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診療風景

早期発見・早期治療がカギの乳がん。今回はセルフチェックと検診のポイントについて、昭和大学医学部乳腺外科教授の明石定子先生に教えていただきました。

監修
明石 定子

月1回はセルフチェック!

乳がんは、自分で見つけることができるがんです。まずはセルフチェックを習慣化しましょう。

「生理がある人であれば、生理開始後10日目ぐらいに行うのがオススメです。というのも、生理前はどうしても乳房が張ってしまい、張りなのかしこりなのか判断しにくいからです。また、閉経後の人であれば、自分の誕生日など覚えやすい日にちを決めて毎月行うといいでしょう」(明石先生)

〈セルフチェックの方法〉

(1) 両腕を下げた状態と上げた状態で、くぼみやひきつれ、乳首のへこみ、湿疹のようなただれがないかチェックする。

(2) 乳房が胸の上に平均に平らになるように仰向けに寝て、指の腹で圧迫しながら乳房やわきの下にしこりがないかチェックする。(乳房の内側を調べるときは腕を頭の下へ。外側を調べるときは腕を下げる)

(3)乳首を軽くつまんだとき、血のような液体が出ていないかチェックする。

前回お伝えしたように、しこりには良性と悪性があり、その「かたさ」がポイントになります。

「目安は“石のようなかたさ”かどうかです。石のようにかたければがんが疑われるので、早めに医療機関を受診しましょう。ただ、セルフチェックで異常がなかったからといって安心してしまうのも危険です。セルフチェックで発見できるのはステージⅡ〜Ⅲに当たる2〜5㎝くらいのしこりが多いためです。もちろん、それでも手遅れというわけではありませんが、定期的な医療機関での検診も併せ、早い段階で発見につなげることが大切。しこりなどの病変が見つかった場合は、さらなる検査で良性か悪性かを見極めます」

30代までは超音波、40代以上はマンモグラフィを推奨

超音波検査 

乳がんの主な検査には超音波検査(エコー)とマンモグラフィ検査があります。

●超音波検査…乳房に超音波を当ててその反射波による画像から、乳房内にしこりがないかを調べる。
●マンモグラグラフィ検査…乳房をX線撮影する。乳房全体の状態を調べるのに適しており、しこりや石灰化(乳腺の中にカルシムが沈着した状態)があると白く写る。

明石先生によると、20~30代の若い世代は超音波、40代からはマンモグラフィも適しているといいます。

「マンモグラフィは乳腺も白く写るため、脂肪より乳腺の比率が多い20~30代の若い世代の場合、乳房全体が白く写ってしまい、しこりとの判別が難しい場合があります。そのため、30代までは超音波検査をメインに受けるとよいでしょう。マンモグラフィ検査を受けるとするならば、30代の人は5年に1回で十分。40代からは2年に1回程度、受けることをおすすめしています」

乳がんを見逃してしまう落とし穴! 「デンスブレスト」とは?

デンスプレストのマンモグラフィ画像
乳がんを模した星状の印(一番左)が高濃度乳房では、乳腺組織が白く映ることによって見えにくくなっている(一番右)

早期発見に必須の乳がん検診ですが、近年、「デンスブレスト」という病態が、がんを見落としてしまう原因になるとして、問題視されています。

デンスブレストとはマンモグラフィ上の「高濃度乳房」のことで、乳房内の乳腺組織の割合が高い状態をいいます。乳房内の脂肪が少なくやせ型の人に多いとされ、日本人を含むアジア人に多く見られます。

「デンスブレストの人は脂肪より乳腺の割合が多い若い世代同様、マンモグラフィ検査で撮影したときに乳腺組織が白く写るため、万が一、がんがあったとしても埋もれてしまい、見つけにくいという問題があります。マンモグラフィ検査で異常なしという結果が出ても、超音波検査でしこりが見つかる事例があるため、超音波検査は毎年受けて、2つの検査を併用していくのがベストです。デンスブレストは体質なので一喜一憂する必要はありませんが、デンスブレストの人は乳がんリスクが高くなることもわかっているので、検診の際に自分がデンスブレストかどうかを把握しておくことは必要です」

乳がんの場合、早期に発見し、すぐに適切な治療を始めれば、9割の人が治るといわれています。しかし、平成28年国民生活基礎調査によると、検診受診率は44.9%と低く、半数以下にとどまっているのが実情です。早期発見につなげるためにも、セルフチェックと併せて必ず検診を受けましょう。

次回は、乳がんの要因のひとつ「遺伝」の影響と「遺伝性乳がん」の特徴についてお伝えします。

イラスト/森 千章  取材・文/浜津樹里

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明石 定子

明石 定子

昭和大学医学部乳腺外科教授。1990年東京大学医学部医学科卒業。同大学医学部附属病院第三外科、国立がん研究センター中央病院外科などに勤務後、昭和大学病院乳腺外科准教授を経て、2019年より現職。日本外科学会指導医・専門医、日本乳癌学会乳腺専門医・指導医・理事、検診マンモグラフィ読影認定医師。

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