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④ 冷え
体が冷えると、血液の循環が悪くなり、毛細血管が縮こまって機能しなくなるので、血液の流れが滞りやすくなります。
その結果、むくみや下肢静脈瘤が生じやすくなるのです。
冷え症の人は水分の巡りも悪く、老廃物が排出されにくくなります。また、水分がリンパ管や血管から漏れ出して、細胞と細胞の間にたまり、それがむくみの原因になります。
「冷えは万病のもと」で、むくみや下肢静脈瘤だけでなく、免疫力の低下なども起こりやすくなります。むくみや下肢静脈瘤はもちろんのこと、その他の病気にならないためにも、冷え対策はぜひ行うようにしてください。
⑤ リンパ管や内臓の病気
体内のリンパ液の流れが悪くなり、むくみが生じるのはリンパ浮腫という病気です。
乳がんでリンパ節を切除した患者さんなどに見られます。
また、心臓や腎臓、肝臓の病気によって、血流が悪くなったり、水分を排出する力が衰えたりして、むくみが発生することもあります。
ほかにも、高血圧や高脂血症、肥満といった生活習慣病を罹患している場合も、脚がむくんで、下肢静脈瘤を引き起こしやすくなります。中性脂肪やコレステロールが増加することにより、血液がドロドロの状態になると、静脈の弁にも負荷がかかりやすくなるからです。
このように、命にかかわる病気が原因でむくみが起きていることがあるので、思い当たる人は医師の診断を受けるようにしましょう。
⑥ 水分、塩分、アルコールの過剰摂取
ダイエットなどの美容法や健康法で、たとえば「水を1日2L飲むといい」などといわれることがありますが、過剰摂取はよくありません。
水分を多くとると血液中の水分量も増え、余分な水分が血管から細胞に染み出し、細胞間に水分が溜まることで、むくみを起こします。
また、逆に水分不足もむくみの原因になります。水分が不足すると、そもそも血行自体が悪くなるため、水がたまりやすくなるのです。そのため、水分は適量をとるようにしましょう。とりすぎも、とらなすぎもダメなのです。
ほかにも、塩分のとりすぎにも注意が必要です。
体には、塩分の濃度を一定にしようとする性質があります。そのため、塩分だけが増えると、水分を増やして塩分を薄めようとします。それがむくみを引き起こすのです。
あとは、お酒の飲みすぎにも注意しましょう。お酒を飲んで、血液中のアルコール濃度が高くなると、血管が拡張して、水分処理が追いつかなくなり、その結果、むくみやすくなります。
とくに、水と塩分は毎日のことなので、できるだけ意識しながら過ごすようにしてみてください。
⑦ 睡眠不足
寝不足のまま朝起きたら、「顔や脚がむくんでいた」という経験がある人も多いのではないでしょうか。
睡眠不足になると、血液を送り出す心臓の働きが低下するため、むくみやすくなるのです。
また、睡眠不足によって自律神経が乱れ、血管が収縮している時間が長くなってしまうことも血流が滞る原因になります。
さらに、ストレスや不規則な生活なども、自律神経が乱れる原因となり、血行が悪くなるため、むくみを引き起こすことがあります。できるだけ睡眠時間を確保し、こまめにストレスケアも行うようにしましょう。
一時的なむくみへの対策
むくみの原因が下肢静脈瘤ではなく、一時的な場合は、次のようなセルフケアで、むくみを解消することができます。
● 入浴やマッサージで血行をよくする
● 下半身を鍛える
● 塩分を控えたバランスのよい食事をとる
● 水分を適度に補給する
● 睡眠をしっかりとる
しかし、むくみが日常化している場合は、単なる「むくみ」と捉えずに、下肢静脈瘤ができていないかどうか、詳しくチェックするようにしてください。
次回は、かかとに体重を乗せて歩く「プライマリーウォーキング®」の方法をご紹介していきます!
森嶌先生の著書『かかと体重®︎で歩くと血流がよくなり脚の悩みは9割解決する』もあわせて読んでみてくださいね!
取材・文/垣内 栄 イラスト/鳥光芳樹 撮影(モデルのみ)/国井美奈子 モデル/鈴木 優(バウンドプロモーション)