スギ花粉が飛ぶ季節になりました。目がかゆい、ゴロゴロするなど、目に症状があるときは、花粉が目に入らないようにするといったセルフケアも大切です。一方、間違ったセルフケアでは逆効果になることも。効果的な花粉症対策について、目のアレルギーに詳しい、みさき眼科クリニック院長の石岡みさき先生に伺いました。
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目に入った花粉は人工涙液で流そう
目のかゆみ、ゴロゴロする感じ……「目を洗いたい!」洗眼は、やり方を間違えると、かえって目を傷つけてしまうことも。安心な方法は?
●目を洗う→人工涙液がおすすめ
目を洗いたいときに、石岡先生がすすめるのは人工涙液を使って、目だけを洗い、花粉を目の外に流す方法です。
「人工涙液は、涙に近い性質で、点眼薬と違い、防腐剤も入っていません。しみたりもせず、目にやさしいのが特徴です。そもそも、花粉で目の粘膜にアレルギーが起こるのは、目の表面で涙によって花粉が破裂し、アレルギーを引き起こす物質が粘膜に触れるため。人工涙液は、花粉を破裂させることなく洗い流すので、花粉症対策におすすめです」(石岡先生)
●今シーズンは、花粉対策用の人工涙液が新しく登場
これまでも、コンタクト、ドライアイ対策用の人工涙液がありましたが、洗眼に使うには量が少ないという問題がありました。今シーズンは、洗眼に十分な量が入って花粉を洗い流せる、点眼型の人工涙液の『ウェルウォッシュアイ』(参天製薬)が登場しています。
●使い過ぎは、ドライアイの原因に
ただし、使い過ぎには注意。「目の表面はムチンという粘液で守られています。必要以上に洗眼を行うと、ムチンが洗い流され、目の表面が傷ついたり、ドライアイの原因にも。用法、用量は守りましょう」(石岡先生)
これはNG!洗眼を見直そう
これまで、ほかの方法で目を洗ってきた人もいるかもしれません。でも、こんな洗眼方法には気をつけて。
●カップ洗浄はどうなの?
目を洗う方法として、洗浄液をカップに入れたカップを目の周囲にあてて、花粉を落とす方法もあります。
「カップ洗眼は、目の周囲の汚れが洗浄液に混じってしまい、逆に目の表面を傷つけることも。賛否はあるようですが、私はおすすめしていません」(石岡先生)
●水道水で洗ってはダメ?
水道水で目を洗うのが一番簡単な気もするけれど……?
「水道水は、含まれている塩素で目の表面が傷つくことがあるため、目の洗眼には向いていません」(石岡先生)
花粉から目をガードする方法
目に花粉が入らないようするセルフケアも大切です。
●メガネやゴーグルで花粉からガード
花粉から目を守るには、メガネがゴーグルをかけましょう。
「レンズの両脇にガードのついたゴーグルタイプのほうが花粉を防ぐことができます。ふだんからメガネをかけている人には、メガネのレンズにかぶせるタイプのゴーグルも出ていますが、デザイン的にいまひとつのようです。帽子をプラスすると、レンズの上から花粉が入るのを防ぐことができます」(石岡先生)
花粉が多く飛ぶ日には、不要不急の用件なら、外出を控えることも花粉症対策といえます。
取材・文/海老根祐子