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オレンジ色のマスクをした女性

新型コロナウイルス感染症の広がりにより、日常でのマスク着用が欠かせなくなりました。でも、毎日マスクをするようになって、口臭や口の渇きなどが気になっていませんか? 『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム)の著書がある歯科医の照山裕子先生に、マスク着用で気になるお口のトラブルについてうかがいました。

監修
照山 裕子

みんなが気になっているトラブルは、口臭?

口もとを覆う女性の画像

毎日、マスクをするようになって、自分の息のニオイが気になり始めた、という人もいるかもしれません。そもそも、口臭の原因は何でしょうか。
「歯周病や虫歯でも口臭は起こりますが、原因としていちばん多いのは、舌苔(ぜったい)という舌の白い付着物によるものです。舌苔は、舌から剥がれ落ちた古い細胞や食べかすがたまったもので、口の中の悪玉菌は、この古い細胞や食べかすをエサに増えていきます。そして、悪玉菌がエサを分解するときに発生する揮発性のガスが口臭のもとになります」

舌の汚れによる口臭対策は、舌みがきが効果的です。
「やり方はとてもカンタンです。ガーゼなどのやわらかい布を人さし指に巻いて、やさしくぬぐいましょう。舌みがき専用の舌ブラシを使ってもOKです。舌苔をぬぐうときに、強くこすったり、歯ブラシでゴシゴシこするのはNGです。舌の表面が傷ついて炎症を起こし、かえって口臭がきつくなることも。また、味覚を感じる味蕾(みらい)が傷つき、味覚障害を起こすことがあります」

【舌みがきのやり方】
(1)ガーゼや不織布などのやわらかい布を人さし指に巻く。
(2)舌を出して、鏡を見ながら、舌苔を舌の奥から前方へ2~3回やさしくぬぐう。右半分、左半分と分けて行うとぬぐい忘れがない。

下みがき写真とイラスト画像

舌みがきは、口臭の改善に効果があるほか、口の中に残った食べかすや悪玉菌を減らして、ウイルスや細菌による感染症の予防にもなります。ブクブクうがいを併用すると、より効果的です。
※「ブクブクうがい」のやり方は、この記事の最後に動画で見ることができます。

マスクで口が渇くのは、口で呼吸しているから?

マスクをして顔をしかめる女性画像

マスク着用で、口の乾燥が気になったら、口呼吸になっているせいかもしれません。
「長い時間マスクをつけていると、息苦しさから、くちびるが開いて口呼吸になりがちです」と照山先生は注意を促します。診察のため、マスク着用には慣れている先生でさえ、長時間のマスク着用で、「あっ、口呼吸になっているかも」と気づくことがあるそうです。

呼吸ができるなら、口からでも鼻からでもいいのでは? と思うかもしれませんが、口呼吸になると、「感染症にかかりやすくなり、新型コロナウイルス感染のリスクも高まってしまいます」と照山先生は、注意を促します。

「本来、人間は鼻呼吸です。鼻には、吸い込んだほこりやウイルス、細菌などの異物を吸着・除去する機能があり、異物の7割はカットできるといわれています。鼻毛もフィルターの役目を果たしているので、過度に抜いてはいけません。口呼吸になると、この異物を除去する機能が使えないため、有害物質をダイレクトにとり込んでしまい、ウイルス感染のリスクも高くなります。実際、ある小学校で鼻呼吸を指導したところ、インフルエンザが激減したという報告もあります」

さらに、口の中で唾液が乾くことで、歯周病や虫歯にもなりやすくなるそうです。
「食事のたびに歯の表面のミネラル分が失われています。しかし、唾液がミネラル分を補う“再石灰化作用”により、歯が修復されているのです。口呼吸で唾液が乾いてしまうと、こうしたメリットが期待できず、特に前歯に虫歯ができやすくなります。また、唾液の殺菌作用も十分に働かなくなるため、歯周病のリスクも高まります」

子どもの頃から口呼吸の人は、歯並びが悪い、前歯が虫歯になりやすい、歯周病の進行が速いなど、「すでに何らかの影響が出ている」と照山先生は言います。

下の項目をチェックしてみましょう。ひとつでもあてはまることがあれば、口呼吸かもしれません。

□アレルギー等で、鼻がつまりやすい
□前歯に虫歯ができやすい
□前歯に口紅がつきやすい
□くちびるが乾燥して、出血しやすい
□口やのどが渇きやすい
□よくのどが腫れる
□気づくと、口が開いている
□口臭が気になる

では、口呼吸を改善するには、どうしたらいいのでしょうか。
「鼻から息を吸うように意識しましょう。アレルギー等で鼻がつまりやすい人は、まずは耳鼻科で治療を受けることも大切です。また、口呼吸になってしまうのは、口の周りの筋肉が弱く、くちびるを閉じていられないことも原因です。ブクブクうがいによって、口の筋肉を鍛えることも有効です」

※ブクブクうがいのやり方は、下記リンクから見られます。

長時間マスクを着用していると陥りやすい口呼吸。思い当たる節があったら、今日から鼻呼吸を意識してみましょう。

取材・文/海老根祐子  イラスト/黒川ゆかり

照山 裕子

照山 裕子

歯学博士。厚生労働省歯科医師臨床研修指導医。日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。世界でも専門家が少ない「顎顔面補綴」を専攻し、日本大学歯学部付属歯科病院、東京医科歯科大学歯学部附属病院で積んだ臨床経験から予防医学の重要性を提唱する。「日本人の口腔ケアへの意識を変えるにはどうしたらいいのか?」という課題の答えのひとつとして考案、推奨している「毒出しうがい」が書籍化され、13万部のベストセラーに。現在は都内歯科クリニックにて診療を続ける傍ら、テレビ・ラジオなどのメディアにも多数出演。『日経woman』のオフィシャルアンバサダーも務める。

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