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疲れた様子の女性

リモートワークなど生活が変化するなかで、不調を感じる人が多いようです。「自律神経とは、“脳が人を操るために伸ばした糸”とでも呼ぶべきもの。不調や不安の原因は自律神経と関連していることが多いです」と話すのは 、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。今回は小林先生の新著『結局、自律神経がすべて解決してくれる』からお伝えしていきましょう。

監修
小林 弘幸

変化やストレスも自律神経を乱す

だるそうな様子のパジャマ姿の女性

私たちは、もともと「変化」がとても苦手です。

「進学や就職、昇進、結婚や出産などのうれしい変化でもなぜか疲労感を覚えたり、お腹の調子が悪いことが続いたり、眠りが浅くて夜中に何度も目が覚めてしまったり、なんてことはありませんか? じつはこれ、すべて自律神経が乱れているからなのです。自律神経が乱れる原因はさまざまですが、大きな要因のひとつは過度のストレスがかかることです。そして、変化が大きなストレスとなってしまうことは、じつは珍しくありません」(小林先生)

リモートワークも自律神経を乱す原因になり得ます。

「リモートワークには通勤時間の解消などさまざまなメリットがありますが、“急な働き方の変化”にはストレスを感じて当然です。 注意力が散漫になる、孤独感を抱く、集中できない、成果が上がらない、眠れないなどということがあったら、自律神経が乱れているアラームだといえます」

自律神経のバランスが乱れて起こる病気

シーソーでバランスを保っている2つの球体

「自律神経とは、“脳が人を操るために伸ばした糸”とでも呼ぶべきもの」と小林先生。

「私たちの体は、知らない間に“自動運転”されています。心臓が動き、呼吸をし、汗をかき、眠くなったり起きたりします。それを担当してくれているのが自律神経のシステムです。とてもよくできているシステムですから、非常に精密で、少しでも狂ってしまうと、すぐに体の不調として現れてしまうのです」

自律神経のバランスを崩すと、体のあちこちに悪影響を及ぼします。具体的には、以下の病気を発症することがあります。

●自律神経失調症…精神的なストレスや過労が引き金となって自律神経が乱れ、心や体に不調が現れる状態。全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠などの症状が現れます。

●神経性胃炎…ストレスや過労が原因となる胃炎。自律神経のバランスを崩して胃酸が過剰に分泌され、のどがつかえる、胸やけがする、胃が痛む、胃がもたれるなどの胃炎の症状を引き起こします。

●過敏性腸症候群…ストレスで腸の働きが悪くなり、腹痛を伴う慢性的な下痢や便秘などを引き起こします。ときに下痢と便秘が交互に起こることもあります。

●メニエール病…睡眠不足や過労、ストレスなどが原因で内耳のリンパ液に異常が生じ、めまいや耳鳴り、難聴などの症状が現れます。

●過呼吸症候群…過剰な精神的ストレスが引き金となって、突然浅く速い吸をくり返す疾患です。息苦しさや胸の痛みなどの症状が現れます。

更年期障害の症状は自律神経失調症そのもの

イライラした様子の女性

疲れやイライラ、動悸、不安定感など、40代半ばごろから起こる女性の更年期障害。典型的な更年期障害の症状は自律神経失調症そのもの。

「女性ホルモンの減少は誰にでも起こるのに、更年期障害とされる症状を強く訴える人もいれば、ほとんど感じない人もいます。じつは更年期障害におけるさまざまな症状も、自律神経が乱れていると、より重くなってしまうことがわかってきました。実際に更年期障害の症状が重い人の自律神経を測定すると、副交感神経が低いままの、典型的な自律神経失調症の状態であることがわかります」

更年期障害の治療といえば、ホルモンを補充することが一般的ですが、一方で薬の副作用を心配する声もあるので、まずは自律神経を整えることを、ぜひ考えてみてほしいと、小林先生は言います。

また近年、20代、30代の若い年齢の女性においても、女性ホルモン「エストロゲン」の量が減り更年期障害のような症状が増加。こうしたケースでも自律神経が関係しているとか。

「若年性更年期障害とされる女性は、多くの場合、強いストレスを受けており、つまりは自律神経を乱されている状態にあります。若い女性でも更年期のような症状が出たら、まずは自律神経を整えることを考えてみましょう」

長引く自粛生活や生活の変化でストレスが積み重なり、自律神経にも負担がかかっているはず。自律神経を整えることは、健康を守るうえでもっとも大切な基本事項だといえそうです。

次回は、若年性更年期障害について詳しくお伝えします。

文/庄司真紀

参考書籍

『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)

小林 弘幸

小林 弘幸

順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。87年順天堂大学医学部卒業。92年同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手などのパフォーマンス向上指導に関わる。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した"腸のスペシャリスト"でもある。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)、『最高の体調を引き出す 超肺活』(同)などの著書のほか、メディア出演も多数。

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