的なものもあるといいます。
「じつは、光老化の原因は紫外線だけではありません。ブルーライトなどの『可視光線』や、暖房機器などから発せられる『近赤外線』の蓄積も肌の老化を引き起こす原因となります。酸化セリウムやマリーゴールドなど黄色い成分が配合された日焼け止めは、あらゆるタイプの光老化対策としても効果的です」
また、日焼け止めに頼るだけでなく、日々の基本的なスキンケアがとても大切とのこと。
「しっかり保湿をして、肌に保護膜を作ったうえで日焼け止めを塗ってあげると、その効果が得やすくなります。保湿は紫外線を浴びてしまった時のアフターケアとしても重要。肌に十分なうるおいを与えて、しっかり沈静させることがポイントです。イエロークレイを入れたお湯に浸かったり、クレイパックしたりするのもおすすめですね」
まだまだ油断できない状況とはいえ、これから少しずつ外出する機会が増えていくでしょう。紫外線対策は未来の肌への投資ともいえるもの。ウイルス対策と同じくらい、紫外線対策・光老化対策も生活のベースとしてとり入れていきたいですね。
文/野田美香