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炭水化物を冷ますと増える「レジスタントスターチ」。腸内環境を良好にし、免疫力アップや肥満抑制など健康メリットが多いことから“ハイパー食物繊維”といわれています。「もし不調があったり、体重が減らないと悩んでいるなら、ご飯など炭水化物をたっぷり食べていないことが原因かもしれません」と話すのはレジスタントスターチの研究者である笠岡誠一先生。著書『炭水化物は冷まして食べなさい。 腸活先生が教える病気を遠ざける食事術』から、レジスタントスターチが多い食品をご紹介します。
パスタはアルデンテにする
前回、レジスタントスターチを増やすには、ご飯を炊いたあと、常温で1時間冷ますだけでよいとお伝えしました。レジスタントスターチはご飯だけではなく、さまざまな炭水化物に含まれているので、今回はパスタやうどんなどの食べ方について見ていきましょう。
まず麺類の場合、基本的には冷製メニューにすることでレジスタントスターチをたっぷり摂取することができます。
パスタの場合はもうひとつコツがあります。
「ゆでる時間を短めにすることで、芯を残します。芯にはレジスタントスターチがたっぷり詰まっています。この部分は、玄米と同じカテゴリーに分類される、物理的に消化しにくいレジスタントスターチです。アルデンテにゆでたパスタを冷製メニューで食べれば、今度は“冷まして増える”のレジスタントスターチが増えます。パスタを冷製メニューにする過程で、デンプンはレジスタント化されていくので、ご飯のように常温で置いておく必要はありません」
生パスタではなく乾麺を選び、太めのパスタをかためにゆでることで、よりたくさんのレジスタントスターチがとれます。
じゃがいも系のメニューを増やす
炭水化物は主食ばかりではありません。いも類にも豊富に含まれています。
「たとえば、じゃがいもはもともとレジスタントスターチを豊富に含む食材。冷まして食べると含有量は格段にアップします。冷たいじゃがいも料理といえば、ポテトサラダ。定期的に食卓に並べることで、不足しがちな食物繊維の摂取を一気に挽回することができるでしょう。小鉢程度の量のポテトサラダでも、茶碗1杯分のご飯と同じくらいのレジスタントスターチがとれます」
また、さつまいもレジスタントスターチが多い食材。
「冷ました焼きいもや和菓子でも効率よく摂取することができます」
さらに、意外なところでは春雨も。
「禅宗の精進料理として中国から伝わった春雨もレジスタントスターチの多い食品です。春雨はじゃがいもなどのいものデンプンが材料。サラダにして食べれば気軽にレジスタントスターチを補給できます」
そのほか、いんげん豆や小豆、ヒヨコ豆もレジスタントスターチが豊富な食材。ダイエットのときも炭水化物は減らさず、冷ましたり、上記のような方法で、レジスタントスターチを増やす食べ方にチェンジしてみましょう!
文/庄司真紀
参考書籍
『炭水化物は冷まして食べなさい。腸活先生が教える病気を遠ざける食事術』(アスコム)
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笠岡誠一 /文教大学健康栄養学部教授
かさおか・せいいち 1967年広島県生まれ。文教大学健康栄養学部教授。管理栄養士。食品栄養学修士(東京農業大学)。博士(農学)(愛媛大学)。山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、文教大学専任講師、アメリカ国立衛生研究所客員研究員を経て現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでの解説も多い。
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