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新型コロナの家庭内感染を防ぐには? 海外研究で報告された注意点とは

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室内で消毒ジェルを手に出す女性

長期化している新型コロナウイルス感染症の問題。ワクチン接種が世界で開始されるなど改善の兆しもありますが、マスクをするなどの日常生活の影響は当面続きそうです。このたび海外の研究で、問題のひとつとなる家庭内感染がどのように起こるのかが報告されました。ふだんの生活における注意点は何でしょうか。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

家庭内の感染対策は何ができる?

ドアノブを消毒する様子

新型コロナウイルス感染症の対策として、マスクをしたり、人との距離を置いたりすることが広く実践されています。人と接しなければウイルスがうつる可能性は大きく減らせるとはっきりしてきました。

そうしたなかで、注意すべきだと考えられているのが家庭内感染。自宅外でもらったウイルスを家庭内に持ち込んで感染を広げることから、二次的な感染ともいわれます。世界保健機関(WHO)などが調べたところ、海外では半数程度が家庭内感染で感染が広まっているという結果も出ています。家のなかではなかなかお互いに距離を保つのは難しくなります。どうすれば、こうした二次的な感染を防ぐことができるのでしょうか。

そこで米国フロリダ大学などの研究グループは、これまで世界で報告されている家庭内感染を調べた54件の研究を分析。7万人を超える人々のデータに基づいて、家庭内感染がどれくらいの可能性で起こるのか、どんな人にうつりやすいかなどを分析しました。

症状が見られるときに要注意

マスクをして会話する家族

こうしてわかったのが、新型コロナウイルス感染症になった人が家庭にいる場合にどれくらいの可能性で二次的な感染が起こるのかということ。具体的には、家庭内感染が起こる可能性は16.6%でした。症状がない場合は0.7%であるのに対して、症状がある場合は18.0%。二次的な感染が起こるかどうかについて、症状の有無は重要だという結果です。

このほか、子どもよりも大人が接触した場合のほうが二次的な感染は起こりやすいこともわかりました。また、配偶者同士、1対1の接触であるほうが、感染が起こりやすくなっていました。研究グループはこうした結果を受けて、家庭内では三密状態になりやすく、互いに会話する機会も多いことから、親密な関係があるときには、感染が起きるケースが少なくないと指摘。感染が疑われるときには、互いの接触を避けるような配慮をすることが重要ではないかと指摘しています。体調が崩れたときなど、参考にするとよいかもしれません。

<参考文献>

Madewell ZJ, Yang Y, Longini IM, Halloran ME, Dean NE. Household Transmission of SARS-CoV-2: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Netw Open. 2020;3(12):e2031756. doi:10.1001/jamanetworkopen.2020.31756
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2774102

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