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CATEGORY : ヘルスケア |不調

疲れやストレスをアロマで解消! 選び方&使い方は? プロが教える「香り」の力

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テーブルの上に置かれたアロマオイルとキャンドル

新しい生活様式がスタートし、感染対策に気を使いながらの毎日はストレスもたまりがち。そんなときは植物の香りの力をとり入れて心の疲れを癒してみませんか? アロマテラピーでおうち時間を充実させる方法をご紹介する企画。初回は香り初心者向けに、アロマテラピーの基礎知識をアロマライフデザイナーの小田ゆきさんにお聞きしました! 「最近疲れがたまっている」「心や体の調子を整えたい」と思っている人は、アロマをとり入れた生活を始めてみませんか?

監修 : 小田 ゆき (アロマライフデザイナー)

アロマテラピーやメディカルハーブを学び「アロマで暮らしをもっと“ステキ”に」がコンセプトのWebマガジン「AROMA LIFESTYLE」を主宰。アロマを楽しむためのアイデアや心地よい毎日を過ごすための情報を発信中。
・NARD JAPAN認定アロマ・アドバイザー
・日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト
・日本アロマテラピー環境協会ナチュラルビューティスタイリスト
・Webマガジン「AROMA LIFESTYLE」:https://aromalifestyle.tokyo
・YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC0fel9fma6YY2EanMR14dMw/

Contents 目次

アロマテラピーの効果とは?

アロマオイルと植物

アロマテラピーは「植物の香りを利用した自然療法」です。でも、そう聞くとなんだかちょっと難しそう…と感じる人もいるかもしれません。そこで、「そもそもアロマテラピーって何?」「これからアロマテラピーをはじめてみたい!」という人に向けて、まずはアロマテラピーの効果について小田さんにお聞きしました。

「私が最初にアロマテラピーに興味を持ったのは、まだ会社員だったころに仕事で疲れて帰宅したときに入れた、1杯のハーブティーがきっかけです。カップから立ち上るハーブの香りに、心から癒されてリフレッシュできたのです。植物の香りには、癒しのパワーがあると確信した瞬間でした。

アロマテラピーは植物の香りを使った健康法です。ハーブティーの香りをかいで癒されることも、ゆず湯に入ったり、森林浴で木々の香りでリラックスしたりすることもアロマテラピーの1種と言えます。そう考えると、とっても身近に感じませんか?」(アロマライフデザイナー・小田ゆきさん)

ハーブティーの香りをかぐ女性

では、植物の香りで健康になれるとは、いったいどんな仕組みなのでしょうか?

「アロマテラピーには、香りをかぐ方法と、肌につける方法の主に2つがあります。香りをかいだ場合は、香りの成分が鼻から体内にとり込まれ、電気信号に置き換えられて脳の「大脳辺縁系」に伝わります。大脳辺縁系は感情や食欲、性欲など、人間の本能をつかさどる部分なので、疲れた気分がリフレッシュしたり、元気になったり、という反応が瞬時に起こります。

また、私たちが痛みを感じたときには、その刺激が脳に伝わるのに0.9秒程度かかると言われます。それに対して、香りの刺激はわずか0.2秒以下で脳に伝わるのです。香りをかいだ瞬間に昔の思い出がよみがえる、といった体験は、このような反応の速さによって起こっています。

オイルを使ったマッサージを受ける女性

そして、大脳辺縁系に伝わった香りの情報は視床下部というところにも伝わり、自律神経やホルモンの分泌、免疫機能などに働きかけます。精神的な疲れやストレスを和らげるのはもちろん、ホルモンバランスを整えたり、脳の働きを活性化したりして、認知症の予防改善効果をもたらすなど、心や体の調子を整えることができるのです。

アロマオイルは、ホホバオイルなどに混ぜて適切に濃度を薄めることで、肌につけることもできます。また、アロマオイルに含まれる芳香成分の分子量はとても小さいので、肌から吸収されやすく、肩こりむくみ冷えなどのさまざまな悩みの解消にも役立ちますよ!」(小田さん)

今、ちょっとした不調ではなかなか病院に行きづらいと感じる人も多いと思いますが、アロマオイルをじょうずに使いこなすことで、病院に行くほどではないようなちょっとしたトラブルを自分で手軽にケアすることもできます。しかも、香りの心理的な効果には即効性が期待できるというのも魅力的です。疲れた日や仕事で集中したいときなどに、アロマオイルをとり入れてみてはいかがでしょう?

アロマオイルを選ぶときのポイント

アロマの香りをかぐ女性

アロマテラピーの必須アイテムであるアロマオイルは、植物から抽出した香りのエッセンスです。何百種類もあるそうですが、どうやって選べばいいのでしょう?

1.100%天然の「精油」を選ぶ

まず大前提として、アロマオイルを選ぶときにいちばん重要なポイントは、その成分が100%天然の「精油」であることです。最近では類似品や粗悪品も出回っており、100円ショップの合成のアロマオイルをお風呂に入れたり、虫除けに使ったり、間違い&危険な使い方をしている人が増えています。アロマテラピーを安全・効果的に楽しむためにも、品質の確かな精油を使うようにしましょう。

2.自分の好みの香りを選ぶ

香りには好みもあるので、たとえ効果のある香りであっても嫌いな香りをかぐことは、かえってストレスになってしまいます。自分の好きな香りを選ぶために、まずは自分で香りを体験するのがファーストステップです。アロマオイルの専門店を探して、実際に自分でアロマオイルをかいでみましょう!

3.ラベルの表示で必ず学名を確認

アロマオイルは同じような名前でも、原料となる植物の品種が異なる場合があります。たとえばラベンダーの場合、「真正ラベンダー」「ラバンジン」「スパイクラベンダー」などがありますが、品種が違うと香りや刺激性、期待できる効果が異なります
参考までに、「真正ラベンダー」は適切に使えば子どもやお年寄りにも安全ですが、「スパイクラベンダー」はケトン類という刺激性のある成分を多く含んでいるため、子どもや妊婦さん、高齢者には注意が必要です。
間違って購入しないように、ラベルの表示で学名を確認しましょう。
※天然のアロマオイルには必ず原料となる植物の学名も書かれています。

4.オーガニックのアロマオイルがおすすめ

さまざまなメーカーのアロマオイルがありますが、やはりオーガニックのアロマオイルには香りに深みや力強さが感じられ、植物の本来の香りを楽しむことができるのでおすすめです。とくにマッサージオイルなど肌につける場合は、なるべくオーガニックのアロマオイルを選ぶようにしましょう。

初心者におすすめのアロマオイル5選

いろいろな種類のあるアロマオイル。さっそく使ってみたいけれど、「どれを買えばいいのかわからない」「アロマオイルを初めて使う」という人も多いはず。そこで、そんな初心者の人におすすめの香りを5つ厳選してご紹介します!

1.ラベンダー

ラベンダー

「アロマといったらまずはラベンダー」と言えるほど、万能なオイルです。やわらかくやさしい香りで緊張をときほぐし、自律神経を整えるので、安眠効果やリラックスにバツグン。一般的にラベンダーのアロマオイルと言うと「真正ラベンダー」のことを指します。ラベンダーは種類が多いので、ラベルなどの表示で真正ラベンダー(学名: Lavandula angustifolia(Lavandula officinalis) )であることを確認しましょう。

2.オレンジスイート

オレンジスイート

まるでオレンジをむいたように甘い香りなので、親しみやすく使いやすいアロマオイルです。ストレス緊張を感じたときや眠れないときにおすすめ。

3.ユーカリ

ユーカリ

ツンと鼻に抜けるような清涼感のある香りは、リフレッシュしたいときや風邪花粉症のときにおすすめです。ユーカリのアロマオイルはたくさんの種類があり、中でも「ユーカリ・グロブルス」がポピュラーですが、「ユーカリ・ラディア―タ」を選ぶと、よりマイルドな香りを楽しめます。

4.ヒノキ

ヒノキ

日本人になじみのあるヒノキは、さわやかな森の香りです。癒し効果が高いので、疲労回復にぴったり。防虫効果消臭効果もあるので、アロマスプレーにして使うのもおすすめです。

5.ゼラニウム

ゼラニウム

ゼラニウムは葉から抽出されるアロマオイルですが、ローズに似た華やかさのある香りが人気です。女性ホルモンの働きをサポートしてくれるので、生理前のPMSがツラい人や更年期の女性にもおすすめ。

「この5つは用途の幅広さ香りの親しみやすさの点で、初心者さんでもとり入れやすいアロマオイルです。実際に手にとって香りをかぎ、自分の好きな香りかどうかを確認してみてくださいね」(小田さん)

簡単にはじめられる! アロマの香りの楽しみ方

最後に、自分の好きなアロマオイルを選んだら、どのように使えばいいかをお聞きしました。

コットンにつけたアロマオイルの香りをかぐ女性

「もっとも簡単なのは、ティッシュやコットン、ハンカチに1~2滴たらして近くに置いて香りを楽しむ方法です。寝る前に枕もとに置いたり、外出時にバッグやポケットに入れたりしておけば、香りを身にまとうようにして楽しむことができます」

部屋に置かれたアロマディフューザー

アロマオイルの香りを空間に広げるなら、専用のアロマディフューザーを使いましょう。ミストとなって香りが広がる超音波式や、水を使わないネブライザー式や気化式など、さまざまな種類があります。リビングなど、お部屋で家族も一緒に楽しみたいときはアロマディフューザーを用意するといいですね。

また、このような方法でアロマオイルを使うときの注意点として、布や木製製品にアロマオイルがつくとシミになることがあるので、注意しましょう。ハンカチは汚れてもいいものを用意してくださいね。机などに置くときは、小皿などの受け皿があると安心です!」(小田さん)

このほかにもアロマオイルのさまざまな楽しみ方を教えていただきました。今後の記事でさらに詳しくお伝えしますので、お楽しみに!

取材・文/ 牧内夕子

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