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    ひたいの「赤外線体温計」はあくまで参考に。海外研究で指摘された問題点とは?

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ひたいにスキャナーを近づけ体温を測る様子

新型コロナウイルス感染症の可能性を調べるために、店舗などでひたいにスキャナーを当てて体温を測定することが増えています。熱がなければ入店が可能になる仕組み。海外の研究によると、赤外線体温計を使った検査ではうまく感染者を拾い上げられない可能性もあると指摘されています。


発熱を調べるためのスキャナーの効果は?

熱を調べるスキャナー

新型コロナウイルス感染症になると、熱が出る人が多いのはたしか。感染の可能性を調べるために、非接触のスキャナー、非接触赤外線体温計がよく使われています。ひたいの近くの温度を簡単に測定できるので利便性の高さが受け入れられています。

米国では、医師の診察を受ける必要があるかどうかを判断するガイドラインで、体温を測ることが重要とされています。このなかでもひたいの近くを非接触赤外線体温計で測るときには、医療機関以外では38℃以上、医療機関では37.8℃以上である場合に、診察が必要であると見なされるようになっていると説明しています。

このたび米国、ジョンズホプキンス大学などの研究者は、こうした体温測定の意味があるのかについて見解を寄せています。ここで示されているのは、非接触赤外線体温計による体温測定は効果的ではないとの考え。ひたいで調べる方法では、実際の体の内部の温度と近くないと説明。正しく体温を把握できないのが問題だといいます。

体温からは感染がほとんどわからない

インフルエンザ

さらにこれまでの研究を整理した結果からも、非接触赤外線体温計の意味はあまりなさそうだと指摘しています。いくつかデータを示していますが、たとえば、そのひとつでは、非接触赤外線体温計により8万5000人近くについて感染の可能性が拾い上げられたものの、その後にウイルス陽性とわかったのが1人にすぎなかったという結果が報告されたと説明。逆に新型コロナウイルス感染症に似た症状を見せていた278人のうち、発熱の測定値が感染の可能性の基準を満たしたのはわずか47人にすぎず、17%に過ぎなかった点も指摘しています。

ジョンズホプキンス大学などの研究者は、発熱時にひたいから熱を放出しようとして、ひたいの熱が下がっていたり、逆に、熱が下がっているのに、ひたいの熱が高かったりする場合もあると説明。いずれにせよ、非接触赤外線体温計は頼りないという見解を示します。

日本国内では、体温測定するときに基準が引かれるのは、38℃付近よりも低い体温となっているのが一般的ですが、 非接触体温検査で問題なしと判定されても参考として、体調が悪いならば、適切な相談をするのが大切といえるのでしょう。

<参考文献>

Covid-19 Story Tip: Physicians Say Non-Contact Infrared Thermometers Fall Short As COVID-19 Screeners
https://www.hopkinsmedicine.org/news/newsroom/news-releases/covid-19-story-tip-physicians-say-non-contact-infrared-thermometers-fall-short-as-covid-19-screeners

William F Wright, DO, MPH, Philip A Mackowiak, MD, MACP, Why Temperature Screening for COVID-19 with Non-Contact Infrared Thermometers Doesn’t Work, Open Forum Infectious Diseases, , ofaa603, https://doi.org/10.1093/ofid/ofaa603
https://academic.oup.com/ofid/advance-article/doi/10.1093/ofid/ofaa603/6032722

星 良孝 <ステラ・メディックス>

星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長/編集者 獣医師  専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修をサポートしている。代表取締役の星良孝は、東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。https://stellamedix.jp

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