ダイエットの基本は「今までの食生活を見直して、カロリーを過剰に取らないようにする」ですが、それが簡単にできたら苦労はしませんよね。しかし脳科学的なアプローチで考えられた「マインドフル・ダイエット」を実践すれば、今までの食べ方が自然に変わっていくようになります。
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■“太りやすい脳”は、「習慣」と「依存」で自動運転モードになっている
イライラすると、つい甘い物に手を伸ばす。いつも食事のときに食べ過ぎてしまう。イェール大学で最先端の脳科学研究に携わり、現在はロサンゼルスで開業し、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開する医学博士・久賀谷亮先生の著書『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』によると、“太りやすい脳”がそのような食べ方をさせているそうです。“太りやすい脳”とは、どういうことでしょうか?
脳は食べることで快楽中枢を刺激され、「食べる=気持ちいい」と学習します。その快楽が「習慣」となり、さらに強い刺激を求める「依存」が始まります。そして脳は何も考えずに食べてしまう「自動運転モード」に入っていくのです。ストレスを感じたときに、甘い物を次々に食べてしまうのは、「ストレスを感じたら、甘い物を食べる(気持ちいい)」と学習した脳が、その後の習慣と依存によって自動運転モードになっているから。これがいわゆる“太りやすい脳”です。
■“間”を作ることで、脳の自動運転モードをオフにすることが大切
そんな太りやすい脳を変えていくには、まず脳の自動運転モードをオフにする必要があります。「そのために必要なのが、すぐ食べものに手を出さず“間”を作ることです」と、久賀谷先生は言います。
「買い物に行ったり料理をしたりするのも、食べる前の“間”になります。ただし、何も考えない“間”であってはいけません。買い物なら『今の季節はどんな野菜があるのか』『この果物の色は食べ頃なのか』、そんなことを考える。今、自分が向き合っていることに意識を傾け、良質な“間”を作ることが脳の自動運転を弱めるコツです」
そこで同書で提案しているのが、食前に行う30秒の「食前セレモニー」と、食べている間に行う「食事エクササイズ」です。ここではそのポイントを紹介しますが、詳しいやり方や順番についてはぜひ同書を参考にしてください。
<食前セレモニーのポイント>
・目の前の食べものに意識を向ける
「この食べ物はどうやって作られたのか」など、由来を想像する。
・自分の体に意識を向ける
特に呼吸に意識を向ける。また食べ物の匂いをかいだときに、体がどう反応したかということにも注意する。
・自分の今の状態に意識を向ける
どれだけ空腹なのかを、10段階のバロメーターで表現する。そして「なぜ食べたいのか」を考えてみる。
<食事エクササイズのポイント>
・食べものの状態に意識を向ける
見た目、匂い、感触などを自分なりの感覚で確かめる。
・口の中に入れたときの状態に意識を向ける
舌ざわりや唾液の出方などに注意してみる。
・食べたときの状態に意識を向ける
舌ざわりや味、飲み込んだときの体の感覚、また食べ終わった後の「体の重さ」も意識する。
この2つのメソッドに共通するポイントは、「体の感覚を意識する」こと。
次回はその「感覚」が大切な理由と、適切な食事量が感覚でわかるようになるメソッドについてご紹介します。
▼『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』の内容をもっと詳しく知りたい人はこちらをチェック!
『無理なくやせる“脳科学ダイエット”』/主婦の友社
文/みうらえりこ