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    “体質だから…”とあきらめないで! 花粉症を軽減するために食べるべきもの10選

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くしゃみをしそうな女性の画像

本格的な花粉シーズンがやってきました。花粉症を部屋に入れない、肌につけないといった努力はもちろん必要ですが、じつは体内の免疫バランスや自律神経を整えることで、症状を緩和させることができるそう。花粉症や免疫バランスに詳しい医師の日比野佐和子先生に教えていただきました。


花粉症とは何?

スギ花粉画像

花粉症とは、鼻腔内や目の粘膜に付着した、スギなどの植物の花粉に対する免疫反応によって、くしゃみ、かゆみ、鼻水が出る、涙が出るなどのアレルギー症状が引き起こされることです。

花粉は、人体に入ってきても本来は無害。ところが、体内に入ってきた異物に対抗するための「抗体」が、花粉に対して過剰に反応してしまうと、花粉症が発症します。
この「抗体」をコントロールする鍵となるのが、“免疫のバランス”です。

“免疫のバランス”とは?

花粉症のしくみ画像

病原菌やアレルゲンが体内に侵入すると、免疫細胞の「マクロファージ」が第一関門となって、それらを食べて除去します。同時にこれら異物の抗体を作る司令塔であるリンパ球の一種である免疫細胞「ヘルパーT細胞」に、異物侵入の情報を伝えます。

侵入者に関する情報を受け取った「ヘルパーT細胞(Th細胞)」は、異物が“菌やウイルスなどの病原体”の場合は「Th1細胞」に、“ダニ・カビ・花粉などのアレルゲン”の場合は「Th2細胞」に変化します。

「Th1細胞」と「Th2細胞」は、侵入した異物にくっついて無力化する「抗体」を作るように、同じく免疫細胞の一種である「B細胞」に指令を出します。
「Th1細胞」は「B細胞」に対して”菌やウイルスといった病原体向け”の抗体を作るよう指令し、「Th2細胞」は”ダニ・カビ・花粉などのアレルゲン向け”の抗体(これが花粉症の原因の「IgE抗体」)を作るよう指令。B細胞はそれぞれに指令された抗体を作ります。

今、出てきた「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスが “免疫バランス”と呼ばれるものです。“ダニ・カビ・花粉などのアレルゲン向け”の抗体を作るように「B細胞」に指令を出す「Th2細胞」が過剰に反応すると、「IgE抗体」が必要以上に放出され、花粉症を引き起こします。

そもそも「Th1細胞」と「Th2細胞」は、互いに「情報伝達物質(=「サイトカイン」。どんな抗体を作るのか指示する物質)」をバランスよく放出することにより、お互いが暴走しないように抑制しあっているといわれます。

では、なぜ「Th1細胞」と「Th2細胞」の活動バランスがくずれてしまうのでしょうか。その原因の全容は解明されていません。ただ、近年の生活環境の中では、雑菌やウイルスにさらされる機会が減っています。そのことによって、“菌やウイルスといった病原体向け”の抗体を作る指令を出す「Th1細胞」の働く機会が減ってしまい、「Th2細胞」が過剰に働きがちになるという説があります。

大人になってから花粉症が発症するのはなぜ?

大人になってから花粉症になることが多いのは、免疫力の低下と深い関係があります。
免疫力は、20歳をピークに年齢とともに低下します。40歳代では、20歳代のおよそ半分に、70歳代になるとその力は約10分の1になると言われています。(※)
免疫力は、免疫バランスを維持する力でもあります。年齢とともに、免疫バランスが保ちにくくなるために、花粉症を発症しやすくなるともいえます。

ちなみに、免疫バランスを低下させるそのほかの原因には、食生活の乱れ、精神的なストレス、環境汚染、薬(抗生物質など)の常用などがあります。

花粉症の症状を軽減する基本は外部からのガード

アレルギー症状を防ぐには、マスクや花粉をガードする化粧下地やスプレー、花粉症専用のメガネなどを使用してなるべく花粉を付着させないこと、付着した花粉をすぐに洗い流す、目薬をさすなどが有効。しかし、完全にガードできるものではないので、体自体をアレルギーに対抗できる状態に整える努力が必要です。

アレルギーに対抗できる状態に体を整えるには、「皮膚や粘膜をじょうぶにしておく」こと、「免疫力を高める(腸内環境を整える)」こと、「免疫バランスを整える」ことがポイント。これらの観点からおすすめの“花粉症対策食品”をご紹介します。

花粉症の症状を防ぐ・軽くする食品は?

●たんぱく質――免疫細胞を活性化し、丈夫な皮膚や粘膜を作る

たんぱく質画像

人間の体を作る主成分といえば、たんぱく質。丈夫な皮膚や粘膜を作るのにも、免疫細胞を活性化するのにも必要です。納豆、豆腐といった大豆製品や、肉や魚、卵をバランスよく食べることを意識しましょう。
大豆製品には粘膜を強くして防御力を養うビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維も含まれます。

免疫細胞を効率よく作ってくれるのは肉類。免疫力を維持するために必要なミネラルである亜鉛も豊富です。魚にはEPA、DHAという不飽和脂肪酸(オメガ3)が血流を促進し、免疫バランスを整えることにつながります。

さらに、スーパー食材といわれる卵は、食物繊維とビタミンC以外ほぼすべての栄養を含んでいる総合栄養食。卵黄には皮膚や粘膜の正常保持に寄与するビタミンA(レチノール)、ビタミンEも多く含まれます。

●ヨーグルト――乳酸菌が腸内環境を整える

ヨーグルト画像

免疫細胞の約7割が腸に集まっているので、腸内環境を整え、免疫細胞を活性化することは非常に重要です。腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が存在します。腸内細菌には大きく分けると善玉菌と悪玉菌、さらにそのどちらか強いほうの味方をする日和見菌の3つがあり、腸内に善玉菌が多ければ、腸内環境が整っていると考えられます。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内環境を整えるために重要な役割を果たします。食べ方としては、1日200gを、花粉症対策であれば食後に食べるのが正解。食後は胃の中の胃酸が薄まっているために乳酸菌が生きたまま腸まで届きやすくなります。

ヨーグルトには皮膚や粘膜を丈夫にするビタミンAをはじめビタミンB群も豊富なので、花粉アレルギーで炎症を起こしやすい部分を強化することにもつながるといえます。

●発酵食品――善玉菌が多く含まれる

醗酵食品画像

ぬか漬け、キムチ、納豆、みそ、しょうゆなどの発酵食品も、乳酸菌などの善玉菌が多く含まれています。ぬか漬けのぬか自体も乳酸菌の宝庫。水洗いせず、キッチンペーパーで拭う程度にして食べましょう。

●水溶性食物繊維――善玉菌のエサになる

食物繊維画像

食物繊維が豊富な食品としては、麦や雑穀などの穀類、さつまいもやこんにゃくなどのいも類、豆やおからなどの豆類、ごぼう、モロヘイヤ、ブロッコリーなどの野菜類、アボカド、きんかん、ドライフルーツなどの果物類、きくらげやえのきたけなどのきのこ類、わかめやひじきなどの藻類があります。食物繊維は水溶性(水に溶ける)と不溶性(脂に溶ける)に分かれますが、花粉症対策のためには特に、ビフィズス菌、善玉菌のエサになる水溶性食物繊維をより摂取したいところ。主食のごはんを水溶性食物繊維豊富な大麦ごはんに切り替えるのもおすすめです。

●リポポリサッカライド(LPS)――免疫細胞の第一関門「マクロファージ」を活性化

れんこん画像

「リポポリサッカライド(LPS)」は、病原菌やアレルゲンが体内に侵入したときに、免疫細胞として第一関門となって働いてくれる「マクロファージ」を活性化するといわれます。「リポポリサッカライド(LPS)」は水の中や土の中にいる細菌由来の成分で、漢方の「葛根湯」の原料でもあります。めかぶやわかめ、れんこんなどに多く含まれています。
めかぶやわかめ には免疫力を高める効果があるといわれる「フコイダン」という成分も含まれるので、LPSとともに、ダブルの効果が期待できるでしょう。

●パラミロン――免疫バランスを整える

ユーグレナ画像

最近スーパーやドラックストアでもパウダー状のものやドリンク状の製品で見かける「ユーグレナ(和名はミドリムシ)」。ユーグレナは「虫」ではなくて「藻類(も)」の一種です。

ユーグレナにだけ含まれる「パラミロン」という食物繊維が、免疫バランス(Th1細胞とTh2細胞の働きのバランス)を整える作用があることがわかっています。「パラミロン」には“トゲ”のように突起した箇所があり、これが、病原体が持つトゲトゲの部分(糖鎖という)に似た形状のため、「パラミロン」を体にとり込むことで、ふだんは活性化していない「Th1細胞」が活性化されます。それによって、Th1細胞とTh2細胞の活性のバランスが整うというメカニズムです。新たな花粉症対策食品として近年注目されはじめています。

また、「パラミロン」には、自律神経を整え、睡眠の質を向上させたり、疲労を回復させたりする効果があることも示唆されています。ユーグレナには前述のLPSも含まれています。

●β-グルカン――免疫細胞を活性化する

きのこ類画像

きのこ類は食物繊維が豊富ですが、なかでも多くのきのこ類に含まれる「β-グルカン」は免疫細胞を活性化する作用があります。ほかにもきのこに含まれるビタミンB1やB6、ナイアシンにも皮膚や粘膜を保護する効果、精神の安定をもたらす効果があると言われています。毎日少しずつでもいいので、とるようにするのがおすすめです。

●ポリフェノール――免疫バランスアップ効果が期待

ポリフェノール画像

赤ワイン、コーヒー、チョコレートなどに含まれる「ポリフェノール」。
「ポリフェノール」は、野菜や果物、豆類、いも類、藻類などの植物が、有害なものから自身を守るために作り出す成分「ファイトケミカル」の代表格。色素や香り、苦み、辛みなどに含まれる植物性化学物質です。

赤ワインのポリフェノールやチョコレートに含まれるカカオポリフェノールには免疫バランスアップ効果が期待できます。また、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種「クロロゲン酸」も抗酸化作用が高く、免疫バランスアップに役立つといわれます。ただし、コーヒーのとりすぎは胃酸過多の原因となり胃を荒らすので、1日400mlまでを目安にするとよいでしょう。

●緑茶やハーブティー――不快な症状を軽減

緑茶に含まれる「カテキン」は、花粉症などのアレルギー反応を抑制し、かゆみや鼻づまりの原因であるヒスタミンの放出を抑えると考えられています。カテキンを含む飲みものを飲むと、スギ花粉症の鼻の症状、目の症状が緩和されることがわかっています。

また、ハーブにも、花粉症の原因物質であるヒスタミンの放出を抑える作用や、抗酸化作用や抗炎症作用が確認されています。くしゃみや鼻水、目のかゆみを和らげるエルダーフラワーティーや、鼻づまりに効果があるといわれるネトルティー、リラックス効果のあるカモミールティーなどがおすすめです。

●体を温める食材――免疫機能アップ
体温が1度下がると代謝は12%ダウンし、免疫機能もダウンするといわれています。免疫細胞が最も活発に働くのは体温が36.5度のときで、35度台に下がると働きがかなり鈍くなってしまいます。体温は36.5度以上をキープすることを目指したいもの。

しょうが、とうがらし、わさび、にんにくなどは、体温を上げてくれる食材です。また、「体を温める野菜」と「体を冷やす野菜」の見分け方を覚えておくと便利です。
・体を温める野菜……冬に旬を迎える/地面の下にできる/黒・赤・オレンジ色
・体を冷やす野菜……夏に旬を迎える/地面の上にできる/白・青・緑色の葉物野菜

※Shimatani Kenichiro, et al. PD-1+ memory phenotype CD4+ T cells expressing C/EBPα underlie T cell immunodepression in senescence and leukemia. Proceedings of the National Academy of Sciences (2009), 106(37): 15807-15812

いかがでしたか。今から試すことのできる食材も多かったのではないでしょうか。
食べもののパワーもいただいて、少しでも花粉症の症状を和らげる生活したいですね。

日比野 佐和子

日比野 佐和子

医療法人社団康梓会 Y’s サイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングド クター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、 森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。現代医療の立場を踏まえ、欧米のアンチエイジング医学、再生医療、先端医療の第一人者として、中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療 法(血液浄化療法)など幅広い分野を専門とする。アンチエイジング医学の第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。

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