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もっと、ずっと、ヘルシーな私

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苦手な同僚に会わずにすむフルリモートが快適。41歳・独身、友だちもいないので、母が亡くなったら生きてる意味がありません~私、ひとりでいてもイイですか?(19)~ 「ドラクエウォーク」を聴きながら散歩中の佐藤さん。「世の中に自分の痕跡を残したくない」ので脚のみの登場です。(本人提供)

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さんです。
今回登場してくれたのは、ITベンチャーに正社員として勤務している41歳の女性。コロナ禍で仕事がフルリモートになり、昼食は朝9時半、夕食は13時半、15時半に入浴して18時に寝る――という生活を送っているそうです。20年に渡る婚活を止め、友人もいなく、「母が亡くなったら生きている意味はない…」という彼女の“おひとりさま生活”とは?


毎日起きて、食べて、仕事して、食べて、風呂に入って寝る。残りカスが無駄に生きてる感覚です

<「~私、ひとりでいてもイイですか?(5)~」を拝見しました。私も独身で、友達も彼氏もおらず、気心知れているのは母親だけです。コロナ以降テレワークになり、外出は週に1回の買い物だけで、好きだった散歩もままならずな毎日で、似ている境遇だなーと思って応募しています。私の場合は「結婚したかったけどできなかった」ことがいまだにモヤモヤしていて、つい先日仕事関係の方の娘さんが結婚したという話を聞いて余計鬱になっている状態です。必死で婚活もしたけど全く成果なし。酷いことを言われたりもして、時間とお金を散財しただけでした。毎日起きて食べて仕事して食べて風呂入って寝る…みたいな何もない生活で正直生きている意味がわからない。残りカスが無駄に生きてる感覚です。母親が亡くなったら私も死ぬ予定でいます。>

編集部に届いた出演希望メールである。送ってくれたのは都内のITベンチャーで働く佐藤弘子さん(仮名、41歳)。とてつもなくネガティブな文面だが、どことなく知性とユーモアを感じる。「残りカスが無駄に生きてる」なんてラップの歌詞のようだ。話してみたいな、と思った。

取材依頼のメールを送ると数時間以内に返信を送ってくれた。文面も丁寧で前向きな内容だ。「死ぬ予定でいる」人には思えない。Zoomミーティングを予約して画面を映し出すと、ショートカットで笑顔のかわいい女性が現れた。

***佐藤弘子さん(仮名、41歳)の話***

苦手な人ばかりの職場には戻りたくない。フルリモートの今が快適です

専門学校を出てから数えきれないぐらいの職場で働いています。しっちゃかめっちゃかな転職歴で今の会社が何社目だかわかりません。今はベンチャー企業で正社員をしていますが、基本的には派遣社員として働いてきました。自分の業務以外のことは責任を持ちたくないからです。会社のために働くという気持ちはありません。
かといって、営業を含めてすべて自分でやらなくちゃいけないフリーランスにもなりたくありません。後腐れなく仕事をして日銭を稼げればいいんです。今、年収360万円ぐらいだと思います。

今の会社はまったく楽しくありません。業務には不満はありませんが、社長以外は私が嫌いなタイプの人しかいないからです。モラハラとかではなく、コミュニケーションがとりづらくて近づきたくない人たち。特に、私と同い年の女性が苦手です。女同士で群れたがり、集まれば人の悪口ばかり。私、そういうのが一番嫌いです。
だから、出社するのが苦痛でした。私は仕事に集中したいのにその女性が雑談を始めたりするんです。すごく仕事しづらい環境でした。

コロナ禍でフルリモートになり、労働環境は大きく改善しました。苦手な同僚ともメールで最低限のやり取りをするなら問題ありませんし、週1でZoomミーティングをするだけ。一応、平日の9時半から18時半までが営業時間ですが、すぐやるべき業務がないときは散歩に出かけたりしています。元に戻ってほしくありません。

昼食は朝9時半、夕食は13時半。15時半に入浴して18時に寝る生活

私はもともとモーニングルーティンが決まっていて、朝からやるべきことがみっちり詰まっています。暇はありません。コロナでこの傾向が顕著になり、むしろ健康になりました。どのみち誰にも会えないので寂しさもなくなっています。

朝は2時半に起きます。人によっては夜中だと思うかもしれない時間帯ですね。ベッドの上でストレッチをして、お湯を沸かして、歯を磨いて、朝食をとり、トイレにも行きます。必ずお通じがあるように体ができ上がっているんです。
それからお昼ご飯の支度をして、6時半からはラジオ体操、そのあとは筋トレとストレッチを8時まで。筋トレはYouTubeで流行りの「HIIT」をやっています。お昼ご飯は9時半からです。

平日はコーヒーを飲んでテンションを爆上げしてから仕事にとりかかりますが、特にやることがないときは散歩に出かけてしまいます。コロナ前も2時間半かけて徒歩で出社していたこともあるので、2~3時間歩くのは平気です。途中で同僚から仕事の電話がかかってくることもありますが、「やっときます!」と答えれば済みます。

13時半からは夕ご飯です。と言っても、みそ汁とみかんぐらいですけど。15時半にはお風呂に入り、あとはストレッチをして寝るだけです。休みの日は18時にはベッドに入っていますし、平日も19時過ぎには寝たいですね。睡眠時間は7時間。昼に炭水化物も含めてがっつり食べているので、お腹は空きません。

フィットネスは生活の一部。「生きがい」ではない。友だちはひとりもいません

コロナ前まではWワークでフィットネスのインストラクターをやっていました。週2回、地元のフィットネスサークルで教える程度でしたけど。今の会社にもWワークをすることは伝えて許可を得てあります。
私がやっているフィットネスの分野は、最初は趣味でやっていました。先生の勧めでインストラクターの資格を取得し、教えることには楽しさを感じています。体を動かすことは生活の一部です。でも、生きがいというほどではありません。結局、私は何がしたいのかわからないまま無駄に生きているんです。

結婚もしていないので旦那さんや子どもはいないし、友だちと呼べる人もいません。学生時代は友だちもいましたが、みんな結婚したりして疎遠になりました。以前、私が作ったコミュニティで何人かと親しくしていたこともあったのですが、気づいたら私抜きでみんなワイワイと仲よくやっていたようです…。

婚活をしていたときにできた友だちもいましたが、自分の都合がいいときだけしか声をかけてこない人でした。私が誘ってもいつも断るんです。裏切られたり嫌な思いをするぐらいなら友だちは要りません。幼馴染と今でも親しくしている人とかを見るとすごいな、と思います。

「あなたとは結婚という感じじゃない」。20年間の婚活で何ひとつ学びがなかった

唯一、気軽に連絡できるのは65歳の母親だけです。毎日、お互いの生存確認のLINEを送り合っています。母が私を妊娠していたとき、父が腎臓の病気を風邪で悪化させて亡くなりました。それから私を生み育てるのは大変だったと思います。そんな母を心底尊敬していますが、一緒に住んでいると煩わしいこともあり、通勤時間の短縮を理由にして27歳のときに家を出ました。母も東京郊外の実家でひとり暮らしを続けています。

こんな私も20歳ぐらいから結婚願望がめちゃくちゃありました。祖父母はみな他界していて、母の弟である叔父も42歳で亡くなったんです。うちは短命家系なのです。親族からは「お母さんに自分の子どもを見せることが親孝行だよ」と言われたのが忘れられなくて、結婚相談所をはじめとするありとあらゆる婚活をしてきました。

どうして結婚相手が見つからなかったのか? それは私が聞きたいぐらいです。原因がわかれば改善できるけれど、20年間も婚活してきて何ひとつ学びがありませんでした。2019年は最後のチャンスだと思って、マッチングアプリで出会った男性とデートをしていました。別に好みじゃなくても、生理的に無理でなければどんな人とでも結婚するつもりだったんです。でも、「あなたとは結婚という感じじゃない」と言われてしまいました。どんな「感じ」なのかはわかりません。

いま、ルーティンが決まっているので何も余計なことを考えなくても1日が過ぎていきます。誰にも迷惑をかけていません。でも、私がいなくなっても困る人は母しかいません。母が死んだら生きている意味はないので、ひっそり死んでも構いません。自ら命を絶つ勇気もありませんが…。

定番の朝食。しらす、チーズ、玄米のこめぽん、パセリ、えごま油を混ぜたもの。「ビジュアルが犬の餌みたい」と自嘲する佐藤さん。ユーモアセンスのある女性です。(本人提供)

***大宮より佐藤さんへ***

丈夫な心身を持っていること自体が奇跡。感謝の気持ちがあれば気分は変わるはず

佐藤さんは恵まれていますね。毎朝? 2時半起床での「モーニングルーティン」から始まる1日は健康そのものだからです。気力も体力も尋常ではありません。朝8時に起きるのにも苦労していてちょっとした筋トレすら続かない僕にはうらやましい限りです。佐藤さんほど頑健な心身を授かって生まれる人は多くないと思います。

そのことへの感謝の気持ちがあれば、「いつ死んでもいい」なんて言葉は出てこないはずです。感謝の気持ちが薄い人は不満ばかり募らせてそれが態度にも出ます。もしかすると職場での人間関係や婚活がうまくいかない一因になっているかもしれません。
佐藤さんの自由な働き方を支えてくれている同僚や経営者の苦労を考えたことはありますか? 婚活で知り合って佐藤さんのために時間を割いてくれた相手に「ありがとう」と言ったことはありますか?

自分の生活をもっと客観視して、お母さん以外にも感謝できるようになれば、気分はきっと変わるはずです。日々も散歩もルーティンではなく楽しさを感じるようになるでしょう。「生きている意味」なんてわからなくていいんです。

正直に言うと、僕も寝る前などに虚無感を覚えることはあります。でも、そういうときは必ず視野が狭くなっているんです。自分ひとりで今まで生きてきたような不遜な考えに陥っているから、「無駄に生きている」なんて感じるのではないでしょうか。笑顔のかわいい佐藤さんには楽しく暮らしてほしいので、あえて厳しいことを言わせてもらいました。参考にしてもらえれば幸いです。

★出演者大募集!★

取材にご協力いただける方を募集しています!! 「なんとなくモヤモヤしているので、話を聞いてもらいたい!」「大宮さんからアドバイスをもらいたい♪」「おひとりさまライフについて語りたい」など、ほんの些細なことでもなんでもOKです! ぜひ気軽にご応募ください♪
<応募条件>
①現在、独身であること
②あごからウエストあたりまでのお写真をご提供いただけること
③Zoomなどのオンラインツールでお話を聞けること
④1時間程度の取材時間をいただけること
※顔写真やプロフィールなど、個人が特定される情報は掲載いたしませんのでご安心ください。

<ご応募はコチラから▼▼>
https://info.one-publishing.co.jp/form/pub/onepub/ohitorisama

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大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

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