3月下旬に「自宅待機令」が出された米国・ハワイ。5月下旬には1日あたりの感染者数が1人以下という数字になり、感染者数もひと桁台が続いていたものの、その後増加傾向、8月には1日で150人の感染者となり、2回目の外出制限が発令、その後27日には2回目のロックダウンとなりました。
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JALをはじめ、すべての国際線が便を休止して半年近くが経とうとしているハワイ。ワイキキではテイクアウトサービスのみ営業しているレストランがあるだけ。そんなテイクアウトサービスも8月いっぱいで停止して年内まで休業にすると、ヘブンリー、アロハテーブルなど数か所のレストランを持つ「ゼットン」が先日発表したばかりです。ワードビレッジにある「Nobu Honolulu」も閉店のお知らせ、ダウンタウンにあるArtizan by MWも閉店を決めました。
また、8月は4便の臨時便、9月と10月は2便の臨時便が出ることが発表されましたが、観光客はまだ入国できず、ビジネスあるいは留学などハワイに必要な用事がある人用の救済策のための便のみが運航。先行きが見えない状況です。
現在は、8月27日より2週間にわたって、緊急時を除き、不要不急の外出禁止令および在宅勤務令が施行され、また8月26日より14日間、オアフ島内にて7万件の新型コロナウイルスの検査を実施することもあわせて発表し、感染者や濃厚接触者の絞り出しに入っているようです。
そんなロックダウン下においても、ファーマーズマーケットは至るところで同じように開催されています。そのひとつの「カカアコファーマーズマーケット」は、毎週土曜の朝8時から12時までで、ワードウエアハウスの跡地を使って行われています。
食べるものは必須であるからか、あるいは出かける場所が限られているせいか、ファーマーズマーケットはいつもと変わらない人出です。その中に、ワイキキに2店舗を出している「ディーン&デルーカ」も出店。同店の社長さん曰く、「地域のために何かしたいと社員らからの要望もあり、ワイキキの2店舗が閉じている中、出店を決めた」とのこと。
ディーン&デルーカでは、ハワイのハイビスカス柄のトートバッグが人気ですが、それ以外にも売り切れになる商品が多い状態。実際ここで売られているパンは、早朝からスタッフが作っているのですが、朝8時から始まるこのファーマーズマーケットでは10時には売り切れてしまうというほど人気! なかでも、食パンは生食として人気があり、また抹茶入りのパンはさらに早く売り切れになってしまいます。
お客さんは在住日本人よりローカルの人が多いようで、ハワイ島のウル(パンの木)やトマトを使ったサラダ、地元のイチゴやぶどうを使ったフルーツサンドなど人気の食べものが多いのも納得です。
また、新しい食べものを売りに出す人たちも、まずはファーマーズマーケットでということもあり、新規の面白いお店を見つけることもできます。久しぶりに行って発見したのは、グルテンフリーのベーカリーを発表した「Puunai Aloha」(プウナイアロハ)が、パンやピザなどを販売していたこと。また、アヒ(マグロ)の「ドライアヒ」や、しょうが、アヒを使ってできた「アヒツナフィレ」なども登場していました。
ロックダウンはさらに2週間延長され、9月24日までとなりました。ただし、ひとりで公園やビーチにいても問題ないらしいのですが、「だれがひとりでビーチにいるものか」と地元の人からは不満の声も。10月も救済のための臨時便が月に2本出るのみで、定期便が復活するのはまだもう少し先のようです。
写真・文/堀内章子