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男子アスリートに負けない体づくりのコツ! 女子サッカー選手の食事管理法 #アス女飯
アスリート女子。彼女たちは栄養素をバランスよく摂取しながら、食事量をうまく調整して体作りを行い、競技に臨んでいます。そんなアス女の皆さんに健康的な食生活を送る秘訣を教えていただこうという企画『アス女飯』。第16弾は女子サッカーの牛島理子選手にお話を伺いました。
Contents 目次
プロアスリートのパフォーマンスを発揮するうえで大切なこと
プロアスリートのほとんどがパフォーマンスを最大限に発揮するために、自分自身で食事管理ができます。競技を続ける中で幼いころから栄養士による指導を受けた経験がある選手も多く、自然と食事による体づくりができるのでしょう。
今回ご紹介するのは女子サッカー選手・牛島理子選手(21歳)
今回のアス女飯は牛島選手と、栄養指導で関わった管理栄養士・坂元美子先生との関係にスポットを当て、牛島選手の成長期にどのような栄養指導が行われたか。また、現在プロとしてどのようにマネジメントを行なっているのかを伺いました。
スポーツに励むお子さんをお持ちの親御さんにも参考にしていただければ幸いです。
第15弾・プロチアダンサー・Marinaさんの記事はこちら。
『女の子の“憧れ”Marinaさん! バスケットボール日本代表選手を支えるプロチアリーダー ♯アス女飯』
悩みながら続けた中学時代こそプロになって活きている
牛島選手の故郷は熊本県。サッカーをしていたお兄さんの影響で小学3年生から地元チームであるFCKマリーゴールド熊本でサッカーをはじめました。当時はサッカーだけでなく水泳や体操なども行なっていた中のひとつの習いごと程度に思っていたそうですが、中学でロアッソ熊本ジュニアユースのセレクションに声をかけてもらい、合格したことをきっかけに本格的にサッカーをする決意をしたそうです。当時を振りかえってこのように話します。
「無我夢中に過ごした3年間でしたね。今でもよくやったな! と思います。男子と一緒に練習すると圧倒的に身体能力もスピードも違うのでついていくのに必死でした。負けず嫌いだったので運動量だけは負けないと思って食らいついていましたが、あまりの厳しさからサッカーを辞めようと悩んだこともありました。そこで踏みとどまれたのは、いい指導者やスタッフの人たちとの出会いがあったからですね。あの中学時代を乗り越えたことは私のサッカー人生にとって、大きな糧になっています」(牛島選手)
苦しかった牛島選手のジュニアユース時代に栄養指導として講義した経験のある神戸女子大学 健康福祉学部健康スポーツ栄養学科准教授で管理栄養士の坂元美子先生にお話を伺いました。
「ロアッソ熊本ジュニアユースに指導に行ったときにトップチームの試合を観戦し、当時中学2年生だった牛島選手が案内役に来てくれました。チーム側からは男子に混ざって厳しい練習をしていたこともあり、女子選手には特に配慮してアドバイスしてあげてほしいと言われていたので1日という短い時間ではありましたが、いろんな話をさせてもらったのを覚えています。彼女は自然体で淡々とやるべきことができる優等生タイプ。惑わされない子だという印象がありました。食事に関しても、女子は太りたくないからと食事をしっかりとらない子がいますが、彼女はしっかりとあらゆる食材を食べられる子でした」(坂元先生)
それでは成長期の女子アスリートはどのようなことに意識が必要なのでしょうか。坂元先生にお話を伺いました。
「男子より女子のほうが体の変化が早いことを意識しなければなりません。成長期の女子は特に貧血や疲労骨折に注意が必要で鉄分やカルシウムを意識的にとるといいですね。不足しているミネラルをしっかりとることは、筋肉収縮にも大きく関わるといえます」(坂元先生)
高校・日本代表ユース時代から身についたセルフマネジメント
高校は女子サッカーの名門で兵庫県にある日ノ本学園に入学しましたが、ここで同校のサッカー部の栄養指導をしていた坂元先生と再会しました。当時を振り返って牛島選手はこのように話しています。
「日ノ本学園で再び坂元先生から栄養指導を受けられると知ったときには安心感がありましたね。基本的に寮の食事でしたが、どんなところに意識して食事をするべきかを細かく教えていただけたことで、遠征や日本代表での招集があった際も自分でも考えながら食べられるようになっていました。間食はあまりとらないほうですが、小腹が減るときはお菓子は食べず、ゆで卵を食べるようにしていました。卵大好きなんです(笑)これは今も補食として続けています!」(牛島選手)
高校で再会を果たした坂元先生は、高校時代の牛島選手にどのような印象を持ったのでしょうか。
「年に3~4回、チームに対して骨密度やヘモグロビンの測定や食事調査を行っていました。牛島選手は骨密度、ヘモグロビンの数字もよかったです。食事の指導は中長期的に経過を見る必要があります。測定や食事の指導を見ながら、高校3年間でさらにアスリートとしての体づくりができるようになったと感じました。サッカーでは女子でも平均して一日3000kcal以上のエネルギーが必要ですが、牛島選手はしっかり食事をとってくれていました。
幼少期〜成長期にかけて、しっかりと栄養をとってスポーツができているかによって長い選手生命で結果を残すことができるかにつながると思います。日ノ本学園サッカー部の皆さんには豆乳をよくすすめていました。カルシウムやマグネシウムなどスポーツに必要なミネラルをとれるとともに、抗酸化成分も効率よくとれます」(坂元先生)
※抗酸化とは体でよく使う場所が炎症を起こす際、アイシングなど炎症部を冷やし酸化を防ぐだけでなく、炎症の原因になりにくい食べものをしっかりととることで酸化しにくい体づくりができるそうです。
次に、牛島選手と坂元先生のおすすめメニューを2つご紹介します。
牛島選手のおすすめレシピ
今回は、牛島選手おすすめの「牛島選手流レタス巻き」をお教えいただきました!
<材料(1人分) >
・にんじん 1/2本
・ピーマン 1個
・しいたけ 2個
・サラダ油 適量
・ひき肉 150g
・砂糖 適量
・しょうゆ 適量
・みりん 適量
・お酒 適量
・レタス
<作り方>
1.にんじん、ピーマン、しいたけをみじん切りにしておく。
2.熱したフライパンにサラダ油を適量注ぎ(1)の食材を中火で軽く炒める 。
3.野菜類に火が通ったら、ひき肉を入れて一緒に炒める 。
4. 全体に火が通ったら調味料(砂糖、しょうゆ、みりん、酒)で味つけし、味が染み込むまで軽く1分ほど煮る。
5.レタスをちぎって盛りつければ完成!
レタスに巻いて食べる際にご飯も一緒に巻いて食べると絶品だそうですよ。丼ものとしてアレンジしてもいいそうです。
管理栄養士・坂元先生のおすすめレシピ
続いて管理栄養士である坂元先生におすすめの豆乳鍋を教えてもらいました!
<材料(1人分)>
・豚薄切り肉 100g
・木綿豆腐 1/3個
・白菜 2〜3枚
・長ねぎ 1/3本
・春菊 1/4束
・しめじ 1/4個
・だし汁 200ml
・豆乳 200ml
<作り方>
1.豚肉はひと口大にカット、木綿豆腐は2センチ角、白菜はざく切り、長ねぎと春菊は2センチ幅にカットにして、しめじはほぐしておく。
2.鍋にだし汁と豆腐、白菜、長ねぎ、春菊を入れ、最後に豚肉を入れる。
3.強火で煮立ったら豆乳を加えて、ひと煮立ちしたら火を弱火にする。
(豆乳を加えてから煮立たせると、豆乳が分離してしまうので注意)
具材を食べたあとの煮汁はご飯を加えて雑炊にするとリゾット風に。チーズを加えるとさらに栄養も豊富になるのでアレンジしてもおすすめだそうです。味つけはこれだけでもいいそうが、お好みで白だしやしょうゆ、七味やゆずこしょうでアクセントを加えてもおいしいそうです!
2021年秋、WEリーグ開幕!牛島選手の想い
最後に新年を迎えて、今年どのような想いでプレーしたいかを伺いました。
「サッカーがしたいと想う女子選手が憧れるような選手になりたいですね。私自身が、2011年に開催されたサッカー女子ワールドカップで日本が優勝した試合を観て、私もあの場所にいつか立ちたいという夢を持ちながらサッカーを続けてきました。当時から鮫島彩選手が好きだったのですが、今は同じINAC神戸のチームで一緒にプレイしていると思うと感慨深いです。憧れの選手や目指したい場所があったから、ここまでがんばれたんです。自分自身もそんな存在になれたらと思います。
いよいよ今年、WEリーグ(2021年9月より日本国内で行われる予定の、女子サッカーのプロリーグ)も開幕します。もっと女子サッカーの魅力を知ってもらえるといいなと思っています。去年はほとんど今まで経験してこなかったケガに悩まされた年でしたが、だからこそ自分のサッカーへの愛がわかった年でした。2021年は悔しかったぶん、サッカー愛を思い切りぶつけてプレーして女子サッカーの魅力をひとりでも多くの人に知っていただきたいです!」(牛島選手)
試合でぜひ臨場感を味わったり、女子ならではのひたむきなプレーを感じてもらえれば、また違った観戦の楽しみ方ができるかもしれませんね。
今年秋、女子のプロサッカーリーグ『WEリーグ』が開幕します。
女子選手が、もっと輝く時代に!
女子サッカー界の次世代を担う牛島選手の活躍にご期待ください。
【取材協力】牛島理子選手
INAC神戸レオネッサ所属プロサッカー選手・熊本県出身。
FCK MARRY GOLD KUMAMOTO レディース → ロアッソ熊本ジュニアユース → 日ノ本学園高等学校 → INAC神戸レオネッサ。
2015年U–16日本代表初招集。その後U-19日本代表ではキャプテンに。UAFCU-19女子選手権出場、2018年にはU-20日本女子代表FIFA U-20女子ワールドカップ2018フランス大会で悲願の優勝経験。
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