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調理する女性の画像

老化の原因になるといわれるAGE(たんぱく質と糖が熱によってこびりつき、焦げつくことでできる物質)。前回までは、AGEを多く含むメニューや食材、AGE化を防いでくれる成分などについて見てきました。レモンの下味つけや、焼きもの・揚げものを食べ過ぎない工夫、食物繊維の摂取など、知ることによって意識できるアンチエイジング法はいろいろあるようです。今回は、家で調理するときにできるひと工夫について、くわしくお伝えしていきます。みりんの活用やドレッシングとのつき合い方など身近な話題が満載ですから、ぜひチェックしてみてください! 今回も「AGE」研究の最先端を行く山岸昌一先生にうかがいます。

監修
山岸 昌一

調理方法で減らすAGE

前に、肉をお酢やレモン汁などでマリネすると、加熱するときに生じるAGEを抑えられることを紹介しました。ほかにもAGE化を防ぐ調理法のコツがあります。

フライパンを使うときはコールドスタート

油のひかれたフライパンの画像 

「熱したフライパンに油をひく」というのは、調理法の定番。でも、AGEを増やさないためには、あらかじめフライパンに油をひき、食材を並べてから火をつける「コールドスタート」がおすすめです。もちろん油の量はひかえめに。脂身のある肉は、油を使わず、食材がもつ油分で焼くとよいでしょう。

強火ではなく弱火~中火でじわじわと熱していくこともポイント。加熱時のAGEが抑えられるだけでなく、ジューシーな仕上がりに。とくにかたい肉はやわらかくなります。こうしたコールドスタートと低温調理を意識してみましょう。

長時間煮込む料理は下ごしらえに工夫を

カレーなど、煮込むのに長い時間が必要な料理は、AGEが増えてしまいがち。そこで、あらかじめ材料を細かく切り、ミキサーでペースト状にしてから調理すると加熱時間が少なくて済みます。調理時間の時短にも役立ちます。

下記も参考にしてみてください。
■AGE攻略レシピ カレーの作り方
一般社団法人AGE研究協会のWEBサイト

甘味はみりんの活用を

甘さを出すための調味料は、砂糖ではなく、みりんがおススメ。みりんはAGE化するスピードが砂糖に比べてゆるやかなためです。

ドレッシングやマヨネーズは?

ドレッシングやマヨネーズの画像 

ドレッシングやマヨネーズは、少量であれば気にするほどのAGE量ではありません。しかし、こうした油の味に慣れてしまうと、蒸し料理など低AGEのメニューが味気なく感じてしまいがち。食生活は慣れです。日頃から、あっさりとした味に慣れておくことも、AGEを減らすコツ。ノンオイルドレッシングやだしなどを活用してみましょう。

電子レンジの使用は控えめに

電子レンジは、焼き色がつかないまでもマイクロ波で食品を高温にします。それだけではなく、糖の反応性を高め、AGEを増やしてしまいます。しかも、揚げものなど油分の多い食べものは、油が劣化することで糖とたんぱく質がくっつきやすくなり、さらにAGE化を進めることにも。電子レンジは欠かせない調理器具ですが、ちょっとでも控えることを意識してみましょう。とくに10分を超える加熱は要注意。温め直しには、湯せんがベストです。
電子レンジと同じく、揚げものの二度揚げもさらなるAGEの増加の原因に。できる限り、揚げたてを食べるようにしましょう。

朝食でもAGEを意識して

トーストの上に目玉焼きが乗った画像

朝食はトーストと卵料理など、同じメニューを食べている人も多いのでは? 毎日、食べるものだからこそ、AGEを意識することが大切です。

トーストのバターはあとから

バターをのせたカリっとしたトーストは、朝食の定番のひとつ。食パン(60g)は、焼く前は49exAGE、こんがりと焼くと78exAGEとAGEの値は増えます。バターのAGE値は、1,472 exAGE(10g)と高め。さらに食パンにバターをのせてから焼くと、AGEの値は2,434 exAGEに。せめてバターは焼いたあとに、のせるようにしましょう。

卵料理はバリエーションをつけて

卵料理は、生卵→ゆで卵→目玉焼きの順にAGEが多くなります。生卵なら59 exAGE、ゆで卵は135 exAGEですが、目玉焼きはなんと1,988 exAGE(サラダ油2.5g)。バターなどを使うスクランブルエッグも食べ過ぎには注意しましょう。
毎日、目玉焼きを食べている人は、週に何回かはゆで卵にするなど工夫してみましょう。目玉焼きは、少なめの油で水を入れて蒸し焼きにすると、AGEを抑えることができます。

和食をとり入れる

朝食がパン派の人は、たまには和食にしてみるのもおススメです。ごはんと納豆、生卵、野菜やきのこを使ったみそ汁などのメニューは、AGEを抑えるだけではなく栄養もしっかりととることができます。ただし、和食は塩分が多くなりがち。かけるしょうゆの量やみそ汁の濃さなどにも気をつけましょう。

外食で主食選びに迷ったときは低GI食品を

全粒粉のパンなどの画像

そばとうどん、ごはんとパンなど主食をどちらにするか悩んだときは、GI値を意識してみましょう。GI値とは、グリセミック・インデックスの略で、カンタンにいうと炭水化物が消化されて、ブドウ糖に変わるスピードを表したものです。つまり、GI値が高い食べものは、血糖値が上がりやすいといえるのです。AGEは高血糖になると作られやすくなるため、GI値が低い食べものを選ぶのもAGEを抑えるコツです。

一般的に、穀類では精白度の高いもののほうがGI値も高くなります。高めなのはうどんや白いご飯(精白米)やパン。精白米よりも玄米、白パンよりも全粒粉パンのほうが低GIです。そばやオールブラン(シリアル)もGI値が低い穀物としてあげられます。

いかがでしたか。案外ちょっとした工夫でAGEを抑えられると感じた人も多かったのではないでしょうか。油や熱を使った調理をする際は少しAGEを意識するだけで、体内にたまるAGEの量が大幅に変わってくるかもしれません。

次回はAGEをためないための食事のタイミングや食べ方の工夫をお伝えします。

取材・文/大内ゆみ

 

山岸 昌一

山岸 昌一

昭和大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科学教授。
総合内科専門医、糖尿病学会専門医、循環器学会専門医。高血圧学会専門医。日本抗加齢協会理事。平成元年金沢大学医学部卒。金沢大学医学部講師、ニューヨーク留学をへて、久留米大学医学部教授を10年間勤め、平成31年より昭和大学医学部教授。糖尿病と心臓病の研究から老化の原因物質AGE(エージーイー)に着目。AGEに関する最新データを次々と発表し、その英文論文数は600編を超える。世界で最も精力的に老化、AGE研究に取り組んでいる医学者の一人。AGEに関する研究で、アメリカ心臓病協会最優秀賞、日本糖尿病学会賞、日本抗加齢医学会奨励賞など多数の医学賞を受賞。最近では、「ためしてがってん」、「あさイチ」、「たけしのみんなの家庭の医学」、「夢の扉」「林修の今でしょ講座」「主治医が見つかる診療所」「羽鳥慎一モーニングショー」などの多くのテレビ番組や5大新聞で研究成果が大きく取り上げられる一方、「AGEを抑え、老化を防ぐ食養生」について一般向けに広く啓蒙活動も行っている。

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