薬だけじゃない！ 手軽にできる花粉症対策

人口の約３分の１が花粉症ともいわれる日本。佐々木さんによると、花粉症の人がマスクや抗アレルギー薬などを購入するのに使う金額の年間平均は約12,000円、日本全国で約600億円にのぼるといわれます。さらに、医療費や労働効率低下による経済的損失は、約2,860億円にもなるといいます。こういった状況を受け、花粉症対策に用いられる抗アレルギー薬を全額自費負担に、という動きが出ているそう。
また、主に花粉症の症状緩和に使用される抗ヒスタミン薬は、処方箋がなくてもドラッグストアなどで手軽に購入できるというメリットの反面、眠気を引き起こしやすいなどのデメリットも。実際に、花粉症の薬を飲むとボーッとしてしまうという悩みをお持ちの人は多いのでは。なにかよい方法はないものか、佐々木さんにアドバイスをいただきました。

「花粉症の薬の中でも、『アレグラ』や『クラリチン』、『デザレックス』、『ビラノア』などは比較的脳内に移行しにくいため、眠気が出にくいです。『アレグラ』『クラリチン』は処方箋なしでも購入できますが、医師や薬剤師に相談して購入するのが安心ですね」

また、薬を服用する以外にも、花粉によるアレルギー症状を緩和する方法があるといいます。
「花粉症の症状緩和には、ネトルやカモミールなどのハーブティーや、ネトル、アイブライト、エルダーなどがブレンドされたハーブカプセルもおすすめです」と佐々木さん。ハーブティーは、ハーブの成分にアレルギーがなければ、薬との併用もOKだそう。鼻詰まりや集中力低下には、ペパーミントのハーブティーを飲んだり、ミントの精油を数滴ティッシュにたらしてデスクなどに置いておくのも効果的だといいます。

「ツライ症状を薬で緩和するのは悪いことではありませんが、薬の種類によっては、たった1錠でもウイスキーのシングルを３杯飲んだのと同じくらい集中力や判断力の低下を招くものもあるので、服用の際には十分注意しつつ、薬以外の選択肢ももっておけるといいですね」

花粉から肌や粘膜を守るためのナチュラルケア

花粉症のツライ症状を少しでも緩和するためには、花粉が皮膚や粘膜に直接ふれないようにする工夫も大切です。

「花粉対策に限らず、美容や健康の観点からも、肌や粘膜に膜を作ってあげることは大切。アレルゲンである花粉を直接吸い込まないためには、マスクを着用するだけでなく、鼻の粘膜にワセリンなどを少量塗って、膜を作っておくのが有効です」

マスク不足が深刻な今、すぐに実践できるケアのポイントを押さえておきましょう。

また、この時期、とくに花粉症の人は肌が敏感になりやすいという悩みも多いですよね。肌ケアはどんなことを意識したらよいのでしょうか。

「しっかり保湿をして、肌のバリア機能を保つことが重要です。肌の保湿に関わる成分『セラミド』は加齢とともに減少してしまうので、セラミドが配合されたスキンケアや、かゆみを緩和する『カミツレエキス』が配合されたケアアイテムをとり入れてみてはいかがでしょう」

コロリエ薬局では、スキンケアアイテムの取り扱いもあり、インナーケアはもちろん、ナチュラルなアウターケアアイテムも充実しています。

そのほか、食生活や生活面での注意ポイントとして、「精製された砂糖やサラダ油などオメガ６系の油は、アレルギーの炎症反応を促進してしまうので、摂取を控えたほうがいいですね。高たんぱくな食事や寝不足、ストレス過多なども症状を悪化させる要因となりますので、バランスよく食べて、よく眠り、なるべくストレスをためこまないように心がけてみてください」とアドバイスをいただきました。

また、近年よく知られるようになってきましたが、花粉症などアレルギーの症状を和らげるには、腸内環境を整えることも重要なポイントだそう。

「腸は免疫の要ともいわれ、体を守る免疫細胞の多くは腸に存在しています。腸内の善玉菌を増やすことで、アレルギーに関与するIgE抗体の産生を抑制する効果があるとの研究結果も出ているので、発酵食品や乳酸菌をとり入れるのがおすすめです」

薬で症状を緩和するのもひとつの対策ですが、薬だけじゃない、体の内側・外側からの対策を知っておくことで、少しでも快適に花粉の時期を乗り越え、免疫力アップにも応用していきたいですね。

【コロリエ薬局】
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文／野田美香