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【2020年 美脚大作戦 vol.1】あなたの脚は大丈夫⁉ 脚がむくむ7つの原因と対処法

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モデルが太ももをさすっている写真

かかとに体重を乗せて歩く「プライマリーウォーキング®」という歩行方法を知っていますか? じつは、かかとに体重を乗せるように「立つ」「歩く」だけで、体に負担がかかりにくく、ひざ痛や猫背、O脚、X脚、外反母趾、むくみ、循環器系の悩みなど、さまざまな症状が改善される画期的な方法で、今、巷で話題になりつつあります。
FYTTEでは、「O脚を治したい!」「しなやかな筋肉の脚になりたい!」「むくみのないスッキリした脚を手に入れたい!」など、美脚になりたいと願うみなさんのために、数回に渡り、「プライマリーウォーキング®」のやり方をお伝えしていきます。

第1回目の今回は、ウォーキングを実践する前に、脚がむくむ原因と対策法をご紹介します! 教えてくださるのは、2か月予約がとれないと評判の「ラ・ヴィータ統合医療クリニック」の院長で、日本外科学会外科専門医の森嶌淳友先生。

身近なところに潜んでいる「むくみ」の原因、じつはかなり当てはまる人も多いのでは!?

監修 : 森嶌 淳友 (医師、ラ・ヴィータ統合医療クリニック院長)

医師、日本外科学会外科専門医、下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医・指導医。ラ・ヴィータ統合医療クリニック院長、一般社団法人日本ホロス臨床統合医療機構代表理事、Dr.Morishima-styleバイオレゾナンスアカデミー主宰。

2003年奈良県立医科大学卒業、大学時代に統合医療の道を模索する。京都大学医学部附属病院心臓血管外科に入局。03年洛和会音羽病院にて救急、外科、循環器内科、呼吸器科など、さまざまな研修を行い、05年京都大学医学部附属病院、06年近畿大学医学部奈良病院心臓血管外科にて修練を積み、この頃から下肢静脈瘤のレーザー手術を実施。14年、ドイツ振動医学バイオレゾナンスを中心に分子栄養医学、東洋医学、植物療法などを組み合わせた自然療法をメインにした「ラ・ヴィータメディカルクリニック」を開院。体だけではなく心、精神までも含めたホリスティックな統合医療を実践、19年、クリニックの拡大、移転に伴い「ラ・ヴィータ統合医療クリニック」開院。

Contents 目次

立ち仕事、冷え、加齢…
脚がむくむ原因はたくさん!

脚のむくみやだるさは、だれでも経験したことがあると思います。たとえば、朝すんなり入った靴やブーツが、夕方になるときつくなっていたり、ふくらはぎをさわると硬く、ぱんぱんに張っていたり。指で脚を押すと跡が残ったり、靴下の跡がついたりするのも、じつはむくみの症状です。

脚は体の中でも、もっともむくみが起こりやすい部位です。脚は心臓から遠い位置にあるため、心臓から送り出された血液が循環しにくく、血流が悪くなります。すると、血液中の水分が血管の外に漏れ出し、これがむくみとなるのです。

むくみを引き起こす主な原因は、次の7つ。

1. 長時間、立ち仕事や同じ姿勢を続ける
2. 加齢
3. 妊娠・出産
4. 冷え
5. リンパ管や内臓の病気
6. 水分、塩分、アルコールの過剰摂取
7. 睡眠不足

それぞれ具体的に説明していきましょう。

①長時間、立ち仕事や同じ姿勢を続ける

立ち仕事が多いキャビンアテンダントもむくみが生じやすい。
Photo:MoreGallery / Shutterstock.com

むくみは、長時間立ったまま、同じ姿勢で脚を自由に動かせないときに多く発生します。
立ち仕事がメインの販売員、美容師、看護師、キャビンアテンダント、警備員、飲食店のサービススタッフの人は、むくみが生じやすいと言えます。

では、なぜ立ったままの姿勢でいると脚のむくみは起こりやすくなるのでしょうか?
これには、静脈が大きく関係しています。まずは動脈と静脈について、簡単に説明しておきましょう。

動脈とは、心臓から送り出される血液が通る血管のことです。弾力が強く、血液を全身に流し、酸素や栄養分を行き渡らせます。脈を測るために手首を指で押さえるとき、どくどくと血液が流れるのを感じられると思いますが、これが動脈です。

一方、静脈は、心臓へ流れ込む血液が通る血管のことです。静脈の壁は動脈と異なり、薄くて弾力がありません。そのため、流れもゆっくりです。皮膚の浅い部分を通り、手の甲や脚の甲の表面から青く見えます。
静脈の役割は、動脈で運ばれて体のすみずみで使われ、体内で不要になった老廃物や二酸化炭素を取り込んだ血液を心臓に戻すことです。

イラスト 動脈と静脈における血液の流れ 入る

脚の静脈の血液は心臓からはるかに遠く、さらに下方に位置するため、重力に逆らって心臓に戻さなければなりません。血液を心臓に戻すには、脚の筋肉によるポンプ作用(※)と呼吸を使いますが、立ったままの状態が長く続くと、このポンプ作用が低下して、静脈の血液を戻す力が弱まります。
その結果、脚に血液中から水分が漏れ出し、むくみを引き起こすのです。

※ポンプ作用……ふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋が収縮と弛緩をくり返すことで、脚の静脈を圧迫し、血液を心臓に押し上げること

イラスト ふくらはぎの筋肉ポンプ作用 入る

静脈には血液が逆流しないように「弁」というものがついています。この弁が壊れると、血液が滞留して、脚のむくみを引き起こしたり、ひいては下肢静脈瘤になったりする可能性もあります。
つまり、弁をきちんと機能させ、血流を悪くしないことが、むくみを防ぐことにつながるのです。

じつは、立ち仕事だけでなく、長時間座りっぱなしの人も、むくみを引き起こしやすくなります。なぜなら、太ももの裏側をべったり座面につけ続けることで脚の静脈の弁に負荷がかかり、立ち仕事ほどではありませんが、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用が弱まるからです。たとえば、長時間飛行機に乗っているときにむくむのも、これと同じ現象が起きているからです。よく、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)という言葉を耳にすると思いますが、これは長時間同じ大勢でいることで血流が悪くなり、血栓(血のかたまり)ができて、その血栓が肺の静脈を詰まらせることで発症します。そのため、飛行機のなかでは、かかとの上げ下ろし運動など、脚を動かすことが奨励されています。

イラスト 静脈の弁のはたらき 入る

② 加齢

年をとることも、脚のむくみの発症が増える要因になります。
厚生労働省が行った国民生活基礎調査(平成25年)によると、むくみを感じている人は男性が16.8%、女性は46.3%という結果に。また、加齢とともにむくみやすくなり、40代では49.7%、70代は78.7%、80代では100%の女性がむくみを感じているそうです。

静脈の血液は、息を吸ったときに心臓に戻っていきますが、加齢とともに心臓の働きが弱まるため、血液の戻りが悪くなる…つまり血流が悪くなるのです。
また、脚の筋肉の収縮も若いころに比べると弱くなっているため、ポンプ機能も衰え、血液を上方向に押し上げる力も弱まります。
血液中の弁や血管自体が老化することも、血流の滞りにつながるのです。

③ 妊娠・出産

お腹に赤ちゃんがいるときは、腹圧が高まるため、静脈の血液の戻りが悪くなります。そのため、妊娠するとむくみがひどくなり、弁が壊れやすく、下肢静脈瘤ができる人も増えるのです。
じつは、出産経験のある2人に1人が下肢静脈瘤を経験するというデータがあり、出産回数が増えるほど下肢静脈瘤を発症しやすくなるということがわかっています。
出産後、静脈の流れが正常になり、もとに戻る人もいますが、静脈の弁がダメージを受けて壊れてしまうと、下肢静脈瘤を悪化させます。
そのことを懸念して、妊婦さんが下肢静脈瘤を予防する弾性ストッキングをはくことをすすめられるケースも多いのですが、かかっている圧を抑えるだけで、壊れた弁がもとに戻るわけではありません。

むしろ、日に日に腹圧が高くなるにもかかわらず、ストッキングをはくことにより、静脈の血液が勢いよく押し上げられると、腹圧により股関節など心臓に戻る途中で流れが滞り、静脈の弁に負担をかける可能性があるのです。
これらのことから、むくみはもちろん、下肢静脈瘤も、男性より女性のほうが多く発症しやすいといえます。

 

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