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岩出さんのランニング姿

アスリート女子。彼女たちは栄養素をバランスよく摂取しながら、食事量をうまく調整して体作りを行い、競技に臨んでいます。そんなアス女の皆さんに健康的な食生活を送る秘
訣を教えていただこうという企画『アス女飯』。第14弾は女子プロランナーの岩出玲亜選手にお話を伺いました。

監修
青柳 愛

国内女子マラソンタイムランキングで1位獲得の新時代の女子マラソンランナー

グランドを走っている岩出さん

日常的な健康のためにランニングをとり入れている人は多く、国内では500万人以上が週2回程度走っていると言われています。フルマラソンブームの火つけ役となった東京マラソンを皮切りに多くのマラソン大会が催され、おしゃれを楽しみながらさっそうと走る女性ランナーも増えました。今後もマラソン熱はおさまることはないでしょう。

今回の「アス女飯」は、マラソンランナー・岩出玲亜選手(25歳)をご紹介します。
目を惹く美しい顔立ち、モデルのようなスタイルの岩出選手が個人で発信するSNSのフォロワー数は1.9万人。2019年には名古屋ウィメンズマラソンで2時間23分52秒で走りきり、国内女子マラソンタイムランキングで1位となった名実ともに日本を代表する新時代の女子マラソンランナーです。

今回は岩出選手に、体の中から整えていく食事法や、大会前のコンディショニング、さらに彼女が今年からプロランナーとしての新しい道を選択した想いについて伺いました。

第13弾・女子プロボウラー・森彩奈江さんの記事はこちら。
遠征生活で身についた女子プロボウラー森彩奈江選手のコンディショニングの整え方 #アス女飯

岩出選手がプロランナーとして新しい道を選んだ理由

今年9月、立川市で行われた「マラソンフェスティバル」に参加した岩出選手。今後さらに積極的に市民ランナーとの交流の場を作っていきたい想いがあるそうです。

「市民ランナーの人たちから直接お話を伺える場というのはすごく貴重です。自分の走りを応援してくださる人がこんなにいるんだと思うと、へこたれた姿を見せずにかっこよく走りたい! と思います。何のために走るのかという原点を見つめられるような気がするんです」(岩出選手)

岩出選手は2013年初マラソンだった山陽女子ロードで当時18歳にして日本ジュニア新記録を樹立。翌年、横浜国際女子マラソン3位で10代最高記録という成績を残しました。実業団選手となってからは実業団女子駅伝西日本大会、全日本実業団対抗女子駅伝競走大会などに出場。マラソンに専念し、等身大の自分で走りたいという想いから3年前にプロに転向し、今年9月からさらに新たなチャレンジのためスポンサーやパートナーを探しながらプロの道を歩む道を選択されました。

現在、ファンからアスリートに寄付を行えるスポーツギフティングサービスなどを活動費として新しいスタートを切っています。

「アスリートとしても、ひとりの女性としても輝いていたいです。オンのときはどこまでもアスリートとして貪欲に。オフのときは好きなファッションもとことん楽しんでいます。甘いものだって大好きですし、美容についても興味あります。オンとオフの顔を知っていただき、市民ランナーの皆さんと刺激し合えるような関係を持てるように、これからもイベントを通して市民ランナーの人たちとのつながりを深めていきたいです。少しでも興味を持っていただければ、スポーツギフティングサービス(※)など積極的に利用していただきたいですね」(岩出選手)

※スポーツギフティングサービス…アスリートへの活動資金を寄付する新しいサービスのこと。個人がアスリートやチームが行う新しい挑戦や、競技発展、スポーツを通じた社会貢献活動に賛同したファンは10円単位から応援することが可能。

 

岩出選手が発信し続ける理由には「旧態型の長距離界、女子スポーツ界を明るく楽しい未来あるものに変えていきたい」というビジョンがあるから。従来の長距離ランナー=実業団所属という形にこだわらず「憧れを持ってもらえる選手になることで、女性ランナーの新しい先駆者としての役割を担っていきたい」という想いがあるそうです。実業団チームに所属して活動するだけが、長距離界の生き方ではないことを知ってもらいたいという熱い想いがあります。

「マラソンは走るというシンプルな競技なので自己管理能力と練習、レース中の精神力が結果につながりやすいのですが、だからこそ他競技に比べて私生活から指導者や組織の管理のもと、指示通りにやって成功する例が多いです。でも、それでは選手自身の考える力は育っていかないし、環境に依存してしまうと思うんですよね。自立した環境でプロフェッショナルとして活躍できる人材を育てていきたいと思っています。そのためには、まず自分自身が先駆者としてプロランナーとして走り続けたいと考えています」(岩出選手)

アスリート一人ひとりがなぜ、どのような想いで走っているのかを知るとさらに応援したくなります。これまで以上に、好きな競技やアスリートを個人レベルでつながることができるようになった今、憧れの選手を近くで感じながら競技と選手の未来を支援できる時代になってきたといえそうです。

岩出選手の合宿メニューを一挙公開

岩出さんの食事中の姿

早速、岩出選手にふだんどのようなことに意識して食事をされているのかを伺いました。

「もともと食が細いこともあり、学生時代はスピードが落ちるという想いから1日グレープフルーツ1個というときもありましたが、当時はケガが多かったです。プロになってから食の改善と、量を確保することを大切にしながらたんぱく質と腸内細菌に関して見直したところ、パフォーマンスが上がりました。特に腸内の改善について意識をしています」(岩出選手)

岩出選手は、腸に有用菌を届けるプロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌)と、善玉菌を活性化させ腸内環境を整えるプレバイオティクス(水溶性食物繊維)それぞれを合わせて摂取することで相乗効果を高める「シンバイオティクス」という腸活を行っています。

腸内細菌の測定データによると、約1年前は菌の種類が少なくビフィズス菌についてはほぼ存在しなかったそうですが、ヨーグルト(小岩井生乳ヨーグルトとbioにフラクトオリゴ糖を入れたもの)とオクラ2本を毎食後にとり続けたところ、1か月ほどでビフィズス菌量の存在が確認できるようになり、体調の改善を感じられたそうです。

ここで、岩出選手の合宿中の食事、昼と夜のメニューについてお教えいただきました。

岩出さんの合宿中の献立メニュー表

午前中の練習メニューがハードなときは、ランチは食べやすく胃の負担が少ないもの(麺類)を食べ、血液検査の結果で貧血のリスクが高いときは赤身の肉をプラスで毎食出してもらうことも心がけているそうです。

大会直前のコンディショニングの整え方

体だけでなく心もストレスを作らない考え方はまさに、大会当日のコンディショニングの整え方においても意識されているそうです。スタート前はどのようなことに意識しているのでしょうか。

「基本的な睡眠時間は7時間以内と決めています。緊張して寝られないこともあるので、執着しないようにして、スタート5時間前に起床しています。完全に食べものを消化した状態でスタートラインに立っていたいんです。だいたい9時スタートの大会が多いので3時45分に起床し、ゆでたおもち2個を食べてからプロテイン1杯を飲んで、軽くジョギングに行くようにしています。帰ってきてシャワーを浴びて1時間ほど寝たら出発、というのがルーティンです。

何ごとも冷静さがいちばんです。闘志むき出しはいけない。レースは想定外のことが起こって当然なので、余裕が大切だと思っています。
レースはこんなつもりじゃなかった! なんてことばかり起きますから。足をふまれても全然気にしないくらいの精神状態でスタートを切れるように準備しています。マラソン2時間半と長丁場なので、熱くなりすぎないことが大切だと思います」(岩出選手)

マラソンはスタートラインに立ったときの状態でほぼ結果が出ているとも言われているだけあり、いかに冷静に心身ともに準備できるかが大切なようです。他競技に比べ、闘争心よりも、平常心が大切な競技なのかもしれません。

岩出選手のおすすめレシピ

続いて岩出選手のアス女飯をご紹介します。
合宿中の朝と夜のメニューです。

岩出さんの朝メニュー

【朝メニュー・バイキング形式】
スクランブルエッグ、ブロッコリー、トマト、チキン竜田揚げ、なす煮浸し、明太子、梅干し、オクラ、白米、フルーツ

岩出さんの夜メニュー

【夜メニュー】
牛肉と中華炒め、ミニロールキャベツ、白米、みそ汁、ヨーグルト、フルーツ

この中から今回は牛肉の中華炒め(写真左上)のレシピをご紹介します。

【牛肉の中華炒め】

<材料(1人分)>
・牛肉薄切り 120グラム
・焼肉のタレ 20ml
・にんにくの芽 1本
・エリンギ 1本
・にんじん 1/3本
・玉ねぎ 1/3個
・サラダ油
・しょうが ひとかけ
・ごま 少々

<作り方>
1. 牛肉を焼肉のタレに10分ほど漬けておく。

2. にんにくの芽は2cm幅にカット、エリンギは乱切りに、にんじんは2cm幅、玉ねぎは1cm幅にカットする。

3. フライパンをにサラダ油を引いて中火で熱し、みじん切りにしたしょうがを入れたあと(1)の牛肉を入れて炒める。(漬けておいた焼肉のタレは入れずに残しておく)

4. 1分ほど炒めて牛肉に火が通ったら、(2)でカットした野菜を入れて最後に漬けておいた焼肉のタレを入れて味つけする。

5. 最後にごまをふったら完成。

最後に岩出選手に今思うこと、そしてこれからについて伺いました。

変化に激しい時代だからこそすぐ結果を求めず一歩ずつ生きていきたい

アスリートとして結果を求めすぎず平常心を大切にしながらも、日々楽しむ気持ちを大切にしている岩出選手。アスリート人生の転換期とも言える今を楽しむ強さはどこから来るものなのでしょうか。

「今まで人に恵まれてきたからか、志を間違わなければ誰かはちゃんと見ていてくれると思えますし、道は拓ける自信があります。とは言っても、やっぱり悩んでしまう日はありますよね。私もいろいろ考えすぎて悩んでしまいますが、そんなときはすぐに結果を求めないようにしています。

例えば、走りたくないと思った日でも深く考えずただシューズを履き、心を“無”にして家を出て、自分の結果に必要以上に期待せずにちょっとだけ走ってみるんです。そうすると、たった10分走るつもりが、案外1時間走れたりするもの。その1時間のうちに思ってもなかったいい景色に出会えたり、すがすがしい気持ちになれたりします。期待しすぎず、やれることをひとつずつ積み重ねていくことで、思った以上に大きなゴールにたどり着けるということを知っています。だから、前を向けるのかもしれません」(岩出選手)

新しいチャレンジを恐れない強いメンタリティは、まさに走り続けるうえで岩出選手が大切にしている精神により培われているもの。
長距離界、女子アスリート界の先駆者としてこれからも第一線を走り続けて欲しいです。

岩出さんの顔写真

【取材協力】岩出玲亜選手
三重県出身。豊川高校時代に全国高校駅伝では3連覇を逃したが2位の成績を残す。
2013年実業団入りしハーフマラソンで1時間09分45秒のU20日本最高をマーク。
2014年、世界ハーフに出場して団体で銅メダルを獲得。同年の横浜国際女子で初マラソンに臨み、10代日本最高の2時間27分21秒。
2016年名古屋で自己記録を2時間24分38秒まで更新。
2017年にドーム(当時)に移籍。
2018年名古屋で日本人2位の2時間26分28秒。
2019年には国内女子マラソンタイムランキング1位を獲得し2020年9月から新たな挑戦としてフリーのプロランナーに転向。

青柳 愛

青柳 愛

フリーアナウンサー。野菜ソムリエ、日本スポーツコーチ&トレーナー協会JASCATスポーツ栄養アドバイザー。日本テレビ系列静岡第一テレビ時代に農業番組を担当したことから「食」に興味を持ち、フリーアナウンサーに転身後は、イベント司会業、アナウンス業を行いながら、スポーツ取材の経験を活かしスポーツ栄養を専門としたライター・アドバイザーとしても活動中。著書『監督たちの高校サッカー』(東洋館出版)。
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