すっかり定番となった低糖質ダイエット。肥満のもととなる過剰な糖質を摂取しないように食事制限をするものですが、本当に大切なのは急激に血糖値を上げないような食べ方をすること。炭水化物を食べてもきちんとやせる方法とポイントを、日本ダイエットスペシャリスト協会理事長である永田孝行先生にお伺いしました。
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血糖値の上昇が肥満を招くのはなぜ?
炭水化物は「糖質」と「食物繊維」を合わせた総称のこと。ご飯やパン、麺類などの炭水化物を食べると、糖質が消化・吸収されて血液中に送り出され、血糖値が上昇します。この血糖こそが体を動かすエネルギー源となるのですが、一方で、血糖値の上昇にしたがいすい臓からインスリンというホルモンが追加分泌されます。このインスリンには、余った糖質を脂肪としてためこもうとする厄介な働きが。そのため、急激な血糖値の上昇を引き起こす食べ方をすると大量にインスリンが分泌され、肥満や生活習慣病の原因となってしまうのです。
炭水化物を食べても血糖値を上げにくくする5つのルール
では、炭水化物をきちんと食べながら、血糖値の急激な上昇を防ぐためにはどうすればいいのか、5つの食べ方ルールをご紹介しましょう。
ルールその1 かんでかんで、満腹中枢を刺激せよ
「お腹がいっぱいになった」と感じる満腹中枢は、食事をはじめてから30分しないと働きません。早食いや早飲みをするする人は、満腹中枢が満腹サインを出す前に食べ過ぎてしまい、結果的に血糖値が上がってしまいます。まずは食べ始めの5分間、意識してよくかむようにしましょう。
ルールその2 食べ順に気をつければ、少量でお腹も満足
ご飯、汁物、おかずという食事があった場合、すべて同じタイミングで食べ終わる「三角食べ」を習慣にされている人も多いことでしょう。しかし、三角食べはおかずの量や味つけによっては、ついついご飯をおかわりしてしまう可能性も。
そのため、最初にスープやお味噌汁などの汁物、サラダなどを食べ、次にメインのおかず、最後に主食となるご飯やパン、麺類などを食べるようにします。この食べ方なら自然に主食のおかわりにストップがかかり、食後の血糖値の上昇も抑えられます。
ルールその3 忙しい朝は卵かけご飯か納豆ご飯!
忙しい朝は食パンにジャムをつけて、もしくは甘いシリアルに牛乳をかけてパパッと…なんて人は要注意! 炭水化物(糖質)に砂糖がプラスされている食品はできるかぎり避けましょう。
おすすめは、白米に納豆や生卵をかけていただく朝食。納豆や卵を一緒に食べることで、急激な血糖値の上昇を防いでくれるからです。メカブや大根おろし、キムチといった食材を加えれば、味のバリエーションを楽しみながら、さらに血糖値が上がるのを防ぐことができます。
ルールその4 茶色い食べものを選ぶ
ご飯より玄米や雑穀米、白いパンより全粒粉やライ麦パン、うどんよりそば、というように、色の濃い、もしくは茶色い食品は、概ね精製度が低く、白い食品よりも血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。
ルールその5 いったん冷やしたご飯を活用
通常、お米に含まれるでんぷんは固まった状態ですが、加熱して炊くとその結合がほどかれ、吸収されやすくなります。しかし、ご飯が冷えると再びでんぷんが結びつき、「難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」になります。難消化性でんぷんは体内で食物繊維のように働くため、食後の血糖値の上昇がゆるやかに。昼食や夕食にお弁当やおにぎりを作り置いて食べるのもいいでしょう。
脂肪を生み出すのはカロリーではなく、血糖値、ということを頭に置いて、上手に炭水化物や糖質と付き合っていきましょう。
参考/日本人のDNAに効く 永田式 行き着く先のダイエット(悟空出版)
文/本間美加子