FYTTE読者のあいだでもとても関心の高い「オーラルケア」。最近では、ケアグッズがとても充実してたり、感染対策と口腔内の関連にも注目が集まっています。さまざまなグッズを使って丁寧にケアをしている女性も増えていて、とてもいいこと!と思うのですが…。「ケアに一生懸命なのはいいけれど、じつは間違ったケアをしている人が多くて、もったいない!」と訴えるのが、歯学博士の照山裕子先生。そこで今回はオーラルケアの重要性と基本の歯磨きについて、照山先生に教えていただきました。
Contents 目次
オーラルケアの基本は歯磨き。正しい歯磨きとは?
オーラルケアの主役は、歯磨きを中心としたセルフケアです。正しい歯磨きについて出題します。さて、どれぐらい答えられるでしょう?
1.1日のうちいちばん重視すべきは、どのタイミング?
□食後すぐ
□朝起きたら
□夜寝る前
→正解は「夜寝る前」
2.歯医者さんが薦めるのは、どんな磨き方?
□タテ磨き
□ヨコ磨き
□円を描くように磨く
→正解は「ヨコ磨き」
3.歯周ケアで磨くべきところは、どこ?
□歯の表面
□歯ぐき
□歯周ポケット
→「歯周ポケット」
4.歯磨きの力加減は?
□シャカシャカ音を立てて力強く
□音を立てず、こする程度
□歯みがき剤が泡立つぐらいの強さで
→正解は「音を立てず、こする程度」
5.歯ブラシを選ぶポイントで、正しくないものは?
□ヨコ磨きができる電動歯ブラシ
□顎のサイズにあったヘッドの歯ブラシ
□歯ブラシなら、どれでもよい
→正解は「歯ブラシなら、どれでもよい」
オーラルケアの重要性が見直されています。日本では30代以上の約7割が歯周病といわれ、もはや国民病といってもいいくらい。決して人ごとではないのです。
歯周ケアには、歯科医師、歯科衛生士などプロによる定期的なクリーニングが必要です。しかし、「プロケアをうけられるのは、日常生活においてはほんのわずかな時間にすぎません。歯周ケアの主治医は自分自身。セルフケアをしっかり行っていきましょう」と照山先生はアドバイスします。
歯周ケアの基本は、歯磨きです。ところが、「診察にあたっていると、歯磨きが上手にできる人は少ないと感じます。歯の表面はきれいでも、歯周ポケットの汚れがとれていないことが多いですね」と照山先生は指摘します。
そもそも歯磨きとは、歯の表面に加え、歯周ポケットの汚れをとることが目的。照山先生は小刻みなヨコ磨きを推奨しています。まず、正しい歯磨きをおさらいしてみましょう。
□歯磨きのポイント
①歯ブラシの柄は、ヘッドの近くを鉛筆のよう持ちます。
②毛先を歯周ポケットに対して45度内側に傾けて当てます。
③一本ずつ磨くように、音をたてず、小刻みにヨコに動かします。
皆さん、正しく磨けているでしょうか?
「歯周ポケットから汚れをかきだすようなイメージで、歯ブラシを動かしましょう。歯ブラシを小刻みに動かしていると、手首からひじにかけてだるさを感じますが、それこそがじょうずに磨けている証拠です。シャカシャカという音がしたら、強くこすり過ぎです。また、利き手の歯の内側は磨きにくく、汚れが残りやすい箇所です。磨き残しがないように、きちんと鏡を見ながら磨いたり、最近では歯磨きアプリなどもあるので活用するといいですね」
子どもの頃から、「歯磨きは1日3回、食後に」と教わってきた人も多いかもしれません。「でも最近では、歯の磨きすぎで知覚過敏になったり、歯ぐきを傷めることもあることから、しっかりていねいに磨くのは1日1回でOKと指導しています」と照山先生。
「しっかり磨きたいのは、夜寝る前のタイミング。睡眠中は、唾液が少なくなることで、菌が増殖しやすくなるからです。さらに、歯間の汚れを取るフロスと舌磨きもプラスしたいですね。舌の上も菌が存在しやすい場所です。歯ブラシで舌をゴシゴシこすらず、舌ブラシか、ガーゼを指にまきつけて、舌をやさしくなでます。仕上げに、ぶくぶくうがいで口の中をすすぎましょう」
照山先生も「1日1回しっかり磨く」を実践しているそうです。
「朝は爽快感のある歯磨き剤と普通の歯ブラシで軽く磨き、長い休息がとれないお昼の時間帯はフロスとぶくぶくうがいで済ませることも。その分、夜は入浴時に湯船につかって、テレビをみながら、電動歯ブラシでしっかり、ていねいに磨いていますよ」
歯ブラシ選びのポイントは? 電動歯ブラシはどう使う?
正しい歯磨きをするには、歯ブラシの選び方も大切です。ドラッグストアなどで、「なんとなく」選んでいる人も多いのではないでしょうか。歯ブラシ選びのポイントについて、照山先生は次のように話します。
「重視したいのは、歯ブラシのヘッドです。自分の歯のサイズに合っていることが大切で、女性には、小さめのヘッドがおすすめです。目安はブラシの幅が自分の親指の爪の幅くらいのもの。かなり小さめだということがわかると思います」
手磨きでうまくヨコ磨きができない場合は、「電動歯ブラシもおすすめ」と照山先生はアドバイス。先生ご自身もしっかり磨きたい夜には、電動歯ブラシを愛用。「磨いた後、汚れが落ちていることを実感できる」と言います。
「電動歯ブラシは、当てるだけで、機械が手磨きの動きを代替してくれます。特に歯並びが乱れている方は、歯が重なっている部分など、手磨きでは汚れが落としにくい部分にも、電動歯ブラシが効果的です。歯磨き剤で、口の中が泡だらけになってしまうと、かえって磨きにくくなるので、歯磨き剤は、泡立ちが抑えられるジェルがおすすめです。使う際に注意したいのは、自分で歯ブラシを動かさないこと。余計な力が加わり、電動歯ブラシの良さが発揮されず、かえって歯や歯ぐきを傷める原因になってしまいます。効果を最大限に発揮させるためにも、正しく使うことも大切です」
モデルチェンジした音波振動ブラシ「Doltz(ドルツ)」最新機種のポイントは?
音波振動でおなじみの電動歯ブラシ「Doltz(ドルツ)」が、歯周ケアにうれしい新しい機能を備えて、登場しました。Doltz(ドルツ)の新機能を紹介します。
【歯科医師推奨の磨き方*ができる】
新しいDoltz(ドルツ)は、二つのモーターを搭載。「ヨコ振動」と「タタキ振動」という独自の「W音波振動(※1)」で、歯周ポケットと歯間の汚れに立体的にアプローチします。ヨコ振動とは、ヨコ方向への細かなリニア音波振動(※2)(約31,000ブラシストローク/分)で、歯科医師が推奨する*ヨコ磨きを再現して、歯周ポケットの汚れをかき出します。細さ約0.02mmの極細毛ブラシも、歯周ポケットにしっかり届く秘密です。電動歯ブラシで、ヨコ磨きができるのは、日本ではDoltz(ドルツ)だけです(※3)。もうひとつのタタキ振動は、上下に発生する音波振動(約12,000ブラシストローク/分)で、歯間部の汚れに立体的にアプローチし、歯垢をしっかりと除去します。
【ヘッドが薄く、ネックが細い新ブラシ(※4)】
従来製品よりも、ブラシ部のヘッドとネックがぐんと薄く、細くなり、磨きにくい奥歯までしっかり届きます。これによって、奥歯の歯周ポケットにもあてやすくなり、いっそう磨きやすくなりました。ヘッドはコンパクトサイズ、ラージサイズの2種類から選べます。
【アプリと連動。正しい磨き方がチェックできる】
Bluetooth®搭載モデルなら、ドルツアプリ(※5)をスマートフォンにダウンロードすることで、専門家監修「歯磨きレッスン動画(※6)」を見ながら、歯磨きができます。磨き残しの多い部分が把握でき、磨き残しを減らします。スマホ画面で、自分の磨き方との比較ができるため、磨きポイントが簡単にわかります。さらに、ブラシの動きをリアルタイムにフィードバックして、押し付け過ぎを知らせてくれます。また、歯ぐきの状態に合わせてよりやさしく磨けるカスタマイズコースを自動作成します。
* バス法、スクラビング法。歯科医師431名の87%が推奨(2018年度3月調査実施。パナソニック調べ)
※1 音波領域内での、ヨコ31,000、タタキ12,000ブラシストローク/分の振動。
※2 音波領域内での振動。
※3 充電式電動歯ブラシにおいて。EW-DM62及びOEM製品を除く(2020年7月20日現在 パナソニック調べ)
※4 EW0860を除く。
※5 ご使用前にお使いのスマートフォンのバージョンが、スマートフォンOS: iOS(iPhone など)11.0以上/Android ™ 6.0 以上、 Bluetooth®:4.2以上であることを確認ください(2020年7月現在)。なお、ドルツアプリの内容は予告なく変更・削除されることがあります。
※6 Bluetooth®非搭載機種ではスマートフォンのマイクや音声の機能設定を許可すると、本体の振動音をアプリが認識して「磨き方レッスン動画」が起動します。
撮影/我妻慶一 スタイリング/井口美穂 イラスト/中村奈々子 取材・文/海老根祐子
提供/パナソニック