「月曜断食」によって、15kgの減量に成功した料理研究家のむっちんさん。今回は、実際に、むっちんさんが実践してきた方法や、3か月間の体の変化などをご紹介していきます。「月曜断食」と聞くと、それだけで、“つらそう”“しんどそう”と思う人も多いのではないでしょうか。ところが、そんなイメージに反して「つらさは、ありませでした」と答えるむっちんさん。むっちんさんのお腹や心を満たしてくれていたものとは……?
Contents 目次
体の素直な思いに従って、週6日を良食日に
前回ご紹介したように、「月曜断食」とは月曜日を水だけを飲んで過ごす<不食>、火~木曜はからだにいいものを食べる<良食>、土日はなんでも食べてOKの<美食>のサイクルで、過ごすというものです。しかし、必ず月曜日を不食にしないといけないわけではなく、生活スタイルに合わせアレンジしてOKということから、むっちんさんは水曜日を不食日に設定。月曜断食ならぬ“水曜断食”を2020年7月1日水曜日にスタートしました。
その結果、3か月で15㎏の減量に成功したむっちんさん。食べることが好きで、それゆえに太ってしまったという背景からしても、水だけで過ごすことや、炭水化物を抜く食生活はつらかったのでは……? ところが、むっちんさんからは、「そんなに、つらさはなかったです」と意外な一言が。さらに、驚くことに、“美食日なし”で3か月を過ごしたと言います。
「本来ならば、不食日の前日と前々日は、何を食べてもOKな美食の日なのですが、実は私、この美食を設けなかったんです。つまり、水曜日は水だけを摂取し、あとの6日間は野菜を中心とした良食で過ごしました」
そんな彼女の発言に、「美食日がないなんて、無理……」「美食日があるからこそがんばれるのでは!?」と、と思った人も多いのではないでしょうか?
「もちろん、月曜断食メイツさん(SNSで集う、月曜断食体験者)の中にも、美食日を心待ちにしている方は多いです。でも、私は、せっかちな性格もあってか、“早く変わりたい”“早くやせたい”という気持ちが勝って、美食日に炭水化物などを解禁する気持ちが沸かなかったんです。不食日に関してもつらさはあまりなかったのですが、もし美食日を解禁してしまったら、美食明けの不食がしんどく感じるんじゃないかな。そんな、思いも少しありました。でも、決して我慢をしていたわけではありません。炭水化物を食べたいとか、お肉や甘いものが欲しいという欲求が湧かずに、良食でも十分満足ができていたんです。だったら、その気持ちに逆らう必要もないなと思い、良食日と同じものを食べることに。だから、美食日なしでも、まったくつらくありませんでした」
湯田プレミアムヨーグルトとサバ缶は、良食日の強い味方!
オリジナルルールで、不食日以外の週6日を良食にしていたむっちんさん。良食日には、実際どんなものを食べていたのでしょうか。
「朝は、白湯、果物、100g程度のヨーグルト。この3点セットが基本です。果物はキウイフルーツが定番でした。同じ果物でも、バナナやパイナップルは糖分が多いのですが、キウイは糖分が少なめなうえにビタミンも豊富です。ヨーグルトは、“プレミアム湯田ヨーグルト”が、大のお気に入りです! 実は、このヨーグルト、月曜断食メイツさんの間でもブームになっているんです。新鮮な生乳に生クリームを加えた、もっちりなめらかなヨーグルトなので、カロリーもお値段も少々お高め。だけど、月曜断食はほかに特別なお金がかからないし、これくらいのカロリーや贅沢は、許容範囲! 私も含めて、月曜断食メイツさんの中には、“ヨーグルト”ではなく”湯田プレミアムヨーグルト”がマスト!という人が、たくさんいます。一度食べたら、やみつき。本当においしいんです!」
むっちんさんは、基本はカットしたキウイフルーツの甘さで無糖タイプの湯田プレミアムヨーグルトを食べていたそうですが、もう少し甘さが欲しいという日は、自家製の濃縮甘酒や発酵あんこを加えていたそうです。
「発酵あんこは、ゆでた小豆と米こうじを炊飯器で保温して作ります。発酵の力で小豆の甘みが引き出されるので、砂糖も水飴も一切使わないのに甘いんです。普通のあんこって、小豆と同量程度のお砂糖が入っているんですよね。仕事柄、そのことをよく知っているので、あのたくさんの砂糖を想像すると、手をつけにくいんです。でも、発酵の力を利用すれば、砂糖なしで十分甘くなる。だったら、大量の砂糖に頼る必要はないですよね。私は、この発酵あんこを常に冷凍ストックしていました」
おいしいヨーグルトと、キウイフルーツ。それだけでもお腹は満たされていたそうですが、どうしても足りないときは、温めた無調整豆乳に、しょうがパウダーとシナモン、はちみつを加えたホット豆乳を飲むことも。お腹にたまるだけでなく、体も温まるので、気持ちも落ち着くそうです。
また、お昼や夜は作り置きのおかずに、温野菜やスープなどをプラスしていたそうです。
「料理家という職業なので、料理することは日常です。そのため試作や撮影用につくったおかずが常にあったので、それらを小分けにして、1食1~2品くらいずつ食べていました。そこに、ゆで卵やアボカド、温野菜、ときどき肉や魚を足すこともありましたが、それだけでけっこうお腹はいっぱいになるので、炭水化物がなくても十分でした。それから、スープや野菜たっぷりのおみそ汁もよく作りました。汁物はアレンジがしやすいし、お腹にたまる。体も温まって、満足感がありますよね」
そして、むっちんさんが、スープをはじめ、もう1品プラスしたいときに、特に活躍していたのが、サバ缶。そのまま食べてもおいしいですが、料理家ならではのアイデアで幅広く活用していたようです。
「サバのみそ煮缶をほぐして豆腐にのせたり、トマトとキムチと合わせてスープにしたり。サバ缶は味つけがされているうえに火を通す必要もないから、手軽だしアレンジしやすいんです。缶詰ですから当然保存もきくし、本当に便利! 私、サバ缶には足を向けて寝られません(笑)」
体重・体脂肪が減っただけでなく、不調も改善。味覚も敏感に!
無理なく月曜断食生活を続け、順調に体重を落としていったむっちんさん。実際、体はどのように変わっていったのでしょうか。月ごとの変化を教えていただきました。
【月曜断食1か月目】
7月1日 体重:67.8kg/体脂肪:40.1%
⇒7月31日 体重:61.8kg/体脂肪:37.6%
◇1か月間の変化 体重-6.0kg/体脂肪-2.5%
月曜断食を開始してすぐに軽いじんましんが出たり、頭痛が起こることもありました。ただ、これは体に停滞していた老廃物が排出される過程で起こる、好転反応なのだそう。一時的なものであれば特に問題はなく、私も3回目以降の不食ではこのような不調はありませんでした。大きな変化としては、朝の目覚めがすこぶるよくなり、早朝5時に散歩に出かけることも。体はもちろん、心も軽くなったのを実感! 体重は徐々に減り、1か月終わってみれば6㎏減量。
【月曜断食2か月目】
8月1日 体重:61.8kg/体脂肪:37.6%
⇒7月31日 体重:55.9kg/体脂肪:31.8%
◇開始からのトータルの変化 体重-11.9kg/体脂肪-8.3%
暑い時期でしたが、水は冷水ではなく常温を飲み、体を冷やさないよう意識しました。体重は順調に減り、開始からのトータルで約12㎏減。ただ、リモートワーク中心の生活で人に会う機会がなかったため、他人に気づいてもらうことができず。その点が少し、残念でした。
【月曜断食3か月目】
9月1日 体重:55.9kg/体脂肪:31.8%
9月30日 体重:52.9kg/体脂肪:30.5%
◇開始からのトータルの変化 体重-15.1kg/体脂肪-9.6%
食生活に苦労はないものの、仕事が忙しく、夜までパソコンに向かうことも多くあった時期。意識しないとつい夜遅くまで仕事をしてしまうので、そうならないよう、なるべく早めに仕事を切り上げ、ゆっくりお風呂につかることを心がけました。気づけば、お腹まわりの浮き輪のようなぜい肉もなくなり、体重だけでなく、体脂肪もトータルで約10%減。
「3か月の月曜断食を終えたあとに、体重が50㎏を切ったこともありましたが、今は少し戻り、52~53㎏をキープしています。見た目的にも、気持ち的にも私はこの体重がベストだと思います。今は月に2~3回不食を行っていて、それ以外の日には、好きなものを食べていますが、自然と野菜が中心になりました。それに、やせる前のように、胃が重くなるほどいっぱい食べたり、1日中ダラダラ食べたりするようなこともありません。健康的な食生活が、習慣化してきたんだなと感じています」
むっちんさんは、朝起きやすくなった、疲れにくくなった、イライラしなくなったなど、体重・体脂肪以外の体の変化も実感しているそうです。
「太っていたときは、常にだるかったり、むくんでいたけれど、それが当たり前だと思っていて、気にしていなかったんです。でも、やせて初めて当たり前ではなかったことに気づきました。それから、味覚が研ぎ澄まされたことも大きな変化です。仕事柄、味見が日常ですが、以前より、味がわかりやすくなりました。仕事にもいい影響をもたらしてくれています」
月曜断食を経験して、体型や体重だけでなく、仕事への向き合い方、自分との向き合い方などにも変化があったというむっちんさん。次回は、さらに体験を通してわかったことや、これから始める人へのアドバイスなどもご紹介します。
*レシピ写真はむっちんさんご本人が撮影
取材・文/柿沼曜子