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深呼吸する女性

前回、肺の健康は全身に影響を及ぼすということをお伝えしました。呼吸の質が全身の健康状態を大きく左右してしまうのです。そこで、肺の機能アップのために取り組みたいのが、“肺活”。呼吸筋をほぐして、肺の機能を最大限に活かし、とり込める酸素量を増やすのが目標です。「肺の機能は何歳になっても高めることができる」と小林弘幸先生。今回は、小林先生の新著『最高の体調を引き出す超肺活』から、肺活トレーニングについてご紹介します。


肺を鍛える=呼吸筋の柔軟性を高めること

フィットネスで呼吸を整える女性

肺を鍛えるといっても、肺そのものを鍛えることはできません。
肺そのものには膨らんだりしぼんだりする機能はなく、「呼吸筋」と呼ばれる筋肉が動くことで、胸郭が拡張や収縮をし、その動きに連動して肺も膨張や収縮ができています。

「息を吸うとき、胸郭の呼吸筋は伸び、横隔膜は縮んで下方向に下がります。そのとき肺は横隔膜に引っ張られて膨らみ、膨らんだ肺のなかに空気が入っていきます。息を吐くときは、胸郭の呼吸筋が縮み、横隔膜は伸びて上方向に上がります。肺は横隔膜に押し上げられて小さくなり、肺のなかの空気は外に押し出されます。
このように、肺は、横隔膜などの呼吸筋が収縮することによって空気をとり込んだり吐き出したりしているのです。“肺を鍛える”とは、呼吸筋の柔軟性を高めて、スムーズに胸郭が拡張するようにすることを意味します。胸郭の動きがスムーズになると、ゆっくりと深い呼吸ができるようになります。 すると、肺胞からとり込める酸素量を増やすことができるのです」(小林先生)

呼吸筋には、斜角筋、肋間筋、前鋸筋、脊柱起立筋、横隔膜などがあります。斜角筋は胸郭の上側、肋間筋は胸郭の前面から横面、前鋸筋は胸郭の横面、脊柱起立筋は胸郭の後面についていて、それぞれ胸郭が拡張する動きをサポートしています。

横隔膜は、胸郭の底にある、胸とお腹を隔てている筋肉の膜です。これらの筋肉が柔軟に動くと、胸郭の可動域が広がり、肺のなかにたくさんの空気を入れることができるようになります。

肺活トレーニングの効果とやり方

肺のまわりの呼吸筋群を鍛え、深い呼吸をできるようにするためのエクササイズです。
行う時間帯に決まりはありませんので、できれば食後30分は避け、好きな時間帯に行ってみてください。無理のない範囲で、毎日1セット〜3セットを行うのがよいでしょう。
まずは基本の呼吸法から始めます。

<肺活トレーニングの際の呼吸の仕方>
(1)リラックスした状態で、3~4秒かけて、鼻から息を吸います。
(2) 6~8秒かけて口からゆっくり息を吐きます。

<胸郭のトレーニング>

胸郭のトレーニングのやり方

【1】
(1) 足を肩幅に開き、まっすぐに立つ。
(2) 両手を頭上に伸ばして、手首を固定するように交差させる。
(3) 鼻から息を吸いながら、 腕を上へと伸ばす。

【2】
(1)手首を交差させたまま、口からゆっくりと息を吐きながら体を右方向にゆっくりと倒す。
(2)鼻から息を吸いながら【2】の(1)の姿勢に戻す。
(3)左も同様にする。

呼吸をしながら 筋肉を伸ばすことで肩甲骨と胸郭が広がり、胸郭全体のストレッチになります。

<肩甲骨のトレーニング>

肩甲骨のトレーニングのやり方

【1】
(1)足を肩幅に開き、まっすぐに立つ (座ったままでも可)。
(2)背筋を伸ばし、鼻から息を吸いながら手のひらを外側に向けた状態で両腕を開く (ひじは90度に曲げる)。

【2】
(1)口からゆっくりと息を吐きながら、親指を外側にして手の甲が合わさるように前腕を体の前で合わせる。【1】と【2】を10回行います。

【POINT】肩甲骨周辺の筋肉を伸ばすことで肋間筋が広がり、胸郭の動きがスムーズになります。

<ろっ骨まわりのトレーニング>

【1】
(1) 足を肩幅に開き、まっすぐ立つ。
(2) 胸の下の左右のろっ骨あたりを両手でつかみ、やや上体を反らしながら鼻から息を
吸う。
【2】
(1) ろっ骨あたりをつかんだまま、少し前かがみになり、口からゆっくりと息を吐き切
る。【1】【2】を10回行う。

【POINT】ろっ骨をつかみながら呼吸をし、胸郭に刺激を与えることで、 ろっ骨まわりの筋肉が、ほぐれます。

深く呼吸に加えて、呼吸筋をほぐし、上半身の可動域を広げるように意識してみましょう。肺活トレーニングで呼吸の質をよくすると、ふだん浅い呼吸になりやすいときにも気づけるようになります。

参考書籍

『最高の体調を引き出す超肺活』(アスコム)

著者/小林弘幸

順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した”腸のスペシャリスト”でもあり、みそをはじめとした腸内環境を整える食材の紹介や、自律神経と腸を整えるストレッチの考案など、様々な形で健康な心と体の作り方を提案している。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『自律神経を整える長生き呼吸法』(アスコム刊)などの著書のほか、『世界一受けたい授業』(日本テレビ)や『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

監修者/末武信宏

1962年、岐阜県生まれ。さかえクリニック院長。医学博士(順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了)。トップアスリート株式会社代表取締役。日本美容外科学会認定専門医としてアンチエイジング診療を行うかたわら、順天堂大学医学部非常勤講師としてスポーツ医学の研究を行っている。また、オリンピック日本代表選手、プロ野球主力選手、ツアープロゴルファー、格闘家、トップアイドルなどのトレーニング指導、コンディショニングも行うなど、多方面で活躍中。

文/庄司真紀

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